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RESASワークショップ 地域探究編 ~ Society 5.0におけるRESASと地域活性活動・地方行政の現場からの事例紹介

RESASワークショップ 地域探究編 ~ Society 5.0におけるRESASと地域活性活動・地方行政の現場からの事例紹介

知っとこ / 2020.11.29

2020年10月24日(土)に、語らい座 大原本邸で「RESASワークショップ 地域探究編」が開催されました。

立場は違いますが「地域探究」をキーワードに活動する、以下のかたが集結。

  • 地域経済分析システム(RESAS:リーサス)を作った、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局の「宇野雄哉さん」
  • 地域活性化プロジェクトの現場から、高梁川流域学校の「坂ノ上博史さん」
  • 行政の現場から、赤磐市総合政策部の「直原真弓さん」

この記事では、「RESASワークショップ 地域探究編」のようすをレポートします。

令和3年度(2021年度) RESAS教育活用ワークショップについて

令和3年7月10日より、令和3年度(2021年度)のRESAS教育活用ワークショップが開催されます。

▼詳しくは、公式ページを確認してください。
RESAS教育活用ワークショップ探Q!RESAS オンラインセミナー

▼なお募集フォームは、以下です。
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記載されている内容は、2020年11月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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RESASワークショップ 地域探究編の概要

RESASワークショップ

「RESASワークショップ」とは、学校関係者を中心に、データを業務で扱う民間企業・行政のかたがたも加わった、地域の”今”と”これから”の見方や考え方を深めていく全5回シリーズのワークショップです。

地域探究編は4回目としての開催で、以下の流れで行われました。

内容登壇者
RESAS教育活用について川崎好美 氏
Society 5.0におけるRESAS宇野雄哉 氏
「根拠にもとづいて考える」を考える
地域活性の現場から。
坂ノ上博史 氏
地域探究は仕事です直原真弓 氏(オンライン)

第3回までは倉敷商業高校が会場でしたが、今回は語らい座 大原本邸が会場ということで、冒頭に館長の山下陽子さんより挨拶があり、ワークショップがスタート。

語らい座大原本邸 館長 山下陽子さん
語らい座大原本邸 館長 山下陽子さん

第2回・第3回のようすは、以下の記事を見てください。

RESAS教育活用について(川崎好美さん)

川崎好美さん
川崎好美さん

冒頭30分程度は、岡山県立倉敷商業高等学校商業科の教諭で、RESAS専門委員の川崎好美(かわさき よしみ)さんより、RESAS教育活用と2022年度から開始される新学習指導要領との関係性が紹介されました。

地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」は、地方創生のさまざまな取り組みを情報面から支援するためのビッグデータです。

そもそも「教材」ではありません。

ではなぜRESASが教育に活用できるのか?

探究スキルとしてのRESAS活用

RESASの活用は「探究スキル」の養成につながると、川崎さんは考えました。

新学習指導要領では、高等学校の「総合的な学習の時間」が2022年度から「総合的な探究の時間」に変わります

探究スキルとは

「探究スキル」とは、以下のようなものと考えているそうです。

  • 調べて、まとめて、発表する
  • あらゆる場面で何度も
  • 自分で、グループで。自立した探究をする

これらを、自分達が住む「地域」をテーマに行なう場合、国が作成した客観的なデータのひとつである「RESAS」は相性のよいツールとなります。

例えば、地域の産業・人口問題を考えるとき、自分で調べ、データを読み解いてまとめる、というのは「探究そのもの」。

調べる。まとめる。発言する。評価する。

調べる。まとめる。発言する。評価する。

このサイクルを繰り返すことで、探究スキルを高めようと川崎さんは考えているそうです。

一例として、川崎さんの受け持つ課題研究「地域探究講座」の授業の一環で、倉敷とことこの技術指導により、倉敷美観地区に修学旅行でやってくる、同世代の学生に向けたコンテンツを作成しました。

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Society 5.0におけるRESAS(宇野雄哉さん)

RESASワークショップ 地域探究編
宇野雄哉さん

続いて、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局の宇野雄哉(うの ゆうや)さんが登壇しました。

「内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局」は、RESASをはじめとしたデータ分析による政策立案を普及するための組織です。

宇野さんからは、Society 5.0でデータを読み解き活用する主体として「データリテラシー」の重要さと、RESASの教育活用が紹介されました

Society 5.0

Society 5.0とは

サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会

引用:内閣府「Society 5.0
これまでの情報化社会

膨大な知識が今はサイバー空間に集まっています。

インターネットの検索を思い浮かべると、わかりやすいかもしれません。

細かいことを覚えておかなくても、誰でも手軽に検索すれば目的の情報が現在は手に入ります。

これが今までの情報社会です。

さらに今は、「ビッグデータ」や「AI」という言葉をよく聞くように、膨大なデータをAIが解析して、結果を導き出すことができるようになってきました。

Society 5.0時代に必要なスキル

では、人間は何もする必要がないのか?

人間は「目的」を決める必要があり、対応するスキルが求められます

  • データを作る主体としてのマナー
  • データを読み解き活用する主体としてのリテラシー

つまり、「データリテラシー」がSociety 5.0時代では重要であると、宇野さんは語りました

これからの人材は「データリテラシー」を身につけることが重要になりますが、そこで役立つのが「RESAS」。

「RESAS」しかないという意味ではなく、教育分野ではRESASが「最適」と理解するとわかりやすいです。

データリテラシーとは

なぜかといえば、RESASは「地域経済分析システム」で、地域社会は学生・生徒にとって身近な存在だから

人口減少・高齢化など解決するべき課題が山積みの地域社会は、実感を持って「ビジネス力」を伸ばすために最適の材料となります。

このため、データ分析の入り口としてRESASを活用してほしいと考えているそうです。

RESAS de 地域探究
RESAS for teachers

また、RESAS副教材の認知拡大などを目的に、「RESAS de 地域探究」というイベントを開催しています。

「V-RESAS」について

V-RESAS

最後に紹介されたのが、「V-RESAS」というシステムです。

V-RESASの「V」はVital Signs of Economy(経済のバイタルサイン)という意味で、新型コロナウイルス感染症が地域経済に与える影響を可視化することを目的に、2020年6月に公開されました

実は「RESAS」はデータの更新が年1回程度であるため、リアルタイム性に欠けるという弱点があるのです。

V-RESASは当面1週間おきにデータを更新し、より新しいデータを早く参照できるようになっています。

合わせて読みたい

「根拠にもとづいて考える」を考える(坂ノ上博史さん)

坂ノ上博史さん

続いて、一般社団法人高梁川流域学校の坂ノ上博史(さかのうえ ひろし)さんが講演を行いました。

この講演は、ワークショップに近いもの。

3つのアプローチで作成された、同じテーマに関するプレゼンテーションを、その場で3名に割り振って発表しました。

Aパターン
Aパターン
Bパターン
Bパターン
Cパターン
Cパターン

RESASワークショップの参加者は、教育関係者が中心です。

3名とも「先生(教諭)」なので、いきなり話してといわれても、身振り手振りを交えて上手に話をしていました。

しかし、ここで重要なのは話し方ではなく、データの見せ方です。

必要な予算と寄付を募るという結論は同じですが、アプローチは全く異なっていました

プレゼンテーションの3パターン

坂ノ上さんは、プレゼンテーションの3パターンを紹介します。

それぞれの特徴は以下の通り。

  • 「ロジック」は、理論・理屈で説明する手法
  • 「データ」は、客観的な数値を用いる手法
  • 「パッション」は、思いや情熱を語ること

説明する側も得意・不得意がある一方、相手によっても伝わり方が異なるため、どの方法が良い・悪いということではありません。

特徴を理解して、組み合わせを工夫するなど、自分たちで考えたり、試してみたりすることが重要と語っていました。

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地域探究は仕事です(直原真弓さん)

地域探究は仕事です

最後に登壇したのは、赤磐市総合政策部の直原真弓(じきはら まゆみ)さんです。

RESAS活用の4パターン

地方行政の現場で、RESASを活用する事例として以下を紹介していました。

  1. データがわかりやすいので「会議で活用」
  2. データの比較ができるので「職員研修」に最適
  3. 政策立案の楽しさ・おもしろさを実感できる
  4. 国からお金をいただくためのツール

特に印象に残ったのは、「国からお金をいただくためのツール」として紹介していたことでしょうか。

国からお金をいただくためのツール

これは行政に限らず、一般企業における提案書などでも、根拠となるデータを数字で示すことが重要

国が作った「客観的なデータ」であるRESASは、特に地方行政の現場では役に立つようです。

おわりに

RESASワークショップの様子

「RESASワークショップ 地域探究編」で4名の話を聞いて、感じたことは以下の3点です。

  • データそのものに、特別な意味はない
  • 読み解き方、活用方法は「人(組織)」によって違う
  • 自分たちで考えて、活用するスキルが重要

教育・国政・地方行政・地域活動……分野は違えどそれぞれ「探究」しながら、日々の仕事を行なっています

筆者もシステムエンジニアとして長く働いてきたので、ビジネスの最前線でデータに携わるかたに出会う機会は数多くありました。

データそのものは、時間が経てばどんどん増えます。しかし、貯めるだけでは意味がありません。

そこから問題点を探したり、新しいビジネスに必要な情報を探したり……。

同じデータを見ても、何を切り口にするのか。つまり、「着眼点」が重要で、そこに人や組織の個性が出てきます

大人になっても「探究」は続く、というのが生徒・学生に伝えるべきメッセージなのかもしれません。

令和3年度(2021年度) RESAS教育活用ワークショップについて

令和3年7月10日より、令和3年度(2021年度)のRESAS教育活用ワークショップが開催されます。

▼詳しくは、公式ページを確認してください。
RESAS教育活用ワークショップ探Q!RESAS オンラインセミナー

▼なお募集フォームは、以下です。
募集フォーム

RESASワークショップ 地域探究編のデータ

第4回RESASワークショップの様子
名前RESASワークショップ 地域探究編
期日2020年10月24日(土) 午前10時15分~午後12時30分
場所岡山県倉敷市中央1丁目2
参加費用(税込)無料
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戸井健吾

戸井健吾

1979年生まれ、倉敷市在住
2児の父親

システムエンジニアの仕事に携わりながら、ブログ・イベント運営など様々な仕事を行っています。

現在は当メディアを運営する一般社団法人はれとこの代表理事を務めつつ、フリーランスとしても活動中。

自分自身が美観地区を楽しみながら、「行ってみたい」と思える情報を発信することをモットーにしています。

信頼できるWEBメディアになれるように、メンバーが一丸となって運営しています。

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RESASワークショップ 地域探究編

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