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AM倉敷 vol.16 ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山- ~ 大原美術館の名画から旅する展示

AM倉敷 vol.16 ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山- ~ 大原美術館の名画から旅する展示

知っとこ / 2020.01.14

2020年1月1日(水)~3月15日(日)、大原美術館の絵画が身近になる企画展が開催されています。

「AM倉敷 vol.16 ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-」は、画家のふたりが絵の中の風景を探して岡山を旅して作品を作った展覧会。

画家が見た風景は、どのようなものだったのでしょうか。

肩の力を抜いて楽しく見られる展示です。絵や、風景のイメージが変わるかもしれません。

大原美術館内は通常、撮影禁止です。今回は特別に撮影許可をいただいています。

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記載されている内容は、2020年1月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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大原美術館のデータ

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-
名前大原美術館
所在地岡山県倉敷市中央1-1-15
電話番号086-422-0005
駐車場なし
開館時間【12月~2月】
午前9時〜午後3時(最終入館:午後2時30分)

【3月~11月】
午前9時〜午後5時(最終入館:午後4時30分)
休館日
祝日、振替休日と重なった場合は開館
冬期休館あり
入館料(税込)【一般】
大人:2,000円
高校・中学・小学生(18歳未満のかた):500円
支払い方法
  • 現金
  • クレジットカード
  • Suicaなど交通系ICカード・iD・QUICPay・nanaco・PayPay
予約について
個人であれば予約不要(入場整理券の予約不可)
タバコ
トイレ

子育て


授乳室は工芸館にあり
オムツ替えシートは本館2階および工芸館にあり
バリアフリー


ホームページ大原美術館公式HP

展覧会の概要

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-
左から麻生さん、武内さん

大原美術館は、「AM倉敷(Artist Meets Kurashiki)」という事業をおこなっています。
AM倉敷は、アーティストが倉敷との出会いを通じた作品を制作し、その発表を行う事業です。

16回目は、「ワタリドリ計画」の作品を展示しています。

ワタリドリ計画とは

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-

ワタリドリ計画は、画家の麻生知子(あそう ともこ)さんと武内明子(たけうち あきこ)さんによるアートプロジェクトです。

予備校時代からの友人であり、個人名義でも画家活動をしている、麻生さんと武内さん。

ワタリドリ計画では、渡り鳥があたかい場所と餌を求めて飛ぶように、展示場所と題材を求めてふたりで日本各地を旅し、旅先で作った作品をその土地で発表しています。

2008年に結成し、これまで全国約20箇所で展示をしてきました。
2012年には若手画家の登竜門であるVOCA展に出品しています。

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「ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-」について

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-

「ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-」では、大原美術館の名画13点からイメージされる岡山の旅先を教えてもらい、岡山各地の28箇所を旅して、作品を制作しました。

制作の流れは、以下のとおりです。

  1. ワタリドリ計画のふたりが、大原美術館の収蔵作品の中から数点を選ぶ
  2. 倉敷在住の人に作品を見せて、「この景色が見られるのは岡山のどこですか?」と質問する
  3. 帰ってきた答えの場所を旅する
  4. 旅先でふたりの姿を入れた写真を撮り、モノクロで印刷し、手彩色絵葉書をつくる
  5. 旅先をモチーフにした油絵を描く

展示のために取材を開始したのは2018年3月。

旅をした名画は次の13点です。

  • ゴーギャン『かぐわしき大地』
  • セザンヌ『水浴』
  • マルケ『マルセイユの港』
  • マティス『エトルタ海の断崖』
  • ピサロ『りんご採り』
  • ピカソ『牛の頭』
  • ルソー『パリ近郊の眺め バニュー村』
  • クレー『燭台』
  • ロスコ『無題(緑の上の緑)』
  • 李禹煥『線より』
  • 安井曾太郎『外房風景』
  • 前田寛治『赤い風景』
  • 児島虎次郎『夏のボート』

手彩色絵葉書は、過去の展示でも制作していて、これまで約300種を作ってきたそう。

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山- 手彩色絵葉書の彩色前と彩色後

収蔵作品を元に旅先を決めるのは、大原美術館の展示に合わせた初めての試みです。

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山- 安井曾太郎から
「元となった作品・旅日記パネル・手彩色絵葉書」1セット

大原美術館本館全体を使い、「元となった作品・油絵の旅日記パネル・手彩色絵葉書」を13セットと、絵画・陶芸・映像などの作品が展示されています。

作品を見てみよう

セザンヌ『水浴』から湯原温泉へ

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山- セザンヌ『水浴』から

セザンヌの『水浴』をもとにした作品を見てみましょう。

森の中で、複数の人が水浴びをしているセザンヌの絵。
この景色が見られる場所を尋ねると、みんな口をそろえて「湯原温泉の砂湯」と答えたそうです。

ワタリドリ計画のふたりは、岡山県真庭市にある湯原温泉の砂湯(混浴の天然露天風呂)を訪れ、セザンヌっぽいスポットを探しました。

そこで写真を撮影しモノクロームで印刷して、油絵具で色を塗り、絵はがきを作ります。

湯原温泉で撮った写真を彩色したのが、こちら。

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山- 湯原温泉

筆者はこれまで、「水浴って遠い昔の遠い国の情景だなあ、日常的な光景だったんだろうか、想像できないなあ」と思ってきました。

でも、身近な場所を「セザンヌの水浴っぽいかも?」という目線で見ることで、絵に対するイメージに変化が。

セザンヌの時代に水浴していた人たちも「湯原温泉の砂湯みたいに、みんなくつろぎながら集まっていたのかなあ」「もしかしたら、『あー極楽』みたいなことを言いあっていたかもしれないな」と想像が膨らみました。

的はずれな想像かもしれませんが、視点が変わるのはおもしろいです。

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山- 湯原温泉

エピソードが添えられた油絵を見ると、一緒に旅している気分になりました。

クレーの絵はどこ?

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山- クレー
クレー『燭台』

こちらの黄色いクレーの絵を見てください。
どんな場所でこの景色が見られるでしょうか。

帰ってきた答えのひとつは、笠岡市干拓地のひまわり畑。
黄色が一面に広がるけしきです。

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-

別の人が教えてくれたのは、キャンドルレストランの「キャンドル卓 渡邉邸」。

「燭台の火はクレーの時代と変わらないだろうなと思う」とコメントがありました。

ルソー『パリ近郊の眺め バニュー村』は蒜山高原にそっくり

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山- ルソー『パリ近郊の眺め バニュー村』
ルソー『パリ近郊の眺め バニュー村』

ルソー『パリ近郊の眺めバニュー村』に似ていると声が挙がったのは、真庭市にある蒜山高原。

ワタリドリ計画のふたりが「想像通りの絵のような景色」と言うように、そっくりの景色の絵葉書ができあがりました。

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山- 蒜山高原

ルソーの絵は、「奇妙」「ヘタウマ」「遠近感がおかしい」などと言われながら、人の心を掴んでいます。

こうして写真と比べてみると、ルソーは牛と積みわらをいかに大きく描いているか、よくわかりますね。

倉敷川舟ながし

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-
児島虎次郎『夏のボート』

児島虎次郎の『夏のボート』は、くらしき川舟流し。

ヨーロッパのどこかの風景を描いているのですが、「倉敷川の絵なのでは?」と思ってしまうほど。

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-

川舟に乗ったふたりは、「乗るまで気が付かなかったけれど 乗るのと見るのではこんなに違う」と感じたそうですよ。

そうめんで鍾乳洞な絵ってどんなもの??

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-

もっともいろいろな答えが出てきたのは、李禹煥(リ ウーファン)さんの『線より』。
鍾乳洞である井倉洞(新見市)・畳・勝山暖簾(真庭市)・神庭の滝(真庭市)・商店街のシャッターといった旅先が挙がったそうです。

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-

インタビューでふたりに「ぴったりだなと思った作品は?」と尋ねたとき、名前が挙がった絵でもあります。

中でも、浅口市鴨方の寒干素麺と井倉洞は、ぴったりで驚いたそうですよ。

素麺っぽい、鍾乳洞にも似ている絵ってどんなものでしょうか? 大原美術館でお確かめくださいね。

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多彩さも魅力

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-

彩色した写真・油絵だけでなく、新聞風の「ワタリドリ通信」や陶芸も楽しめます。

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-
手書きのワタリドリ通信

番外編として、温泉好きなふたりが選んだ「手彩色絵葉書によるおすすめ温泉ベスト20」もありました。

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-

ほっこりする温かみのある作品に、ぽかぽかした気持ちになりました。

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-

ひとつひとつ手作業で塗った絵葉書は550円

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-

大原美術館出口では、手彩色絵葉書を販売しています。

白黒写真をプリントした絵葉書に、作家さん本人が1枚1枚油絵の具を使って手作業で色を塗ったはがきが、550円(税込)で買えるんです。
著者は、「桁が違いませんか?」と驚きました。

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-

購入した絵はがきからは、油絵の具の香りがしました。

ミュージアムショップでの販売はありません。また、手彩色絵葉書の支払いは現金のみ対応です

そんな、麻生知子さんと武内明子さんに、インタビューをおこないました。

インタビューを読む

大原美術館 AM倉敷 vol.16 ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-のデータ

ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-
名前大原美術館 AM倉敷 vol.16 ワタリドリ計画 -絵から旅する 大原⇔岡山-
所在地岡山県倉敷市中央1-1-15
電話番号086-422-0005
駐車場なし
開館時間2020年1月1日(水)~3月15日(日)
午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日会期中の休館日(いずれも月曜日)
1月6日・20日・27日 2月3日・17日 3月2日・9日
入館料(税込)大人:1,300円
大学生:800円
高校・中学・小学生:500円
※20名以上の団体料金あり
支払い方法
  • 現金
  • クレジットカード
  • Suicaなど交通系ICカード・iD・QUICPay・nanaco
  • 手彩色絵葉書の購入は現金のみ
予約について不可
タバコ
トイレ

子育て


授乳室は工芸館にあり
オムツ替えシートは本館2階および工芸館にあり
バリアフリー


ホームページAM倉敷Vol.16 ワタリドリ計画 ―絵から旅する大原⇔岡山― | 大原美術館
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吉野なこ

吉野なこ

写真と旅を愛する、倉敷そだちのデザイナー。
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