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NATURE TALK(ネイチャートーク) 〜 世界中の野生動物を守るために私たちができること

NATURE TALK(ネイチャートーク) 〜 世界中の野生動物を守るために私たちができること

知っとこ / 2023.01.12

野生動物の密猟や絶滅という問題は、遠い国の出来事と感じますが、実は私たちの生活にも関わっています。

自然の尊さを理解しているつもりでも、野生動物を取り巻く実情を把握していないと、知らないうちに動物を傷つけることに加担しているかもしれません。

NATURE TALK(ネイチャートーク)は、中学生の沖メイ子(おき めいこ)さんが、自主制作している野生動物の保護についての新聞。

アフリカでの野生動物の密猟問題や、トラの絶滅など、日本人には関係ないように思える話題について、背景からわかりやすくまとめています。

さらに、沖さんは野生動物を取り巻く問題の背景だけではなく、私たちにできることにまで焦点を当てて新聞を制作してきました。

世界中の動物を守るために、沖さんが新聞に載せてきた野生動物たちの声を紹介します。

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記載されている内容は、2023年1月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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NATURE TALKとは?

NATURE TALKは、倉敷市在住の中学生である沖メイ子さんが、不定期に刊行している野生動物の保護についての新聞です。

動物や昆虫が大好きだという沖さんが、どのような情報を新聞に載せて発信しているのかを紹介します。

NATURE TALK1

NATURE TALKの概要

NATURE TALKでは、野生動物の密猟や気候変動による絶滅などをテーマに、沖さんが講演会、書籍やインターネットを通じて調査した内容を発信しています。

野生動物に関連する問題は、日本人の日常には関係ないと思われがちですが、実は知らないうちに私たちも問題に加担していることがあるそうです。

私たちにできる行動を発信したいという想いから、沖さんはNATURE TALKの制作を続けています。

NATURE TALKで伝えていること

2021年7月に1号を発行し、2023年1月時点で4号まで発行しています。

以下は、NATURE TALKで取り上げた話題です。

野生動物にまつわる問題についての実情と原因、そして私たちにできる行動まで、ていねいにまとめられています。

発行年月内容
12021年7月密猟問題とは?南アフリカの問題とその対策について
22021年9月アフリカゾウが直面する危機
32022年2月エキゾチックペットとその問題
42022年6月トラの現状と倍増計画
NATURE TALK2

NATURE TALKはどこで読めるの?

NATURE TALKは、全国の動物園や博物館で配布しています。

以下は、NATURE TALKが置いている代表的な施設です。

施設名所在地
川湯ビジターセンター北海道
釧路市動物園北海道
斜里町立知床博物館北海道
知床自然センター北海道
知床世界遺産センター北海道
和琴フィールドハウス北海道
金沢動物園神奈川県
豊橋総合動植物公園愛知県
真教寺公園鳥取県
岡山自然保護センター岡山県
池田動物園岡山県
渋川動物公園岡山県
渋川マリン水族館岡山県

他にも、全国の学校や書店、病院、宿泊施設、道の駅などにも置かれています。

また、インターネットから見たい場合は、情報配信サイトnoteにあるNATURE TALKのリンクを確認してみましょう。

私たちが気がついていない大切な問題が、NATURE TALKにはまとめられています。

野生動物の保護について、たくさんの気づきが得られるはずです。

NATURE TALK3

アトリエ NATURE TALK

アトリエ NATURE TALKは、沖さんが野生動物の保護のために取り組んでいる募金活動です。

沖さんが制作したポストカードトートバッグを、アトリエ NATURE TALKのウェブサイトで販売しています。

いままでの売り上げは、世界で野生動物の保護活動を行なっている団体に寄付してきました。

以下は、アトリエ NATURE TALKの寄付先です。

寄付先活動内容
WWF (世界自然保護基金)世界各国の自然や野生動物の保護活動
MYCATマレーシアのトラの保護
UAPACAA世界各国の野生動物の保護活動
ポストカード1
2022年の寅年に向けて作成したポストカード

NATURE TALKを発行人 沖メイ子さんにインタビュー

NATURE TALKを発行している沖メイ子さんに、新聞制作に関するこだわりや想いについて聞いてきました。

沖さんがどのような想いでNATURE TALKを制作しているかを紹介します。

沖メイ子さん6

NATURE TALKができるまで

NATURE TALKを始めたきっかけは?

沖(敬称略)

アフリカで野生動物保護の活動を行なっている太田ゆか(おおた ゆか)さんが登壇するオンラインイベントに参加したことがきっかけです。

新興国などでインターンシップの機会を提供しているTiger Mov(タイガーモブ)が主催するイベントで、南アフリカでの密猟問題についての講演でした。

そこで、話題のひとつとして取り上げられていたのが象の密猟。

実は、象牙は日本でも売買されており、アフリカでの密猟は私たち日本人にも関わりある問題だと知ったのです。

多くの人に密猟の問題を知ってもらうために、私でもできることとして新聞制作を思い立ちました。

どうして新聞にしたのでしょうか?

インターネット上のウェブサイトやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の場合、すでに興味を持っている人しかアクセスしてきません

NATURE TALKを図書館や博物館に置いてもらうことで、目に留まった人たちが手に取り、興味を持つきっかけを作れると思いました。

また、学校で配布することで私ぐらいの中学生や、もっと年齢の低い小学生にも見てもらえます。

沖メイ子さん3

どのように調べているのでしょうか?

図書館に行って書籍で調べたりインターネットで調べたりしています。

また、講演会に参加して学んだ内容をまとめることもあれば、実際にアフリカで活動を行なっている太田ゆかさんのようなかたに質問することもありました。

メールで質問をさせてもらったり、時間があるときにはオンラインで直接、話を聞いたりすることもあります。

配布先はどのように決めているのでしょうか?

私からNATURE TALKを置いてもらうように依頼することもあります。

たとえば、北海道で行なわれた自然体験イベントに参加したときには、知床まで足を運び、知床の世界遺産の関連施設NATURE TALKを置いてもらうようにお願いしました。

また、NATURE TALKを読んでくれた人から置かせてほしいと依頼されることもあります

NATURE TALKを置いている場所は、岡山県内だけでなく日本各地に広がりました

NATURE TALKに込めた想い

ポストカード2

私たちに何ができるのでしょうか?

エキゾチックペットであっても、動物園のように動物たちがストレスなく過ごせているような環境が確立できている施設であれば問題ないと思います。

普段は見られない動物の多様性や生態を学べる貴重な機会になるでしょう。

しかし、管理が適切にされていないような施設どのような経緯で動物を入手したか不明確である場合は、お店に足を運ばないようにするほうがよいと思います。

エキゾチックペット

本来野生にいた動物をペットにしたもの。

古くから人間社会にいた犬や猫、動物や牛や豚などの家畜ではない飼育された動物の総称。

また、絶滅危惧種であるトラの減少も、現地での密猟だけでなく、私たちの生活の影響を受けていることも忘れてはいけません。

トラの生息地である森林では、食糧確保のための農地への転換、木材調達のための伐採、気候変動による乾燥が原因の森林火災などが発生しています。

遠い国の出来事のように思いますが、私たち日本人の便利な生活を支えるために、トラの生息地が失われているという実情があるのです。

私たちの社会で消費を減らしていくことも、野生動物を保護することにつながります。

どんなことを伝えていきたいですか?

野生動物の保護は、私たちの生活に関係ないことのように感じている人が多いと思いますが、実は違います

私たちが影響を与えていることもあるし、私たちにできることもあります。

問題の背景だけでなく、どのように貢献できるかをNATURE TALKには書いてきました。

ぜひ、NATURE TALKを手にとって、私たちができることを知ってほしいと思います。

沖メイ子さん5
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NATURE TALKを読み終えて

筆者がアフリカに住む動物たちについて思い浮かべられることは、野生動物を取り扱うテレビ番組で流れてくる映像。

ゾウやサイ、ライオンなどの大型の哺乳類が、広大な平原で生き抜いている姿を、別の世界の出来事のように眺めていました。

また、絶滅や密猟については耳にしたことはありましたが、私たちの生活に関連づけて考えたことはなかったでしょう。

実は、関係ないと思っていたのは筆者の知識が不足していたからで、NATURE TALKには私たちの生活とのつながりも、ていねいにまとめられていました。

昆虫や動物が大好きな沖さんだからこそ、動物たちの声を受け取れ、私たちにできることまで通訳してくれたのでしょう。

自然との対話をていねいにまとめた議事録がNATURE TALKだと感じました。

沖さんを通じて聞こえてくる自然の声を聞き続けたいと思います。

NATURE TALKのデータ

名前NATURE TALK
期日不定期に刊行
場所主に北海道、岡山県の動物園や博物館
参加費用(税込)無料
ホームページNATURE TALK (チャリツモ)
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ぱずう(後藤寛人)

ぱずう(後藤寛人)

87年生まれの埼玉育ち。倉敷に転勤でやってきて6年目。メーカーの研究員として働きつつ、週末はゴミ拾いボランティア団体の代表として活動しています。ひとりも知り合いもいなかった倉敷の街。ゴミ拾いを通じてたくさんの出会いがあり、倉敷の魅力を教えてもらいました。余所者から見える倉敷の景色を伝えていきたいです!

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