マングローブ植林プロジェクト Vol.7(2025年7月18日放送)~ セブ島に設立されたマングローブ研究の最前線へ

マングローブ研究家のアブナーさん(右)と、翻訳してくれた小野寺さん(左)
マングローブ研究家のアブナーさん(右)と、翻訳してくれた小野寺さん(左)

毎週金曜日午後3時から午後7時に放送中の「週刊くらしきハッピーレディオ」。

マングローブ植林プロジェクト」というコーナーでは、番組MCのチャーリー大谷が実際にフィリピンに出向き、現地のマングローブのようすや植林について伝えています。

カネパッケージ株式会社様の協力。そして、フィリピン環境省の指導のもと、FMくらしきはマングローブを植林する活動をスタート!

2025年7月18日に放送された、第7回マングローブ植林プロジェクトを紹介します。

オランゴ島で初めてマングローブが植林された場所
オランゴ島で初めてマングローブが植林された場所

この記事は株式会社エフエムくらしきによる寄稿記事です。一般社団法人はれとこ編集部が再編集し、公開しています。

記載されている内容は、2025年8月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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マングローブ植林プロジェクト

FMくらしきが取り組むマングローブ植林プロジェクト

海岸線の保護や生態系の維持に重要な役割を果たす「マングローブ」の減少を防ぐために、カネパッケージ株式会社(以下、「カネパッケージ」と記載)と連携しながら活動しています。

フィリピンのオランゴ島には、約1,500万本のマングローブが植林されています(2025年時点)。

私たちもマングローブ植林を体験し、オランゴ島での取材を終えた後、セブ島に戻りました。

セブ島でまず訪れたのは、オフィスビルの一角に設けられたマングローブ専門の研究所でした。この研究所は、採取したマングローブの検体を新鮮なうちにその場で検査できるように設けられた、画期的な施設だそうです。

どのような研究をしているのか、詳しく教えてもらいましょう。

KPGlaboratoryのようす
KPGlaboratoryのようす

新鮮な検体で研究ができるセブ島の新たな拠点

私たちが訪れたのは、KPG Laboratory(ケーピージーラボラトリー)です。

この研究所が設置されるまでは、マングローブの葉や茎の検体を研究できる施設は、フィリピン近辺だとシンガポールや日本に限られていました。しかし、国外の研究となると、検疫で1週間から1か月程の時間をかけて検体を持ち込むため、検体の鮮度維持が非常に困難だったそうです

テッセイ

フィリピン国内にこの研究所が設立されてから、検体採取からだいたい1時間以内で検査ができる体制が整いました。検体がフレッシュであればあるほど、正しい数値が測れるので、ここで取れたデータはフィリピンの国外にも提供する予定です。

KPGlaboratoryのようす

研究所が最初に目指したのは、「マングローブはどのような環境だと生きやすいのか」という、マングローブの生態理解を深める研究でした。

マングローブを始め、植物はストレスを感じたときに加酸化水素を発生します。その加酸化水素量を測定することで、植物にかかっているストレスが判明し、ストレスを軽減するための施策……いわゆる繁殖しやすい環境を考えられるそうです。

このストレスを測る研究で博士号を取得した、マングローブ研究家のアブナーさんに話を聞きました。

フィリピンで新たに確立するマングローブの研究とは

マングローブ研究家のアブナーさん(右)と、翻訳してくれた小野寺さん(左)
マングローブ研究家のアブナーさん(右)と、翻訳してくれた小野寺さん(左)

アブナーさんはこの研究所で、マングローブの環境ストレスを解き明かす研究と、マングローブの二酸化炭素(CO2)吸収量を調べる研究に取り組んでいます。

具体的にどのような方法でマングローブのストレスを研究しているのか、アブナーさんに教えてもらいました。

まず用意するのは、採取した新鮮なマングローブの葉っぱ。その葉をすり潰したら試験管に入れて、遠心力を使って液体と固体に分けます。それらに光を当てることで、葉に含まれる化学成分を分析し、外的ストレスのおもな原因を科学的に特定しているそうです。

マングローブがストレスなく繁殖していくためにも、ストレスの原因を研究することは非常に重要なのですね。

研究設備
研究設備

また、研究所全体でおこなっている「植林されたマングローブの二酸化炭素吸収量の研究」は、世界初の試みとなるそうです。

これまでもいろいろな国でマングローブの二酸化炭素吸収量は研究されてきましたが、人の手によって植えられたマングローブが対象になるのは初めてで、KPG Laboratory独自の研究になります

さらに、マングローブの根っこの二酸化炭素吸収量を調べているのも、KPG Laboratoryならではだそうです。

KPGlaboratoryのようす
KPGlaboratoryのようす

マングローブは他の植物と比較して約5倍の二酸化炭素を吸収します。

これまでにフィリピンで植林されたマングローブは1500万本。実際にどれくらいの二酸化炭素を吸収し、地球をきれいにしてくれているのか。自然に還元できる可能性を見つける場所が、KPG Laboratoryなんですね。

もしかしたら、この小さな研究所から世界を変える新たな発見が生まれるかもしれません。マングローブ植林プロジェクトは、地域の未来、そして地球の未来を守り続けていく壮大なプロジェクトでした。

植林をするチャーリー大谷

おわりに

FMくらしきでは、国際連合が掲げる方針「SDGメディア・コンパクト」に参画しており、放送している番組とSDGsで掲げられている17の目標の関連を明確にして、持続可能な開発目標の推進に力を入れています。

マングローブ植林プロジェクトは、SDGメディア・コンパクトに基づく番組でもあり、現在も進行中です。

「週刊くらしきハッピーレディオ」のゲストさんで、車で来られたかたがいらっしゃれば、1台につき1本の植樹。

そして、1個500円の缶バッジをご購入いただいた場合、1個につき1本の植樹をおこなっています。缶バッジは2025年2月の時点で、80個ご購入いただきました!

今後も地域の皆さまに役立つ情報をお届けしてまいります。

ラジオの視聴方法

「マングローブ植林プロジェクト」は、Spotifyからもご視聴いただけます。

エフエムくらしき★週刊くらしき ハッピーレディオ | Podcast on Spotify

エフエムくらしき「マングローブ植林プロジェクト」のデータ

KPGlaboratoryのようす
名前エフエムくらしき「マングローブ植林プロジェクト」
住所岡山県倉敷市白楽町520-28
電話番号086-430-0828

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