【8/17(日)開催】倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ 第39回定期演奏会 ~ 地域の人とともに、子どもたちが難易度の高い楽曲に挑む演奏会

取材対応してくれた山下さん(左)、江島幹雄さん(中央)
取材対応してくれた山下さん(左)、江島幹雄さん(中央)

「ジュニアオーケストラ」という言葉を聞くと、大勢の子どもたちが演奏している光景を想像するかもしれません。

しかし、倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラが披露するのは、老若男女が集うステージでの演奏です。子どもたちを中心に、地域の人たちも一緒になって音楽を楽しんでいるそうです。

倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラが、毎年夏に開催している定期演奏会も、2025年で39回目を迎えます。

第39回定期演奏会の内容や見どころについて紹介します。

記載されている内容は、2025年8月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ「第39回定期演奏会」について

画像提供:NPO法人 倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ
画像提供:NPO法人 倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ

倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラが主催する「第39回定期演奏会」は、2025年8月17日)に開催されるクラシックコンサートです。

倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラとは?

倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラは、1984年昭和59年に結成した子ども向けのジュニアオーケストラです。

倉敷には、大原美術館などの影響もあり、昔から美術の文化が地域に根付いていました。しかし、多くの市民から「音楽の文化も倉敷に根付かせたい」という声が上がり、子どもたちが音楽に触れられる場を作ろうと、前身となる「子どものためのヴァイオリン教室」が1975年(昭和50年)開設されました。

その後、倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラが結成されます。

練習風景

技術の向上を目指すことはもちろん、アンサンブルを通じて、コミュニケーション能力など子どもたちの社会性を育てることも大切にしています

2025年現在の団員数は約40名。小学生から大学生までの団員が所属しており、それぞれ学校も住むエリアも年齢もバラバラです。

結成当初、団員数は100名を超えていたそうですが、近年は少子化の影響を受けて、団員数も減少しました。そのため、最近は子どもたちだけでなく、くらしき作陽大学音楽部と作陽短期大学音楽学科の学生やOB・OG、アンサンブル早島の団員など、地域の人たちと一緒に音楽を創り上げています

また、オーケストラに参加する前段階として、楽器の弾きかたを教えてもらえる「基礎講座」もあります。基礎講座生は、就学前~小学生までがおもな対象となっており、初めて楽器を触る子でも、安心して楽しく指導を受けられるのが魅力です。

画像提供:NPO法人 倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ
画像提供:NPO法人 倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ

現在のおもな活動は、夏の定期演奏会・3月のスプリングコンサート・病院でのボランティアコンサートの三つ。それぞれの発表に向けて、練習に取り組んでいます。

「第39回定期演奏会」の概要

過去の定期演奏会のようす
過去の定期演奏会のようす

第39回定期演奏会は、倉敷市芸文館ホールでおこなわれます。

演奏されるのは以下の3曲です。

  1. ビゼー / アルルの女 第2組曲より ファランドール(基礎講座編曲版)
  2. ベートーヴェン / 劇音楽「エグモント」序曲 作品 84
  3. ベートーヴェン / 交響曲第3番「英雄」変ホ長調 作品 55

1曲目の「アルルの女」は、基礎講座生による演奏。2曲目と3曲目に演奏されるベートーヴェンの楽曲は、オーケストラ生によって奏でられます。

チケットは一般が1,000円、大学生以下の学生が500円です。購入する際は、予約フォームから申し込みをしてください。

第39回定期演奏会について、音楽監督の江島幹雄(えじま みきお)さん、山下咲希(やました さき)さん、講師のかたに話を聞きました。

担当者にインタビューしました

取材対応してくれた、ホルン講師 山下咲希さん(左)、音楽監督 江島幹雄さん(中央)と、オーボエ講師 上月真子さん(右)
取材対応してくれた、ホルン講師 山下咲希さん(左)、音楽監督 江島幹雄さん(中央)と、オーボエ講師 上月真子さん(右)

定期演奏会の企画意図を教えてください

江島

定期演奏会は、倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラが発足した当初から開催しています。

私たちの活動は、市民の皆様の寄付金で成り立っており、活動に必要不可欠な楽器もご支援いただいている状況です。そのような地域のかたがたに向けて、感謝の気持ちを伝えたいという想いがあります。

また、定期演奏会を開催することで、子どもたちの成長にもつながりますし、子ども同士が絆を強めるきっかけにもなると思うんです。

定期演奏会は、ジュニアオーケストラにとって使命のようなもの。大変重要な行事だと考えています。

団員と談笑する江島さん
団員と談笑する江島さん

今回演奏する楽曲はどのような曲でしょうか

山下

講座生が冒頭に演奏するのは、ビゼーが作曲した「アルルの女」の「ファランドール」という曲です。誰もが一度は耳にしたことがあるような有名な曲です。

楽団ができた当初から、講座生も編曲などを加えながらクラシックの名曲にチャレンジしています。

練習風景 画像提供:NPO法人 倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ
練習風景 画像提供:NPO法人 倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ

江島

演奏する2曲は、ベートーヴェンが作曲した非常に有名な楽曲です。

現在、少子化の影響で団員数も減りつつあるので、少人数で演奏できる曲のなかでも、やりがいの感じられるものを選んでみました。2曲とも難易度が高いのですが、子どもたちも毎日一生懸命に練習をしていて、どんどん成長しているのを感じています。

練習風景
練習風景

今回の見どころを教えてください

江島

子どもたちが難しい楽曲に挑んでいる姿を、ぜひ見守っていただきたいです。

学校で学ぶ音楽だけでは、ベートーヴェンの交響曲を演奏する機会はめったにないと思います。まさに、この楽団に所属しているからこそ挑戦できる楽曲です。子どもたちがいかにベートーヴェンに迫れるか、ぜひ注目してみてください。

山下

講座生の幼い子どもたちが、身体全体を使って演奏している姿を見ているとパワーをもらえると思います。見ていてかわいらしいのはもちろんですが、あふれるエネルギーも伝わってくるので、ぜひ楽しんで聴いていただけたらうれしいです

講師

オーケストラでは、どの楽器もメインで演奏するパートがひとつずつあります。同じテーマを違う楽器で演奏していくのがオーケストラの見どころのひとつです。

各楽器の良さが生かされているので、それぞれの楽器の出番に注目していただくと、また違った楽しみ方ができると思います。

ティンパニの練習風景
ティンパニの練習風景

どのようなかたにおすすめしたいですか?

講師

団員の成長がわかるような演奏となりますので、ぜひ多くのかたに聴いていただきたいと思います。特に、毎日練習を見守ってくださる保護者の皆様はもちろん、団員のお友だちなどもぜひ来ていただけたらうれしいです。

山下

クラシックに馴染みがないと、なかなか演奏会に行く機会はないかもしれません。ですが、子どもにとって、自分と同い年の子がステージで演奏している姿は良い刺激になるのではと思います。小さなお子様にもおすすめしたいので、ご家族でぜひ足を運んでみてください。

ヴァイオリンの練習風景
ヴァイオリンの練習風景

楽団としての今後の目標はなんでしょうか

講師

私たちと一緒に、楽しく演奏してくださる人たちを増やしていきたいです。
倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラは、学校も年齢もバラバラな子たちが、「音楽」という共通点でつながれる交流の場です。音楽に触れたい人が少しでも増えたらうれしく思います。

また、オーケストラの楽譜は世界共通言語でもあります。「この曲を弾いたことがある」という経験は、いつかまた別の環境で音楽をやる時に、必ず役に立つはずです。技術の上達はもちろん、そのようなコミュニケーションもぜひ学んでいただけたらと思います。

画像提供:NPO法人 倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ
画像提供:NPO法人 倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ

山下

楽団として長く活動を続けていきたいので、多くのかたに演奏を聴いていただいて、さらに団員の数も増やしていけたらと思います。

講座生の子どもたちがオーケストラに上がって、さらにオーケストラ引退後もOB・OGとして楽団に関わってもらえるように、楽団全体を盛り上げていきたいです

基礎講座生のホルンの練習風景 倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ
基礎講座生のホルンの練習風景 倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ

最後に、メッセージをお願いします

講師

音楽には年齢や性別の垣根がありません。

講座生を含め、現在は4歳から大学生までのメンバーが一緒に演奏をしています。また、地域のかたにもご協力いただいて、過去には70歳のかたも演奏会に参加してくださいました。老若男女が集まって音楽でコミュニケーションを取り合う姿を、ぜひ見ていただけたらと思います。

また今回の演奏会をきっかけに、「一緒にやりたい!」というかたが増えたらうれしいです。

山下

百聞は一見に如かずということで、まずはぜひ今回の演奏会にお越しください!

同年代の子たちの頑張る姿を見て、興味を持ってくださるかたが増えたら良いなと思います。

画像提供:倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ
画像提供:倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ

おわりに

今回の取材にあたって、筆者は練習風景を見学させてもらいました。

小柄な身体からパワフルな音を奏でる子どもたちの姿を見て、元気をもらえた気がします。また、それぞれの楽器指導に特化した講師がマンツーマンで指導し、地域の人たちも団員らとコミュニケーションをとり、まさに地域と一緒に音楽を創り上げていく様子を目の当たりにしました。

当日はどのようなハーモニーを響かせてくれるのか、楽しみです。

もしクラシックがわからなくても、一生懸命に頑張る子どもたちの姿だけで心が動かされると思いました。興味のあるかたはぜひ当日足を運んでみてください。

また、団員を募る秋季オーディションは9月28日(日)におこなわれます。こちらも気になるかたはチェックしてみてくださいね。

倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ「第39回定期演奏会」のデータ

画像提供:NPO法人 倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ
名前倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ「第39回定期演奏会」
期日2025年8月17日(日)
開場:午後1時
開演:午後2時
場所岡山県倉敷市中央1丁目18−1
参加費用(税込)一般 1,000円
学生(大学生以下) 500円
ホームページ倉敷ジュニア・フィルハーモニーオーケストラ

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ずっと住んでいた神奈川を離れ、2023年12月に地域おこし協力隊として倉敷に移住しました。 縁もゆかりもなかった倉敷のまちは、見るもの、出会うもの、全てが初めてづくし!毎日の暮らしに居心地の良さを感じています。 移住者目線を忘れずに、倉敷の魅力を伝えていきたいです。

こんにちは、地域おこし協力隊です

県外から倉敷市への移住をより一層進めるため、Webを通じた生活者目線での情報発信や、移住関連イベントへの協力をミッションに活動しています。

倉敷市地域おこし協力隊

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