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倉敷屏風祭 〜 美観地区の町並みや雰囲気を身近に感じる古くて新しいお祭(2018年)

倉敷屏風祭 〜 美観地区の町並みや雰囲気を身近に感じる古くて新しいお祭(2018年)

知っとこ / 2018.10.24

緋鯉図屏風の森山知己教授に聞く

【倉敷屏風祭】はしまや呉服店の屏風

はしまや呉服店に飾ってあった屏風、「緋鯉図屏風」の作者である、倉敷芸術科学大学芸術学部の森山教授へ夢空間はしまやにて、お話しを聞くことができました。

森山教授の研究テーマは、古典絵画に用いられてきた材料・素材、道具や技法、画題等をてがかりに「日本画」という言葉の定義研究です。

時間を味方にした日本画

なぜ日本画が研究テーマなんですか?

森山
(日本という)国の名前がついた絵とは、いったいどんな絵画なのかを具体的に知りたいからです。

たとえばの話しですが、描画する道具である鉛筆やペンなどは、誰でもすぐ簡単に使い始められますよね。

でも日本画の筆って、訓練しないとなかなかうまく使えません。習字も同様ですよね。

言われてみれば、そうですね。

森山
西洋で線を描くときはといえば、スーー…っと一本線を引きます。

でも日本画の古典となるものでは、「点を打つことを続けるように」とか「墨を置くように線を描く」と紹介されたりします。

なぜかわかりますか?

……なんででしょう。

森山
和紙のでこぼこに沿うように絵の具を置き、「点」をつないで線を描いているんですよ。

緋鯉図屏風も同じ方法で描いています。

描きあげるまでに時間がかかりますね。

森山
現代はスマホなどでメールを書き、相手に送りますよね。
でも少し前は、直接用紙にペンや筆を使いラブレター(恋文)を贈ったものです。

ラブレターは「有限の時間を、あなたのためにたくさん使って書きました」という想いも込められているように思うのです。

日本画もなのですが時間をためることに、おもしろさを見つけたといってもいいでしょう。

伝統ある倉敷という街に出来た倉敷芸術科学大学

【倉敷屏風祭】倉敷芸術科学大学芸術学部の制作作品

なぜ学生に、屏風を描くことを体験させたんですか?

森山
倉敷の街に、より賑わいをと企画された「倉敷屏風祭」については、すでに紹介されてたとおりです。

▼大学が存在する地域のイベントや祭りに、学生が積極的に参加するということは、以下のことがらが期待できます。

  • 関わる地域を身近に感じる
  • 愛着を持つことができる

▼また大学を誘致した倉敷市として、さきほどのことを通じ期待ができることは、以下のとおりです。

  • 若い人たちが地域に住む
  • 街に暮らす良いイメージ
  • 将来定住を期待できる

芸術について学ぶ学生が、祭りの中心テーマである屏風を作成する。
そして絵を描いて参加することは、まさに地域と共にある大学、それも専門がそのまま活かせる場として最適です。

「屏風祭に屏風を描いて参加する」

大学の総合プロジェクト授業、「倉敷屏風プロジェクト」として行われることになりました。

屏風祭に参加する屏風はどのようにして確保するか?

【倉敷屏風祭】倉敷芸術科学大学芸術学部の制作作品

森山
屏風は、新たに作ると大変高価なものです。

当初は古い屏風を探し、提供してもらい、それを修理して描くことを考えました。
しかし、集まらなかったんです。

そこで昨年度(2017年度)、ご縁を得た2組に協力をしていただきました。

  • 天神山文化プラザで企画に関わった<アートの今・岡山2017「表装」>の岡山県表具内装協会会員の皆様
  • 岡山県で唯一となった表具材料店である白神紙商店さん

みなさんの協力のもと、新たに屏風自体も作ることから始めることにしたのです。

その結果、以下のようなとても貴重な機会となりました。

  • 伝統的な素材にふれること
  • 伝統的な技にふれること
  • 屏風について知り、自ら作ること

「屏風の構造」については、森山教授のホームページで見ることができます。

参考:屏風の構造

<アートの今・岡山2017「表装」>とは。

  • 表具という技術、和紙などの素材づくりも含め、継承が危機的な状況下、現状を認識し、現代美術の若手作家と組み合わせて未来を考える企画
  • アートはアーティストだけで出来るものではなく社会との関わり、生態系として存在する「アート生態系」という考え方に基づいての企画

屏風に絵を描きたいでしょう!!!

【倉敷屏風祭】倉敷芸術科学大学芸術学部学生と制作作品

森山
私が絵を描く者として思うのですが、「屏風に絵を描きたい」という気持ちは誰でもあるのではないでしょうか?

学生たちは自由に一人一つ、自分だけで屏風に絵を描きたかったことと思います。
ですが、多くはグループ制作となってしまいました。

実際に、「自分一人で描きたかった」という感想が多くあったんです。
もし、チャンスさえあればまた描きたいとの感想もありました。

  • 屏風という伝統
  • 屏風という伝統様式の実地体験

こんなチャンスはまたとないのです。

機会さえあれば描いてみたい、やってみたいというのは学生だけでは無いと思います。

取材を終えて

今の生活の中では、屏風を見ることや触るような場面もないですよね。
そして、屏風を制作することは恐らくないでしょう。

倉敷芸術科学大学の学生さんたちは、とても貴重な体験をしたんだということがわかりました。

2018年の屏風祭だけではなく、2019年もその次も…と毎年参加することになれば、うれしいなと個人的に思いましたよ。

▼なお、森山教授が大学教員になる前からの活動は以下リンクよりどうぞ。

倉敷屏風祭のデータ

名前倉敷屏風祭
地域
季節
期日2018年10月20日(土)・21日(日)【終了】
午前10時から午後5時
※阿智神社秋季例大祭にあわせて実施
場所倉敷市本町、東町地区、美観地区界隈
参加費用(税込)無料
ホームページ倉敷屏風祭 | 倉敷観光WEB
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パパンダ(岡本康史)

パパンダ(岡本康史)

岡山市在住で、5歳と6歳の年子兄妹+0歳児を持つパパWebライターです。「くらとこ」では編集長をやっています。倉敷美観地区を中心とした情報を、パパ目線・主夫目線・福祉目線などなど、いろいろな角度から紹介します!

【倉敷屏風祭】はしまや呉服店の屏風

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