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二代目の衛藤博子さんにインタビュー
観光地、倉敷美観地区の倉敷川沿いにある「備中そば やぶ」。
二代目で店長の衛藤博子さんに話を聞きました。
そば屋の前身は醤油卸
開業の経緯を教えてください。
衛藤(敬称略)
もともとは私の祖父母がここで醤油の卸をしていました。
商売をするにあたり、扱っている醤油を使ってお出汁を作ろうと思い、そば屋を始めることに。
開業当初からそばとうどんがメニューにありました。
この倉敷周辺は昔からうどんのほうが、そばより召し上がられますよね。
そばだけだとご家族連れが入りにくいのでうどんがあったほうがいいかと、両方を提供することにした、と初代から聞いています。
うどん圏なのであえて少ないそばをメインにしようと思ったそうです。
そばメインなので店名には「そば」が入っています。
今は醤油卸をしていますか?
衛藤
私の叔父が酒屋を始めて醤油の卸を引き継ぎました。
でも取り引き先の醤油屋が廃業されたため、今は卸をしていないです。
醤油卸は祖父の兄が恐らく始めているのですが、正確な創業時期はわかりません。
オート三輪トラックが走っていたり、着物を着て働いていたりする時代のずいぶん前です。
今は地元の醤油がいいので、新見市・井倉洞近くの大月醤油醸造場のものを使っています。
創業当時からのメニューについて
創業当時から出しているメニューは?
衛藤
ほとんどのメニューが創業当時からあります。めかぶとろろそばやとろろ山菜、おぼろ山かけが途中で増えたくらい。
もともとあったメニューをミックスしたものもあります。
汁は創業当時から変えているのですか?
衛藤
そば屋として私は二代目。三代目は私の長男で一緒に働いています。
初代の父の時代から作りかたの基本や使っている材料は同じです。材料の割合は変えています。
人気のメニューは気温に左右される
衛藤
日によってよく出るメニューが変わります。
今日(取材した日は少し汗ばむ暑さでした)は、ほとんど天ざるが出ましたね。
不思議なことに同じメニューが出るんです。
真夏には天ざるではなく、シンプルにざるそばがよく出ます。大根おろしがのった田舎そばも人気ですね。
ですからまったく同じ伝票が並ぶことがあるんです。
時期によって、冷たいものと温かいものどちらが多く出るかわからないときもあります。
冷たい出汁(ざるだし)は少し寝かせたほうがおいしいので、作ってすぐお出しできません。
逆に温かい出汁(かけだし)は作りたてがおいしいんです。かつおの風味がして。
時間が経つとどんどん風味が飛んでいくんです。
そのためその日のうちに提供しているので、夕方になると温かいメニューを出せないことがあります。
外国人客にも人気
観光地なのでコロナ禍以前は外国人客も来られていたのですか。
衛藤
来られていました。
アジア圏のかたは、うどんになじみがあるのかよく食べられますね。
欧米のかたは天ぷらそばやうどんをよく注文されます。
なかには、めかぶに挑戦される外国のかたがいらっしゃいます。
でもめかぶってぬるぬるしているし、外国のかたにはなじみがなくて、お口に合わないかもしれないでしょう?
注文する前に、スプーン1杯のめかぶをお出しして食べていただくんです。
試食してそれでも食べたいなら、通常はめかぶを麺の上に盛って提供するところを、外国のかたには別皿に盛ってお出しします。食べたいだけ入れられるように。
今後について
今後やってみたいことはありますか?
衛藤
作業効率を上げるために厨房を変えたいですね。
そば屋になってから現在まで3回の改装をしました。
店内や厨房を変えたいなと思っています。だんだん使い勝手が悪くなって。
父や母が改装した厨房なのでシンクの高さが昔の規格なんです。
昔のひとより今のひとは背が高いでしょ?
だから今のシンクが低くて、洗いものを長い時間すると腰が痛くて。
作業するのに高さが欲しいです。
今は細長い構造なので、ぐるっと回って流れるような動きができるようにもなれば。
私が引退するまでには改装して、三代目に渡したいですね。
他には、いつか孫たちが手伝ってくれるのを楽しみにしています。
まずは洗いものからですね。
背が伸びてシンクに届くようになったら、洗いものができるようになるので。
私も初めは洗いものからスタートしました。三代目も同じです。
孫と一緒に働くことが夢ですね。
おわりに
うどん圏の倉敷では少数派のそば屋。
少ないからこそあえて、そば屋にした備中そば やぶは、観光地の倉敷美観地区にあります。
うどん圏外の日本全国から訪れるうえ、グループのなかにはそば派とうどん派に分かれることがあるでしょう。
好きな麺を食べたい!
そんなときには、そばもうどんも両方提供している店はありがたい存在なのでは。
とくにそば派とうどん派が食事処を探すときには、やぶを選んでみてはいかがでしょうか。
備中そば やぶのデータ
名前 | 備中そば やぶ |
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住所 | 岡山県倉敷市本町5-30 |
電話番号 | 086-422-1386 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 午前10時30分~午後4時30分、午前10時~午後5時(日曜日、祝日) |
定休日 | 不定休 |
支払い方法 |
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予約の可否 | 可 繁忙期は予約不可 |
座席 | 48席 テーブル数:13 ※新型コロナウイルス感染症拡大対策のため通常より席を減らしています |
タバコ | |
トイレ | 洋式トイレ |
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