目次
副館長・藤谷知洋さんにインタビュー
副館長を務める藤谷知洋さんに、「語らい座 大原本邸」の成り立ちや魅力、展示品について教えていただきました。
インタビューは2018年11月の初回取材時に行った内容を掲載しています。
これまでほとんど公開していなかった旧大原家住宅を、「語らい座 大原本邸」として公開することになった理由を教えてください
藤谷
「倉敷と大原家について知っていただきたい」という思いからです。
例えば中国銀行の初代頭取が大原孫三郎(まごさぶろう)であることを、倉敷の方もあまり知りません。
しかし、単純に紹介するだけの記念館ではなく、「知の殿堂」と言えるような場にしていきたいと、大原家九代目当主の大原謙一郎(けんいちろう)は考えてきました。
学びのある施設にするため、教師向けのセミナー「くらしき未来K塾」も開催しています。
当館の館長は、高校校長を経て岡山大学教育学部の特任教授を務めていて、地域の課題解決にまつわる教育を実践してきた方です。
観光スポットとしてだけではなく、文化・教育の場としての役割も担っています。
観光する人にとっての、語らい座 大原本邸の魅力はなんですか?
藤谷
倉敷の街の雰囲気が凝縮しているところです。作り替えていない、本物の倉敷の白壁や蔵が残っていますから。
訪れたお客様の中には「もう外を歩かなくても、大原本邸だけでいいなあ」と言われる方もいるくらい、倉敷らしさを堪能できますよ。
ざっと見るならば所要時間は30分ほどなので、急いでいる方でもお立ち寄りいただけます。ゆっくりできる方には、お座敷での抹茶が人気です。
どこを切り取っても絵になりますし、撮影NGの場所はありません。きっと面白い写真が撮れるでしょう。
大原家にまつわる展示品
藤谷さんに話を聞いた大原家所蔵品の中から、気になった展示品を一部紹介します。
大原家七代目当主・大原孫三郎が立ち上げたり深く関わったりした事業を表したレリーフ
藤谷
建築家の浦辺鎮太郎(うらべ しずたろう)が制作した、孫三郎の業績を表現したレリーフです。右から次のように並んでいます。
- 岡山孤児院
- 倉敷日曜講演
- 倉敷紡績(現在のクラボウ)
- 大原農業研究所
- 大原社会問題研究所
- 労働科学研究所
- 倉敷中央病院
- 民藝(みんげい)運動
- 倉敷絹織(けんしょく/現在のクラレ)
- 大原美術館
<
藤谷
右の茶碗に、「大林義雄(よしお)」と書いてあるのが見えますか?
茶会に参加した人々が記念に署名したものなんです。下記の方々の名前が見られます。
- 大手総合建設会社・大林組の二代目社長である大林義雄氏
- 裏千家の業躰(ぎょうてい=家元直属の指導者)である金澤宗推(そうすい)氏
- 人物の特定は難しい「たね」さんや「とみ」さん
オーディオ評論家・高城重躬(たかじょう しげみ)が特注で作ったオーディオ
藤谷
高城重躬が大原總一郎の注文によりつくったものです。現在修理中で、もうすぐここで聴けるようになりますよ。
副館長・藤谷知洋さんよりメッセージ
最後に、語らい座 大原本邸を訪れる方に、メッセージをいただけますか。
藤谷
建物や庭はとても見応えがあります。また大原家について知ることで、倉敷のことがもっとよくわかるのではないでしょうか。
ぜひ気軽に来館ください。きっと楽しめると思います。
語らい座 大原本邸のデータ
名前 | 語らい座 大原本邸 |
---|---|
所在地 | 岡山県倉敷市中央1丁目2-1 |
電話番号 | 086-434-6277 |
駐車場 | なし |
開館時間 | 午前9時~午後5時 ※最終入館は午後4時30分まで ※カフェは午後4時30分まで ※抹茶は午前10時~12時もしくは午後1時~4時 |
休館日 | 月 年末年始は休館 ※祝日、振替休日の場合開館 |
入館料(税込) | 【一般】 大人:500円 高校生以下:400円 ※別途20名以上の団体料金あり 未就学児:無料 |
支払い方法 |
|
予約について | 可 |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | |
バリアフリー | |
ホームページ | 語らい座 大原本邸 |