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夢すき公園 紙の館 ~ 手づくりのあたたかさと奥備中神代和紙の歴史に触れる紙すき体験

夢すき公園 紙の館 ~ 手づくりのあたたかさと奥備中神代和紙の歴史に触れる紙すき体験

遊んどこ / 2021.04.30

日常生活に欠かせない「紙」。

今は製紙工場で作られたものを手軽に購入できますが、工業化以前は日本各地で手すき和紙が作られていました。

中国山地の谷間に位置する新見市神郷地区にも「奥備中神代(おくびっちゅうこうじろ)和紙」の歴史が残ります。

日本一大きな親子孫水車がシンボルの「夢すき公園 紙の館」(以下、紙の館)では、奥備中神代和紙の歴史に触れながらオリジナルの手すき和紙づくりを体験できます。

紙の館 紙すき体験

一度は途絶えた和紙づくりの技術を復興し、継承に取り組む「神代和紙保存会」のかたのお話も聞きました。

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記載されている内容は、2021年4月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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夢すき公園 紙の館のデータ

名前夢すき公園 紙の館
所在地岡山県新見市神郷下神代1977-1
電話番号0867-92-6577
駐車場あり
営業時間午前9時~午後5時(紙すき体験は午後4時半まで)
定休日
利用料(税込)◆体験料(1組あたり)
・1~15名:税込1,500円(別途材料費が必要)
・16名以上:税込2,500円(別途材料費が必要)

◆材料費(1枚あたり)
・うちわ(税込600円)
・色紙(税込500円)
・はがき(税込300円)
支払い方法
  • 現金
予約の可否
体験は事前予約制。2名以上から受け付け。1名の場合は2コース以上から受け付け。
体験内容の変更は当日も可。
トイレ
子育て
バリアフリー
ホームページ夢すき公園|新見市観光協会

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夢すき公園 紙の館と奥備中神代和紙

憩いの場 夢すき公園

新見市神郷地区、神代(こうじろ)川沿いにある「夢すき公園」。

直径13.6メートル、6メートル、4.5メートルの水車は「親子孫水車」と呼ばれ、3基が並ぶ水車としては日本最大です。

夢すき公園の親子孫水車

川や広場で遊べるよう整備されており、自然を満喫しながら休日を過ごすのにぴったりの場所。

昭和中期まで精米・製粉の動力として活躍していた水車を復元し、奥備中神代和紙の歴史を伝え地域活性につなげるため、1991年に開館しました。

館内には紙すき体験ができる「紙の館」と、2020年7月にオープンしたレストラン「キッチン神代」があります。

施設を運営する株式会社いろりカンパニーは、牧場で独自ブランド牛「千屋花見牛」を育てており、レストランには美味しい和牛メニューが充実しています。

キッチン神代

今回は紙の館で、新見市在住の中石(なかいし) いつかさんと一緒に紙すきを体験してきました。

紙の館

奥備中神代和紙について

紙の館の館内には、和紙をつくるための機械や道具がずらりと並んでいます。

紙の館 

奥備中神代和紙に関する展示も充実。

昔は原材料の植物を近くの山で採取するところから行なっていました。

紙の館 

岡山県ではミツマタ(三椏)のみを使う和紙の産地が多いなか、奥備中神代和紙はコウゾ(楮)をメインに、ミツマタも併せて使っているのが特徴です。

ミツマタもコウゾも落葉低木で繊維の強さが特徴で、ミツマタはきめ細やかな繊維です。

一方、コウゾは繊維が太く、仕上がった紙に筆を入れたとき、予想外のにじみが出るおもしろさがあるのだとか。

紙の館 和紙の原料

奥備中神代和紙は丈夫さから、番傘や障子にも使われてきた歴史があるそうです。

コウゾもミツマタも、そのままではもちろん紙にはなりません。多くの工程を経て、紙すきにまでたどり着くのです。

紙の館 
紙すきまでの多くの工程
  • 蒸して、皮をはぐ
  • 水にひたしてやわらかくする
  • やわらかく煮る「煮熟(しゃじゅく)」
  • チリを取り除く「ちりより」
  • 漂白する
  • 水にさらす
  • 繊維状にバラバラにする「叩解(こうかい)」
  • 糊の役目を果たすトロロアオイと混ぜ合わせる

そのほか、トロロアオイの根から粘液を採取する工程などもあります。

トロロアオイは、気温が高いとすぐに粘りけがなくなってしまうのだとか。

そのため、昔ながらの紙すきは11月~3月、寒い時期に行なわれています。

新見の冬は雪が積もりとても寒く、そんな時期の冷たい水の中に素手を入れ和紙づくりが行われていたのです。

紙の館

紙の館で体験する紙すきの材料は、コウゾは使われておらずミツマタのみが使われているため、子供でも均一の厚さに紙をすきやすいです。

また、トロロアオイの代わりに化学ネリを使っているため、年間を通して紙すきを体験することができます。

紙すき体験メニュー

紙すき体験は2名以上、1名の場合は2コース以上から受け付けています。

事前に予約しましょう。体験内容の変更は当日でも大丈夫とのことです。

体験料(1組あたり)
  • 1~15名:税込1,500円(別途材料費が必要)
  • 16名以上:税込2,500円(別途材料費が必要)
紙すき体験メニュー(材料費1枚あたり)
  • うちわ(税込600円)
  • 色紙(税込500円)
  • はがき(税込300円)

それぞれ、作品にもみじを飾り、色づけをすることもできます。オンリーワンの仕上がりになりますよ。

紙の館 紙すき体験

紙すき体験

紙の館を運営する株式会社いろりカンパニーの忠田 清香(ちゅうた きよか)さんに教えてもらいながら、手すき和紙でうちわはがきをつくりました。

紙の館 紙すき体験
忠田さん(左)に教えてもらいながら体験

体験は、以下のような工程です。

  1. 紙すき
  2. 飾り・色づけ
  3. 機械で乾燥させる
  4. 形を整える
  5. 完成

1.紙すき

紙の館には、うちわ、色紙、はがきを作るための木枠が準備されています。

紙の館 紙すき体験

うちわは表・裏と貼り合わせるため、一度に2枚分の紙すきができるようになっていました。

ミツマタの繊維が混ざったとろりとした液体に木枠を入れ、厚さが均一になるようにすくいあげます。

紙の館 紙すき体験

うちわの場合は上のほうをすくって薄めに、はがきの場合は下のほうからたっぷりすくって厚めに仕上げるのが上手につくるコツなのだそう。

紙の館 紙すき体験

水がひんやり、とろりとして気持ちがいいです。

木枠を上下、左右に動かし、厚さが均一になるようにします。

紙の館 紙すき体験

紙の仕上がりを決める大切な工程ですが、緊張しなくて大丈夫。この段階では何度でもやり直しがききます。

2.飾り・色づけ

次に、サンプルを参考にしながら、もみじの押し花を飾っていきます。

大小、色合いもさまざまなもみじのなかからお気に入りをチョイス。

紙の館 紙すき体験

そして、液体の染料をお玉ですくい、色づけ。オリジナリティが出るポイントです。

紙の館 紙すき体験

色は赤、黄、青、ピンク、紫、緑から選ぶことができます。いくつ色を使ってもOKです。

紙の館 紙すき体験

中石さんはピンク、黄、緑を選んで色づけ。予想外の部分に色が落ちるハプニングがありましたが、結果オーライです。

紙の館 紙すき体験

色づけが終わったら、もみじが浮かないように、最後に繊維が混ざった液体で表面をうっすらコーティングしていきます。

紙の館 紙すき体験

この作業は忠田さんがしてくれました。

紙の館 紙すき体験

3.機械で乾燥させる

いよいよ、乾かしていきます。乾燥は2つの機械を使いました。

まずは木枠を置くと、下から水分を吸引してくれる機械です。

ゆっくりと動かして、全面を乾かしていきます。

紙の館 紙すき体験

まだ半渇きの状態なので、慎重に型から外しましょう。

紙の館 紙すき体験

湿り気のある和紙がちぎれるのではないかと、緊張する瞬間でした。

次に使う機械は、平らな鉄板。ヒーターを搭載しており、触ると熱いので注意してください。

紙の館 紙すき体験

しわがつかないよう、ていねいに貼り付けます。

紙の館 紙すき体験

気温や湿度にもよりますが、5分~10分程度でしっかり乾きます。

4.形を整える

しっかり乾いたら、竹の棒でひっかくようにしてペリペリとはがしていきます。

紙の館 紙すき体験

ピタッとくっついているので、そーっと引っ張りながらはがしていきましょう。

紙の館 紙すき体験

ごわごわとした和紙ならではのさわり心地に感動!

うちわは、骨の両面に和紙をのり付けしていきます。

紙の館 紙すき体験

最後にはさみで形を整えていきます。

紙の館 紙すき体験

はがきはまわりのふわふわとした縁を残しても、手すきの風合いが出ておしゃれ。

紙の館 紙すき体験

どうするか悩みましたが、今回はまわりを少し切って仕上げてみました。

5.完成

手すき和紙でつくるオリジナルのうちわとはがきが完成しました。

紙の館 紙すき体験

初めてでもコツを教えてもらいながら、思ったよりも簡単にチャレンジすることができました。

紙すきは、厚さが均一になっているかどうか気にしながらやってみてください。

モデルとして体験した中石さんに今回の飾りと色づけのポイントを聞くと「春なので淡い色合いに仕上げました。色をぼかすのが思い通りにならなくて難しかったです」とのこと。

どんな色を使おうか、仕上がりを想像する時間もまた楽しめます。

紙の館にはポストがあり、はがきを投函することもできます。

今回体験したのは、初めてチャレンジする人でも上手に仕上げることができる紙すき体験でした。

体験版と違い、本来の和紙づくりは「最初の一年は数枚しか和紙をすけないくらい、技術習得に時間がかかりました」というほど、技術が必要といいます。

神郷地区に伝わる和紙づくりを復興・継承する「神代和紙保存会」の仲田 紗らさ(なかだ さらさ)さん、土屋 俊介(つちや しゅんすけ)さんにお話を聞きました。

インタビューを読む

夢すき公園 紙の館のデータ

名前夢すき公園 紙の館
所在地岡山県新見市神郷下神代1977-1
電話番号0867-92-6577
駐車場あり
営業時間午前9時~午後5時(紙すき体験は午後4時半まで)
定休日
利用料(税込)◆体験料(1組あたり)
・1~15名:税込1,500円(別途材料費が必要)
・16名以上:税込2,500円(別途材料費が必要)

◆材料費(1枚あたり)
・うちわ(税込600円)
・色紙(税込500円)
・はがき(税込300円)
支払い方法
  • 現金
予約の可否
体験は事前予約制。2名以上から受け付け。1名の場合は2コース以上から受け付け。
体験内容の変更は当日も可。
トイレ
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こばん

こばん

カブで旅するフォトライター。2017年に岡山県浅口市へ移住。大阪府出身。フットワーク軽く走り回り、訪れたくなる倉敷の情報を紹介します。種松山公園が大好きです。

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