国選定の「重要伝統的建造物群保存地区」内や、備中圏域に残る歴史的な町並みを訪ねる、「備中no町家deクラス(以後、町家クラス)」が2022年も始まりました。
約1か月にわたって見学会、散策、講演などさまざまなイベントが計画されています。
この記事では2022年11月5日・6日に開催された、「井上家住宅完成記念見学会」のようすを紹介します。
記載されている内容は、2022年11月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
備中no町家deクラス(町家クラス)とは
「備中no町家deクラス(町家クラス)」は、倉敷市で活動するNPO法人倉敷町家トラストを中心に構成された「備中町並みネットワーク」が主催する体験型のイベントです。
例年11月から約1か月開催されており、2022年も例年どおりの開催となりました。
開催日程は以下のとおりです。
井上家住宅について
今回、足を運んだのは「井上家住宅完成記念見学会」。
現在の早島町で新田開発に従事していた井上家は、約400年前に倉敷に移り住んだそうです。
後に「古禄(ころく)」と呼ばれる倉敷村13旧家のひとつで、年寄役や百姓代など、他家と交代でつとめました。。
井上家住宅は約300年前の建築で、倉敷最古の町家建築です。
平成14年に主屋など5棟が国の重要文化財に指定され、2012年から10年かけて、全解体(三階蔵は半解体)して保存修理が行われていました。
倉敷美観地区の本町通りを歩いていて「ずっと工事をしている」と思っていたかたもいるかと思いますが、今般やっと工事全体が完了し、完成記念見学会が開催されたのです。
主屋外観
外観で最初に目を引くのは「2階の窓」です。
土塗り扉付きのもっとも古い形式とされる「倉敷窓」は、現在では井上家でしか見ることができません。
通常は開いており、火災時に閉めて防火の役割を果たします。
三階蔵外観
奥に見えるのは豊島石による基礎石の上に建つ三階蔵です。
江戸時代の倉敷村には、自主的に運営した窮民救済と相互扶助の仕組みである義倉があったことが知られています。
その資料は井上家によって蔵の中で大切に保管されてきました。
屋内
屋内に入ると見どころが満載です。
- 垂木の勾配に合わせて架けられた梁
- 台所の煙出しと採光のための吹き抜け
- 「おどくうさま」が祀られたかまど
- 茶室
- 掛軸
その多くを紹介したいのですが、「一般公開まで少々お待ちください」とのことです。
おわりに
今後は、展示物も整備したうえで、2023年春からの一般公開が予定されていますが、詳細は近々発表されるとのことです。
今回はそれに先立っての特別見学会でした。
倉敷の町中には、井上家住宅のほかにも、大原家住宅(現在の「語らい座 大原本邸」)や大橋家住宅といった重要文化財に指定されている「新禄」の住宅があります。
蔵を改装した民藝館や考古館だけでなく、伝建地区には多くの町家が残され保存されているのです。
明治大正期の洋風建築も少なくありません。
1軒1軒倉敷の歴史とともに訪ねてみてはいかがでしょうか。
情報提供者:ふみさん
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備中no町家deクラス、懐かしい未来 2022のデータ
名前 | 備中no町家deクラス、懐かしい未来 2022 |
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期日 | 2022年11月3日〜11月27日まで |
場所 | 開催イベントによる |
参加費用(税込) | 開催イベントによる |
ホームページ | 備中no町家deクラス、懐かしい未来 2022 |