自分の好きなものを自分の目で選べていますか。
倉敷美観地区を見下ろす阿智神社のふもとに大きな看板を据えたお店「融民藝店」(とをるみんげいてん)では、訪れるお客さんとの対話を大切にしながら、暮らしの道具を提案しています。
1971年の創業以来、倉敷市民はもちろんのこと、観光客からも親しまれ続けている融民藝店の魅力はいったい何でしょうか。
融民藝店を2022年2月に前店主から事業承継した山本尚意(やまもと たかのり)さんを取材しました。
記載されている内容は、2024年6月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
融民藝店のデータ
名前 | 融民藝店 |
---|---|
住所 | 岡山県倉敷市阿知2-25-48 |
電話番号 | 086-424-8722 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 午前11時~午後6時 |
定休日 | 月、火 臨時休業の場合あり。詳しくはSNSを参照のこと |
支払い方法 |
|
ホームページ | 融民藝店 |
融民藝店とは
融民藝店は、倉敷美観地区にある江戸時代の町屋を活用した民藝品店です。
店内には陶器やコップ、手織りの織物など、店主の山本さんや前店主の小林融子(こばやし ゆうこ)さんが実際に手に取って買い付けてきた全国の民藝品を陳列しており、倉敷市内だけでなく全国からファンが訪れます。
融民藝店開店の由来
倉敷駅から、えびす通り商店街を抜けると「みんげい融」と書かれた特徴的な看板が目を引きます。
この看板は、日本で初めての地方民藝館である倉敷民藝館の初代館長、外村吉之介(とのむら きちのすけ)さんが書いた字を木工の作り手が看板にしたものです。
民藝品を見せる役割を担う倉敷民藝館は、開館時から民藝を使い手に配る役割を必要としていました。
その配り手を担ったのが、岡山県民芸振興株式会社です。
融民藝店の初代店主である小林融子さんも、当時天満屋岡山本店に売り場を構えていた岡山県民芸振興株式会社(以下、「岡山民芸」と記載)で働いていました。その後、外村吉之介さんらの支援を受けながら1971年に融民藝店をはじめました。
店名の「融」は小林融子さんの名前が由来。小林さんは自分の名前である融子(ゆうこ)と異なる読み方をする店名「融(とおる)」に最初は慣れなかったそうですが、お店を長く続けていくうちに店名にも愛着をもつようになったとのことです。
融民藝店の楽しみかた
店内は所せましに陶磁や吹きガラス、和紙や籠などさまざまな民藝品が並んでいるように見えますが、どの品物も一つひとつをじっくりと眺められる余白があります。
路地に面した窓がガラス張りなので、自然光がきれいに差し込んでいつも品物たちがピカピカと輝いているように見える店内に、私は訪れるたびについうっとりとしてしまいます。
また、どの品物も手に取って触り心地を確かめられるので、一点一点じっくりと自分のお気に入りを探せるお店です。
店内どこからでも店中を見渡せる作りも、融民藝店の特徴のひとつです。
品物を手に取りながら店主やほかのお客さんと、「この道具は自分の生活にどう取り入れていこうか」と盛り上がる光景も見られるのだとか。
店主 山本尚意さん
店主の山本さんは、もともと倉敷市の出身ですが東京都内のスタジオや制作会社での勤務を経て独立。フリーランスのフォトグラファーとして活躍していました。
倉敷へUターンしたきっかけは、2011年の東日本大震災です。
落ち着いた子育て環境を求めて、岡山県に戻ってきました。
そこで、帰郷後に都内での経験をいかしたいと就職した会社が、岡山民芸でした。
岡山民芸では、フォトグラファーの経験をいかして商品の撮影やオンラインサイトの運営に携わるものの、民藝については日々学びの連続だったそうです。
岡山民芸に入社すると、融民藝店を訪れて小林さんにあいさつをしました。それ以来、倉敷を訪れるたびに倉敷民藝館に足を運んで、帰りには融民藝店に立ち寄って小林さんから物の話、作り手の話、産地の話などを教えてもらいながら親交を深めたそうです。
小林さんが融民藝店の店主の引退を決断したころ、小林さんから山本さんに融民藝店の事業承継を提案され、2022年2月からは融民藝店の店主としてお店に立っています。
2022年に小林さんから融民藝店を事業承継して2年半。店主の山本尚意さんにお話を聞きました。
融民藝店のデータ
名前 | 融民藝店 |
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住所 | 岡山県倉敷市阿知2-25-48 |
電話番号 | 086-424-8722 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 午前11時~午後6時 |
定休日 | 月、火 臨時休業の場合あり。詳しくはSNSを参照のこと |
支払い方法 |
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ホームページ | 融民藝店 |