むかし下津井回船問屋 ~ 港町下津井と北前船の物語を語り継ぐ日本遺産構成文化財

むかし下津井回船問屋 正面入り口

下津井港はヨ 這入りよて 出よてヨ

有名な下津井節の冒頭の一節です。

下津井港は入りやすく出やすい瀬戸内の良港で、風待ち・潮待ちの港として多くの船が行き来し、最盛期には80隻を超える北前船が寄港し、狭い下津井の町は大変にぎわったそうです。

遠く北の海からやってきて倉敷の繊維産業を支えた北前船や、寄港地・下津井の当時のようすを伝える「むかし下津井回船問屋」を通して、小さな港町にどのような繁栄の物語があったのかを紹介します。

記載されている内容は、2025年8月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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むかし下津井回船問屋のデータ

外観写真
名前むかし下津井回船問屋
所在地岡山県倉敷市下津井1丁目7番23号
電話番号086-479-7890
駐車場あり
開館時間午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

午後5時以降の蔵ほーる(食事処・カンティーナ登美)へは駐車場側出入り口を使用
休館日
火曜日が祝日の場合は開館し、翌日の水曜日が休館
年末年始(12月29日~1月3日)は休館
入館料(税込)無料
支払い方法
    予約について
    案内が必要な時はFAX(086-479-7819)で予約をお願いします
    タバコ
    駐車場に喫煙場所あり
    トイレ


    車いすでの利用可
    子育て
    トイレに子育て用の多目的スペースあり
    バリアフリー
    ホームページむかし下津井回船問屋

    「むかし下津井回船問屋」とは

    今は静かな港町、倉敷市下津井地区は、江戸時代中期以降多くの船が出入りし、栄えていました。

    「むかし下津井回船問屋」は、江戸時代後期から明治時代の回船問屋や下津井の町の暮らしを再現した施設です。

    「母屋」帳場
    「母屋」帳場

    建物は、江戸時代に金融業や倉庫業を営んでいた西荻野家の住宅を、回船問屋の高松屋(中西家)が買い取り、商家とニシン粕を貯蔵する蔵として使用していたものです。

    瀬戸大橋開通後の1995年、岡山県によって復元されました。

    駐車場側から見た「むかし下津井回船問屋」
    駐車場側から見た「むかし下津井回船問屋」

    復元された回船問屋の母屋と蔵は、母屋・いんふぉめーしょん館・蔵ホールなど六つの施設として、資料展示食事処土産物店などに活用されています。

    むかし下津井回船問屋の施設

    敷地内

    むかし下津井回船問屋の施設を紹介しましょう。

    母屋

    母屋」の1階には、帳場・座敷・茶の間・台所など当時のたたずまいが再現されています。

    通り土間から見た母屋
    通り土間から見た母屋
    庭側から見た母屋
    庭側から見た母屋

    入り口を入ってすぐの場所には、回船問屋に富をもたらした北前船の模型や、ニシン粕が詰められていた俵、船箪笥(ふなだんす)などが展示されています。俵は約90キロもあったそうです。

    北前船の模型やニシン粕の俵、ニシンの出荷のようすを紹介するパネルなどを展示
    北前船の模型やニシン粕の俵、ニシンの出荷のようすを紹介するパネルなどを展示

    通り土間は中庭に続き、中庭を囲むように蔵が立ち並んでいます。

    入口から中庭まで続く通り土間
    入口から中庭まで続く土間

    2階は展示室となっており、北前船ゆかりの品々や、江戸時代以降の下津井の日常生活、漁業、商いで使われていた道具が展示されています。

    船箪笥(ふなだんす)は貴重品を入れるもので、海難事故にあっても浸水しないよう頑丈に作られています。

    北前船に積まれていた船箪笥(ふなだんす)
    北前船に積まれていた船箪笥(ふなだんす)
    千両箱、そろばん、秤(はかり)など商いに使われていた道具
    千両箱、そろばん、秤(はかり)など商いに使われていた道具
    下津井で使われていた漁具や漁のようすを紹介するパネル、刺子ドンザなどを展示
    下津井で使われていた漁具や漁のようすを紹介するパネル、刺子ドンザなどを展示

    中央にかかっているのは、藍染の木綿地に木綿糸で刺子が施された「刺子ドンザ」と呼ばれる漁師が仕事着として着ていた着物です。

    漁師の仕事着「刺子ドンザ」
    漁師の仕事着「刺子ドンザ」

    展示されているドンザは、下津井の網元・今治代吉(いまじ だいきち)氏によるもので、日清戦争の戦闘場面が描かれています。

    このほか、生活用品も展示されており、明治時代の下津井の町でどのような営みがあったのかを知ることができます。

    いんふぉめーしょん館

    中庭を挟んで「母屋」と向かい合って建っているのが「いんふぉめーしょん館」です。

    いんふぉめーしょん館
    いんふぉめーしょん館

    下津井エリアでは「むかし下津井回船問屋」を含めて、「下津井町並み保存地区」「下津井節」が、以下のストーリーで日本遺産構成文化財に指定されています。

    • 一輪の綿花から始まる倉敷物語~和と洋が織りなす繊維のまち~
    • 荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~
    1階は日本遺産についてパネルで紹介
    1階は日本遺産についてパネルで紹介

    階段の周りは下津井のお祭りや漁港、何気ない町のようすが写真パネルで紹介されていて、下津井の町の歴史を垣間見られます。

    下津井の町のようすが写された写真パネル
    下津井の町のようすが写された写真パネル

    2階には昔の町のようすを伝えるペーパークラフトの作品が展示されています。

    その他の施設

    この他、敷地内には以下の施設があります。

    • 蔵ほーる
    • 収蔵庫
    • しょっぴんぐばざーる
    • 蔵さろん
    蔵ほーる
    蔵ほーる

    蔵ほーる」はニシン粕などを保管していた蔵を復元したもので、昔は蔵いっぱいにニシン粕が積まれていたそうです。

    現在は、和食とイタリアンのお食事処「カンティーナ登美」として営業しています。

    営業時間外は無料休憩所として利用できるほか、イベントスペースとして使われることもあるそうです。

    収蔵庫」には地元から集められた日用品などが展示されています。

    回船問屋高松屋だけでなく下津井の家々から集められた生活道具が展示
    回船問屋高松屋だけでなく下津井の家々から集められた生活道具が展示
    「収蔵庫」に展示された生活道具

    土産物店「しょっぴんぐばざーる」には、下津井ならではの土産物をはじめ、近海で獲られた海産物が多く並んでいます。

    土産物店「しょっぴんぐばざーる」の店内
    土産物店「しょっぴんぐばざーる」の店内

    さすが下津井、名物の干しタコが目を引きます。

    地元で作られたタコの加工品やノリなど、海の幸が豊富です。

    衣装蔵を復元した「蔵さろん」
    衣装蔵を復元した「蔵さろん」

    「蔵さろん」は会議室として利用でき、申し込めばどなたでも使えるそうです。

    下津井の町の繁栄の象徴ともいえる「むかし下津井回船問屋」。
    館長の三宅武夫(みやけ たけお)さんに、復元のいきさつなど話を聞きました。

    むかし下津井回船問屋のデータ

    外観写真
    名前むかし下津井回船問屋
    所在地岡山県倉敷市下津井1丁目7番23号
    電話番号086-479-7890
    駐車場あり
    開館時間午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

    午後5時以降の蔵ほーる(食事処・カンティーナ登美)へは駐車場側出入り口を使用
    休館日
    火曜日が祝日の場合は開館し、翌日の水曜日が休館
    年末年始(12月29日~1月3日)は休館
    入館料(税込)無料
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      井ノ上美恵子
      井ノ上美恵子
      岡山市在住。2021年に会社を退職し、ハーブを育てたり料理に勤しんだりする日々を過ごしております。倉敷とことこを通じて、頑張っていらっしゃる皆さんの活動を楽しくお伝えし、応援していきます。

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