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手打ちうどん おおにしの店主・大西 洋さんへインタビュー
手打ちうどん おおにしの二代目店主・大西 洋(おおにし ひろし)さんへインタビューをし、開業の経緯や店を継いだ理由、店のこだわり、今後の展望などを聞いてみました。
インタビューは2020年3月の初回取材時に行った内容を掲載しています。
新幹線開通を機に自動車店からうどん店へ鞍替え
開業の経緯は?
大西
創業は昭和48年(1973年)5月です。倉敷アイビースクエアと同じ年ですね。
もともと、当店があるところは「大西モータース」という自動車販売の代理店だったんですよ。
父が経営していて、今の店でテーブルが並んでいるところが作業場でした。
現在では想像できないかもしれませんが、昭和48年より前の倉敷川畔は、あまり観光地化されていなかったんです。
大原美術館や考古館などの文化施設はありましたし、町並も保存されていましたが、今のように観光客向けの店はありませんでした。
飲食店もありません。
あったのは、民家だったり地元の生活に密着した店だったり。
父の自動車店もそんな感じの店です。
それがなぜ、うどん店に?
大西
きっかけは、昭和47年(1972年)の山陽新幹線の開通です。
新幹線が岡山まで開通するということで、市や県が観光に力を入れるようになりました。
それで自動車店を郊外に移転することになったんです。
そして、自動車店の跡を利用して母が観光客向けの飲食店を始めようということになりました。
お母様は飲食店の経験があった?
大西
実は、母の実家は岡山市中心部で洋食店を営んでいたんです。
だから料理は得意でした。
母は倉敷の歴史やイメージなどを考えて、うどん店にすることにしたようです。
うどん店をすると決まってからは、うどんの本場・香川県に修行にいって技術を学び、昭和48年に開業しました。
さきほど言ったように、昔は倉敷川沿いに飲食店はなかったので、今もある蕎麦屋のあずみさん・食事処のカモ井さんに次いで、おおにしが3店舗目の飲食店だったと聞いています。
しばらくして父は自動車店をやめて、父と母でうどん店を切り盛りするようになりました。
最初はうどん店を継がずにファッションの道へ
大西さんは、なぜうどん店を継いだ?
大西
最初は、うどん店を継ぐつもりはありませんでした。
学校を卒業後、機械系の工場を経て、服屋で働いていました。
もともとファッションが好きやったから、服の仕事をしたかったんです。
自分の仕事には満足はしていましたが、うどん店を営む両親が年をとって大変そうでした。
それで、自然とうどん店を手伝うようになったんです。
手づくりにこだわって真心のこもる「やさしい味」のうどんづくりを
うどんづくりでこだわっていることは?
大西
「手づくり」であることにこだわっていますね。
手間はかかります。
たとえば、麺も生地からつくっていますし、できあがるまで2日かかるんです。
でも、おいしいとお客さんに言ってもらえることが励みになります。
特に「やさしい味でした」という声がうれしいですね。
麺でもダシでも同じですが、数字や理論にあらわれない細かい部分があります。
温度や湿度・気候など微妙な変化は、自分の肌で感じとって調整していかないといけません。
このような細かい点は、料理に真心をこめてつくっていないとできませんよね。
料理に真心を込めること。
これを念頭に置いて、うどんづくりをしています。
だから「やさしい味」と言われるとうれしいんです。
つくっている店が楽しくやっていないとお客さんも楽しめない
今後の抱負や目標は?
大西
数年前から、私の息子が店を手伝ってくれるようになりました。
少しずつやれることも増えてきていますので、いずれは私と担当を日替わりでチェンジできたらいいなと。
実は、私は接客するのが好きなんですよ。
今は厨房の中にいることが多いので、息子がいろいろできるようになったら接客をもっとできるようになるので、今から楽しみです。
あとは、スタッフみんなで楽しく仕事をしていきたいですね。
もちろん、いまも楽しくやっていますが、これからもそれを続けていきたいです。
ありがたいことに、人手不足が叫ばれるなか、当店のスタッフには20年以上も働いてもらえています。
やっぱり、スタッフが楽しくしていないと、お客さんも楽しめないですよ。
今は海外からのお客さんも増えましたが、そこは同じですね。
遠方から当店のうどんを目的に倉敷に来てくださるかたもいるんです。
本当にうれしいですね。
それに、観光地にありながら地元の常連さんも多いんです。
これも励みになっています。
お客さんにとっての「三つ星」の飲食店になれればいいなと思っていますね。
おわりに
手打ちうどん おおにしは、魅力的なうどんがたくさん。
選ぶだけで楽しい店だと思いました。
観光地のド真ん中にあるので、観光のついでに寄るのに便利。
ですが店主の大西さんをはじめ、楽しく真心を込めて店をやっているので、店の雰囲気もすてきです。
もちろん、うどんもおいしい。
おおにしを目当てに倉敷に来るというお客さんの気持ちがわかります。
ぜひ、観光客から地元住民まで幅広く愛されている老舗うどん店で、うどんと雰囲気を味わってみてください。
手打ちうどん おおにしのデータ
名前 | 手打ちうどん おおにし |
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住所 | 岡山県倉敷市本町5-29 |
電話番号 | 086-422-8134 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 平日:午前10時30分〜午後4時 土曜・日曜・祝日:午前10時30分〜午後5時 |
定休日 | 不定休 |
支払い方法 |
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予約の可否 | 不可 |
座席 | 35席 ・4人がけテーブル:7卓 ・2人がけテーブル:1卓 ・カウンター:5客 ※テーブル席はレイアウト変更可能 |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | ・ベビーカーの入店可能 ・オムツ替えに利用できるスペースあり ・子供用椅子あり ・子供用食器あり |
バリアフリー | 車椅子での入店可能(トイレは車椅子非対応) |
ホームページ | 手打ちうどん おおにし 公式インスタグラム |