岡山県西部に流れる一級河川「高梁川」。
高梁川の豊かな水や自然の恵みとともに暮らしてきた7市3町は高梁川流域圏と呼ばれ、倉敷市もその一員として、高梁川流域を盛り上げるさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。
5月11日(土)に開催される「高梁川流域ミーティング」は、流域圏の文化歴史や自然に関心のある人たちが集まり、基調講演やグループセッションを通して高梁川流域について学べるイベントです。
日常生活でときどき耳にする「高梁川流域」というキーワード。高梁川ミーティングではいったいどのようなことが学べるのか、担当者に取材してきました。
記載されている内容は、2024年5月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
高梁川ミーティングとは
高梁川ミーティング2024は、一般社団法人高梁川流域学校が主催する2024年5月11日(土)に開催されるイベントです。
会場は倉敷市芸文館 202会議室で、午後1時から午後5時までおこなわれます。(受付開始はお昼の12時30分)
当日のスケジュールは公式サイトをチェックしてください。
一般社団法人高梁川流域学校について
一般社団法人高梁川流域学校は、高梁川流域の風土や歴史・文化の伝承を目的とし、企業・自治体・大学・地域団体と連携しながら、流域圏の持続的な発展を目指している団体です。
おもに以下の事業をおこなっています。
- 地域密着型のSDGsプログラム「高梁川志塾」の運営(倉敷市委託事業)
- 「高梁川ミーティング」の主催
「高梁川志塾」は、高梁川の自然や歴史、文化、産業をフィールドワークで学び、持続可能な地域づくりや、今後の発展を担う次世代の人材育成をおこなっています。2023年度末時点で100人以上が受講しました。
流域間の連携という考えは、昭和29年に創立された高梁川流域連盟が提唱しており、その想いに共感した前代表の大久保憲作(おおくぼ けんさく)さん(クラモクホールディングス株式会社現会長)が、教育という観点から流域間の連携強化を目指したといいます。
高梁川ミーティング2024の概要
高梁川ミーティングは、高梁川流域学校の活動報告と、流域圏の課題とその解決策を話し合う場として生まれました。高梁川流域学校の設立以来、基本的には年に一度開催しています。
今回は「30年後の流域のいとなみ」をテーマに、基調講演と分科会(グループセッション)がおこなわれます。
基調講演に登壇するのは、高梁川流域学校の顧問であり、持続可能な地域を目指してさまざまな環境保全活動に取り組んでいる澁澤寿一(しぶさわ じゅいち)さん。新一万円札の肖像に選ばれた澁澤栄一(しぶさわ えいいち)氏のひ孫にあたるかたです。
森や海と共に暮らす人を高校生が取材する「聞き書き甲子園」の主催や、真庭市のバイオマスを利用した地域づくりなどを手がけています。
現代の豊かな生活とはいったい何か、そして自然と共存するためにはどうすればいいのか。高梁川流域の持続可能な未来づくりのヒントが見つかるかもしれません。
基調講演の後は、少人数に分かれて分科会をおこないます。
たのしみ・まなび・なりわい・くらしの4つの視点から30年後の流域の未来を考え、話し合いをする場です。
高梁川流域に関心のある人たちが集まるので、いろいろな意見やアイデアが生まれそうです。
担当者インタビュー
一般社団法人高梁川流域学校 事務局の梶谷昌史(かじたに まさし)さんに、高梁川ミーティングについて話を聞きました。
「30年後の流域のいとなみ」というテーマはどのような経緯で生まれましたか?
梶谷(敬称略)
高梁川流域連盟が2024年で創立70周年を迎えます。さらに30年後の100周年に向けて、未来の高梁川流域がどんな姿であってほしいかをみんなで考える場を提供したいと思い、「30年後の流域」というキーワードをテーマに組み込みました。
「いとなみ」は、流域圏が持つ資源の魅力や、地域経済の発展には欠かせない教育や仕事、暮らしの文化などの意味を含んでいます。
100周年という節目に向けて、高梁川流域学校もどのような活動をしていくか考えようと思い、高梁川流域の理想の姿を再考する今回のテーマに決まりました。
高梁川ミーティングの魅力を教えてください。
梶谷
一番大きな魅力は、高梁川流域に関心のある人たちとのつながりが生まれることです。
高梁川流域に対して問題意識のあるかたや、自分の暮らす地域で「何かをやってみたい」と考えているかたが参加されるので、お互いの考えに刺激を受け、交流によって協働がなにか生まれたらいいなと思っています。
前回(2023年)の反響はいかがでしたか。
梶谷
前回は教育をメインテーマにしていたので、教育委員会や学校の教員など学校関係者のかたの参加が非常に多かったですね。
基調講演は文化庁次長の合田哲雄(ごうだ てつお)さんに登壇していただきました。合田さんは、今後の社会の変容に合わせた教育の在りかたや、人工知能と教育の共存について話されていて、終了後のアンケートでも基調講演に関する感想が多かったです。
満足度の高いイベントになったのではないかと思います。
分科会の詳細を教えてください。
梶谷
前回のミーティングは参加者同士の交流が少なかったので、今回は少人数に分かれてグループセッションをおこなう分科会を企画しました。
分科会では、たのしみ・まなび・なりわい・くらしの4つのテーマに基づいて、高梁川流域の未来の理想像を話し合い、「それを実現するためにはどんなアクションが必要なのか」を意見交換する予定です。場合によっては、当日に参加者の皆さんから意見をいただいて、テーマを追加することも検討しています。
たとえば「たのしみ」なら、高梁川流域の観光資源やイベントについて考えていただくと、話題が広がるかもしれません。
「まだ有名ではない観光名所の知名度をどうすれば上げられるか」や「県南に集中しているイベントを県北まで広げる方法」など、さまざまな課題が浮かんできます。
30年後の高梁川流域がどのような状態だと豊かに暮らせるのか、皆さんで話し合っていただけたらと思います。
どのような人におすすめしたいですか。
梶谷
高梁川流域という地域に対して関心のあるかたには、ぜひ参加していただきたいです。
自分たちが暮らす地域に課題を感じていたり、「何かに取り組んでみたい」と考えたりしているかたにはおすすめです。ぜひ高梁川ミーティングでいろいろな人と交流して、つながってみてください。
高梁川流域ミーティングが、皆さんの取り組みの一助になれたらうれしく思います。
読者にメッセージをお願いします。
梶谷
先日、新見市のかたと話をしていて、倉敷市民の自分が見ている高梁川の印象が、新見市のかたとまったく違うことに驚きました。
倉敷市に流れる高梁川は流れもゆっくりで幅も広いですが、新見市の高梁川は上流の山あいから流れてくるのでスピードも速く、細い川なんです。
上流、中流、下流のそれぞれで高梁川の見えかたや印象は変わってくるので、今回のミーティングでもさまざまなアイデアや意見が出てくると思います。高梁川流域の地域に興味のあるかたはぜひご参加ください。
私たちも、ひとつの川から生まれたこのつながりを大事にしながら、より豊かな生活を送れるように、多くの人と連携していきたいと思います。
おわりに
私は以前神奈川県に住んでいて、倉敷へ移住してから高梁川流域というキーワードに初めて出会いました。
それまでは「ひとつの川の流域が連携する」という事例が身近に無かったため、その取り組みの規模の大きさに驚いた記憶があります。
今回の取材で、高梁川の自然の恩恵や、多くの人が発展させてきた流域の文化・産業など、自分でも知らない間に高梁川流域の存在が身近にあるように感じられました。
高梁川流域に暮らす一員として、流域の未来に関心があるかたは、ぜひ高梁川ミーティングに足を運んでみてください。新たな視点やつながりが生まれるかもしれません。
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高梁川ミーティング2024のデータ
名前 | 高梁川ミーティング2024 |
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期日 | 2024年5月11日(土) 午後1時から午後5時まで |
場所 | 岡山県倉敷市中央1-18-1 倉敷市芸文館 202会議室 |
参加費用(税込) | 一般参加1,000円 高校生以下は無料 |
ホームページ | 高梁川流域学校 5/11㈯高梁川ミーティング2024開催のお知らせ |