宮崎菜央さんへインタビュー

はじめて倉敷薄荷に触れたときの感想を教えてください。
宮崎(敬称略)
今までに嗅いだことのない香りでビックリしました。ハッカはツンとする香りのイメージを持つかたが多いと思いますが、秀美はペパーミントの成分が含まれており、甘くてすっきりとした香りが特徴です。個人的には、ず-んとした気分のときに嗅ぐと、気持ちも切り替わってリフレッシュできる香りだと思います。

私はもともとハッカにそこまで関心がなかったのですが、倉敷薄荷陳列所を見学したときに、ハッカが思いのほか身近な存在であることを知りました。昔からハッカ葉やハッカ油は医薬品や医薬部外品などとして使われていて、香りを楽しむ以外の用途も多いんです。

倉敷薄荷を活かしたまちづくりで、挑戦してみたいことはありますか?
宮崎
岡山県内でハッカの栽培が盛んだった歴史は、あまり知られていないように感じます。
ハッカの再生活動の取り組みが広く知られて、特産品としての認知につながるように、現代の子ども達に向けてハッカの魅力が伝えられる機会を作れたらうれしいです。まちづくりは長い目で見る必要があると思います。
任期中のミッションとして、薄荷手帳の改訂版の制作も控えているので、同時に倉敷薄荷の絵本を作れたら良いなと思っています。

また、倉敷薄荷の香りは、一度嗅いでもらえたらきっと刺さる人も多いと思うので、実際に香りを体験できる場を増やしていきたいと思っています。

香りを体験するなら屋内がベストなので、住宅展示場のような場所でアロマオイルを焚いてみたいです。倉敷薄荷のある暮らしをイメージできるような機会を提供できればと思います。
あとは、倉敷薄荷の香りは集中力も高まるので、学校関係のノベルティにもちょうど良い気がしています。アイデアはいろいろと湧いてきますね。
栄養士の資格も活かして倉敷薄荷の魅力を伝えて、暮らしをちょっと豊かにするお手伝いができたらうれしいです。

協力隊の活動を通して得られたことはなんでしょうか。
宮崎
自分自身の成長面でいえば、ブランディングやマーケティングの知識を活かして、倉敷薄荷の啓発活動ができるようになったことです。
ただ勉強して知識を入れるだけではなく、商品開発などに落とし込んで実践できる環境なので経験がどんどん積めました。この経験を活かして、倉敷薄荷の魅力をより多くの人に届けられていたら良いなと思います。

なぜ料理教室のシェフ☆きっずを始めようと思ったのですか。
宮崎
大きく二つの理由があります。
ひとつは、地域の子ども達や保護者のかたと知り合い、自分の得意なことを活かしながら、少しでも倉敷薄荷の魅力を伝えられる機会を増やしたかったからです。栄養士の資格を持っていても、現場から離れてしまえばブランクも長くなるので、移住後の不安のひとつでもありました。
ただ、ハッカを探求し始めると奥が深いことがわかり、栄養士でも学んでいた植物学や生物学、化学の世界にたどり着いて親近感が湧きました。「料理は科学」とも言われますが、本当にその通りだと思います。
理科の視点でハッカに興味を持ってもらう機会を作り、その延長戦で倉敷薄荷を知ってもらう機会に繋げられたら、一石二鳥ではないかと思いました。
まだ教室を始めたばかりなので、ハッカを使ったメニューを取り入れるところまではできていませんが、協力隊活動と掛け合わせて開催できたらうれしいです。
子どものときから特産品に触れられる機会は貴重ですね。もうひとつの理由はなんですか?
宮崎
もうひとつの理由は、倉敷に定住することを考えたときに、私がもっとも接点を持ちたかったのは、地域に住むかたがたでした。協力隊活動中に関わるのは、観光のお客様や受け入れ団体の取引先企業様が大半なので、地域のかたとつながる機会がなかなかありません。
栄養士の仕事を辞めて気づいたことは、やはり衣食住に関わる仕事が好きだということ。私にとってはシェフ☆きっずの活動は定住に向けたツールであり、退任後も資格を活かした職業を選択してくための準備でもあります。
活動中のうれしかったエピソードや印象に残っていることはありますか?
宮崎
市内のイベントに倉敷薄荷陳列所として出店した際、夜カフェやシェフ☆きっずで出会った地域のかたがたが「ミヤちゃーん」「ミヤ先生!」と来てくださったことです。
地域のかたがたと知り合いになれていると実感できましたし、地域のかたがたに特産品に触れていただく機会を増やせたと思いました。

最後にメッセージをお願いします。
宮崎
これまでは夜カフェやシェフ☆きっずを通して、地域とのつながりを作っていました。協力隊を卒業しても、倉敷で仕事をしながら暮らしていきたいと考えているので、もし記事を読んで私とつながりたいと思ってくださるかたがいたら、ぜひ交流してください。
「くらとこの記事を読んだよ」と声をかけてもらえたらうれしいです。

おわりに
筆者も倉敷に移住するまで、特産品にハッカがあることをまったく知りませんでした。
倉敷薄荷の香りは爽快感があるのに甘く、一度嗅いだら忘れられません。宮崎さんの開発した商品は、手軽に倉敷薄荷の香りを楽しめるので、倉敷のお土産にもおすすめです。
地域おこし協力隊としての活動だけでなく、個人でも地域活動に取り組んでいる宮崎さんの話を聞き、筆者も自身の活動をさらに頑張ろうとパワーをもらいました。
今後の地域おこし協力隊の活動にも、ぜひ注目してみてください。