毎週金曜日午後3時から午後7時に放送中の「週刊くらしきハッピーレディオ」。
「マングローブ植林プロジェクト」というコーナーでは、番組MCのチャーリー大谷が実際にフィリピンに出向き、現地のマングローブのようすや植林について伝えています。
カネパッケージ株式会社様の協力。そして、フィリピン環境省の指導のもと、FMくらしきはマングローブを植林する活動をスタート!
2025年3月7日に放送された、第5回マングローブ植林プロジェクトを紹介します。

この記事は株式会社エフエムくらしきによる寄稿記事です。一般社団法人はれとこ編集部が再編集し、公開しています。
記載されている内容は、2025年6月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
マングローブ植林プロジェクト
FMくらしきが取り組むマングローブ植林プロジェクト。
海岸線の保護や生態系の維持に重要な役割を果たす「マングローブ」の減少を防ぐために、カネパッケージ株式会社(以下、「カネパッケージ」と記載)と連携しながら活動しています。
- 第1弾:2025年2月7日放送
- 第2弾:2025年2月14日放送
- 第3弾:2025年2月21日放送
- 第4弾:2025年2月28日放送
フィリピンのオランゴ島には、約1500万本のマングローブが植林されています(2025年時点)。
そのオランゴ島で、最初にマングローブが植えられた場所へとやってきました。今回のプロジェクトに関わっている現地のかたにもお話を聞きながら、マングローブ植林プロジェクトを通じて見えてくる、島の未来について深掘りしていきます。

1本の苗木から1500万本の森へ
私たちが訪れたのは、右も左もマングローブに囲まれた湖沼(こしょう)。
どのマングローブも立派に育っていて、テッセイさんは「最初に植林したのはあのあたりだと思うのですが……」と話します。

マングローブの植林は、小さな種を植えるところから始まるそうです。
テッセイ
たった一つの小さな種が、1年後には約60cm、2〜3年後には1.2mに成長し、今では3、4mにもなる成木となっています。最初の1本から現在の1500万本までつながったのは、すごいことですよね。
私たちがいるこの湖沼は、ちょうど遠浅で水位がちょうど良く、マングローブが植林しやすいところなんです。でもすべての場所には植えないようにしています。
というのも、ここは渡り鳥が食事をする場所でもあるので、あまり植えすぎるとその場所が狭くなり、地域の生態系や自然環境が崩れてしまうからなんです。バランスを取りながらマングローブを植林することが、私たちがやらなければならない『自然環境の改善』なのではと思います。

以前にもテッセイさんが話してくれましたが、マングローブ植林プロジェクトは、単にマングローブを増やすだけでは地域の自然を守れません。自然環境を保護しながら植林をすることで、動物たちの生態系も守っています。
地域連携でマングローブの森を育てていく
マングローブ植林プロジェクトは、現地の人々の協力が欠かせません。多くの人が関わるなかでも、特に重要な役割を担う二人が取材に駆けつけてくれました。

ステラさんは、マングローブ植林がスタートした際に、最初に協力してくれた人民組織の代表です。2009年からプロジェクトに関わっています。
ステラさんが所属する組織では、週に2回、植林地までの道中のゴミを拾い、それを本プロジェクトがお金に還元するという活動をおこなっています。たしかに、現地に向かうまでの道のりにはゴミが少なく、周辺の環境も清潔に保たれていました。ステラさんに、初めてマングローブ植林プロジェクトの話を知ったときの感想を聞いてみました。
ステラさん(小野寺さんの翻訳)
初めてプロジェクトの内容を聞いたときは、すごくうれしかったです。2009年当時はマングローブが減少していて、台風による被害が多かったので、マングローブを植えることで「また私たちの生活が木に守られ、安心して暮らせるんだ」という喜びがありました。
もう1名、取材に応えてくれたのはクリストファーさん。クリストファーさんは、フィリピンの環境天然資源省から派遣された環境レンジャーです。オランゴ島の環境に関する事業をメインで担当しています。

5年以上、地域の自然環境保護の活動に携わっているクリストファーさん。なんと休みの日にも、さまざまなフィリピンの島に出向いて仕事をしているそうです。そんな彼にも、今回のプロジェクトをどう思われているのか聞いてみました。
クリストファーさん(小野寺さんの翻訳)
このマングローブ植林プロジェクトは、地域の自然環境保護にとって非常に良い取り組みだと思います。先ほどステラさんも言っていましたが、台風による災害も少し減り、自然環境も整ってきました。気候変動の改善にも、少しずつつながっているのではないでしょうか。
オランゴ島は、すでに植える場所が限られているほど、マングローブ植林が成功しています。長年携わっている地域の人たちとの連携・協力が成功のカギになっていると思います。今後の二人の活動も見守っていきたいですね。
マングローブ植林プロジェクトがつなぐ、未来への希望
取材後は、いよいよマングローブの植林を体験しました。
苗には、プロジェクトに協力してくださったリスナーの皆さんの名前を書いた付箋を付けています。
付箋は撮影後外しています

テッセイさんも「よく耳にするリスナーさんのお名前ばかりでうれしいです。関心を持ってくださりありがとうございます」とよろこんでいました。
皆さんの小さなアクションが、海を越えてフィリピンの島の保護活動につながっている光景は、感慨深いものがあります。

テッセイ
美しい自然に囲まれていると、私たちの心や気持ちまでクリーンになっていくから不思議ですよね。これが自然の保護活動を続けていけるなんかエネルギーにもなっている気がします。
このようなプロジェクトは、単に自然を守るだけでなく、最終的には人と人との気持ちがつながっていくことが大切だと思うんです。たとえば、プロジェクトを手伝ってくれている人たちは、自分の子ども達に自然の大切さを伝えていきます。子どもから大人まで、地域住民が団結することで、このような取り組みもますます良くなっていくと思います。
いつか、FMくらしきのリスナーの皆さんにも来ていただいて、マングローブ植林体験ツアーなんかもやってみたいですね。一度自然に触れてみるだけで、せっけんや水の使い方も変わってくるかもしれません。
人と人のつながりが強くなることで、美しい自然が続く未来がより鮮明に見えてきますね。プロジェクトの一員に加わってくださったリスナーの皆さん、ありがとうございました!

おわりに
FMくらしきでは、国際連合が掲げる方針「SDGメディア・コンパクト」に参画しており、放送している番組とSDGsで掲げられている17の目標の関連を明確にして、持続可能な開発目標の推進に力を入れています。
マングローブ植林プロジェクトは、SDGメディア・コンパクトに基づく番組でもあり、現在も進行中です。
「週刊くらしきハッピーレディオ」のゲストさんで、車で来られたかたがいらっしゃれば、1台につき1本の植樹。
そして、1個500円の缶バッジをご購入いただいた場合、1個につき1本の植樹をおこなっています。缶バッジは2025年2月の時点で、80個ご購入いただきました!
今後も地域の皆さまに役立つ情報をお届けしてまいります。
「マングローブ植林プロジェクト」は、Spotifyからもご視聴いただけます。