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うさぎやの歩みとこれから

クラブンの伊澤京子(いざわ きょうこ)さんにお話を聞きました。
30周年を振り返って:地域に支えられた歩み

倉敷店が開店30年を迎えました。今の率直な感想を教えてください。
伊澤(敬称略)
開店30年を記念して開催した「バースデーフェア 2025」では、本当にたくさんのお客様から「おめでとう」という言葉をいただきました。
スタッフがお客様と笑顔で触れ合っている姿を見て、改めて地域のかたがたに支えられていることを実感しましたね。やはり1号店である倉敷店には、特別な雰囲気があると感じています。
30年の歴史のなかで、特に印象に残っている出来事や転機はありますか?
伊澤
大きな転機としては、近隣への大型ショッピングモールのオープンや、店舗網の拡大が挙げられます。
競合が増えるなかで、いかに「うさぎや」としての独自性を出し、各店舗の個性を生かしながら情報を共有していくか、その難しさと向き合ってきました。
「うさぎや」にしかない価値とこだわり

競合が多いなか、お客様に支持され続けている「うさぎやならではの強み」は何でしょうか。
伊澤
私たちがもっとも大切にしているのは、専門知識を持つスタッフによる、実店舗ならではの接客と、ホスピタリティです。
単に品ぞろえを誇るだけでなく、売り場で実際にサンプルを試せたり、ワークショップを体験できたりする場であることを重視しています。
スタッフのかたがたの専門知識は、どのようにして磨かれているのですか?
伊澤
毎日の勉強会に加え、週に1回は全員で文具知識のテストをおこなっています。
また、高級筆記具などの特定の分野については、専門的に勉強した「コンシェルジュ」を配置し、お客様のお困りごとにしっかりとお答えできる体制を整えています。
文房具の役割の変化と、これからの挑戦

この30年で文房具を取り巻く環境も大きく変わったのではないでしょうか。
伊澤
かつては置いていれば売れる時代もありましたが、今はSNSの影響が非常に大きいです。視覚的な楽しさや「面白い」と思ってもらえる情報発信が欠かせません。
また、文房具の機能性が頭打ちになっている今、文房具は単なる「必需品」から、暮らしを豊かにする「嗜好品」へとシフトしていると感じています。
これから先の10年に向けて、どのようなお店づくりを目指していますか。
伊澤
今後は文房具というカテゴリーにこだわらず、地域の企業とのコラボレーションや、備前焼や苔玉、アイシングクッキーづくりといった、暮らしやライフスタイルを提案するワークショップなどを通じて、「行くだけで価値がある楽しい場所」を目指しています
また、日本らしい「相手を思いやるおもてなし」の心を、スタッフ一人ひとりが自然に体現できるお店であり続けたいと考えています。
読者へのメッセージ
最後に、この記事を読んでいるかたへメッセージをお願いします。
伊澤
実は、私自身も最初から文房具にすごく興味があったわけではないんです。
でも、うさぎやに入って、いろいろな文具を手に取るなかで「これ、好きだな」と思えるものに出会いました。
お気に入りの筆記具を使って、毎日ただ仕事をする。
それだけなんですけど、不思議と気分が少し上がるんですよね。日常が劇的に変わるわけではないけれど、いつもの時間が、ほんの5%だけ楽しくなる。その感覚こそが、文具の価値だと思っています。
文房具って、毎日たくさん使う人もいれば、そうでない人もいますよね。でも、身近にあるものだからこそ、「自分が好きなもの」を使うことで、その時間を少し大切にできる。
そうやって日常をほんの少し豊かにしてくれる存在が、文具であり、ひとつの「文化」なんじゃないかなと思っています。
しばらくお店から足が遠のいているというかたも、ぜひ今の「うさぎや」に遊びに来てください。きっと新しい発見があるはずです。
おわりに
取材の最後に聞いた、「最初から文房具にすごく興味があったわけではないんです」という伊澤さんの一言が、強く印象に残っています。
専門性を突き詰めながらも、生活者としての目線を忘れないこと。
その姿勢こそが、クラブンとうさぎや倉敷店が30年間、地域に愛され続けてきた理由なのだと思います。

31年目へ。
倉敷から始まったこの物語は、これからも私たちの日常に、、文具を手にする楽しさや、ささやかなワクワクを届け続けてくれるはずです。











































