鶴形山の南に「本栄寺(ほんえいじ)」という寺があるのを知っていますか?
本栄寺は、国指定重要文化財の井上家住宅のすぐ裏にあります。
本栄寺の本堂は、江戸時代の半ばに建てられたという歴史ある建物。
また本堂は、なんと「倉敷ジャズストリート」や「倉敷屏風祭」などの会場にもなっているんです。
そんな歴史ある寺でありながら、イベントも開催される本栄寺を紹介します。
記載されている内容は、2020年1月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
本栄寺のデータ
名称 | 本栄寺 |
---|---|
別名 | 長興山 |
宗派 | 日蓮宗 |
所在地 | 岡山県倉敷市本町1-41 |
電話番号 | 086-422-2844 |
駐車場 | なし |
御本尊 | 大曼荼羅 |
御利益 | 現世安穏・後生善処 |
御朱印(納経料) | あり(納経料の金額に規定なし) ※ 住職不在時は対応不可 |
拝観時間 | 日中のみ |
休観日 | なし |
拝観料 | なし |
拝観料・納経料の納め方 |
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トイレ | |
ホームページ | 長興山 本栄寺|日蓮宗 寺院 |
本栄寺への行き方
▼目印は、本町通りにある国指定文化財の井上家住宅です。
▼井上家住宅の西側(向かって左)の細い路地を入りましょう。
▼このような路地を倉敷では「ひやさい」と呼んでいます。
なお、井上家住宅は令和4年度(2022年度)を目途に修繕工事中。
そのため「ひやさい」の幅は狭くなっていますので、気をつけましょう。
▼ひやさいの路地を抜けて井上家住宅の裏側に出ると、目の前が本栄寺の山門です。
▼なお倉敷公民館の北側、鶴形山隧道(つるがたやま ずいどう)の入口を進行方向右に進んでも、本栄寺に行けます。
▼隧道前を右に曲がって直進すれば、本栄寺。
▼ちなみに鶴形山隧道の向かって左は、観龍寺です。
本栄寺は鶴形山の南麓にある日蓮宗の古い寺
本栄寺は、鶴形山のすぐ南のふもとにある寺です。
ちょうど、国指定重要文化財である井上家住宅の真裏にあたります。
山号(さんごう)は「長興山(ちょうこうざん)」です。
近くの観龍寺や阿智神社などに比べると、観光情報に載ることも少ない寺。
しかし、本栄寺は江戸時代初期から続く由緒ある日蓮宗(にちれんしゅう)の寺です。
本栄寺の見どころ
ここからは、本栄寺の境内の見どころを紹介していきます。
本栄寺にお参りした際に参考にしてください。
山門
井上家住宅の真裏、石垣で少し高くなったところに大きな「山門(さんもん)」がそびえています。
江戸時代中期に建立された本堂
山門をくぐると目の前に見えるのは、「本堂」です。
大きく立派な本堂で、外観は改修された新しい印象。
しかし、実はこの本堂、江戸時代中期の宝暦14年(1764年)建てられた、とても古いものなんです。
▼本堂の向かって右には、水子観音(みずこ かんのん)像。
▼向かって左には、鳥獣供養塔がありました。
妙見堂
▼本堂の向かって左側にある建物は「妙見堂(みょうけんどう)」です。
妙見堂で祭られているのは、妙見菩薩(みょうけん ぼさつ)。
妙見菩薩とは、北極星や北斗七星を仏としたものといわれています。
▼鳥居があるのは、江戸時代まで仏教と神道が混じり合っていた神仏習合(しんぶつ しゅうごう)の名残でしょう。
加藤清正を祭る清正堂
▼本堂の向かって右に寺務所があります。
▼寺務所のさらに右手に進むと石段があり、少し高いところに出ます。
▼ここにあるのが「清正堂(せいしょうどう)」です。
清正堂は、名前のとおり大名・加藤 清正(かとう きよまさ)を祭っています。
教科書でも出てくる、有名な人物です。
加藤 清正は、熱心な日蓮宗の信者でした。
その縁で、日蓮宗寺院である本栄寺でも、加藤 清正を祭っているのです。
清正堂の向かって右にはカリンの木も。
▼取材時、ちょうどカリンの実がなっていました。
▼かなりたくさん実がなるようです。
▼また、清正堂の向かって右側には「風来坊雲水碑」がありました。
鐘楼
▼清正堂の向かって左側にあるのが「鐘楼(しょうろう)」です。
鐘楼は、梵鐘(ぼんしょう)をおさめている建物。
▼本栄寺の鐘楼はとても高さがあり、高い位置に梵鐘があるのが特徴的です。
▼鐘楼の横には、小さな祠(ほこら)もありました。
清正堂・鐘楼の前からの眺め
まわりより少し小高いところにある本栄寺ですが、清正堂・鐘楼があるところは、さらに高くなっていて、美観地区のようすを眺められます。
▼また、北側を向くと阿智神社の随神門・絵馬殿・高灯籠などが見えました。
本栄寺はジャズストリートや屏風祭の会場になっている
江戸時代のはじめごろから続く歴史ある本栄寺。
そのいっぽう「倉敷ジャズストリート」や「倉敷屏風祭」などのイベントの会場の一部にもなっているんです。
どちらも本堂が会場となっています。
江戸時代中期に建てられた歴史ある本堂の中を見学できる、貴重な機会です。
ジャズストリートや屏風祭の際には、ぜひ本栄寺にも寄ってみてください。
本栄寺の御首題
日蓮宗寺院では、御朱印ではなく「御首題(ごしゅだい)」がいただけます。
▼以下が、本栄寺の御首題です。
本栄寺で御首題をいただくとき、納経料(のうきょうりょう)を納める必要があります。
ただし、本栄寺では納経料の額は定めていません。
また、住職が不在だったり、法要などがおこなわれたりしているときは、御首題の対応ができません。
なお、日蓮宗寺院で御首題をいただくときは、ほかの宗派の御朱印とは別の日蓮宗用の御首題長(御朱印帳)を準備するのが無難です。
本栄寺の御本尊や御利益は?
本栄寺はどんな御本尊を祭り、どんな御利益があるのでしょうか。
本栄寺は日蓮宗の寺。
日蓮宗の多くの寺では「大曼荼羅(だいまんだら)」を御本尊としています。
大曼荼羅は、中央に題目の「南無妙法蓮華経(なむ みょうほうれんげきょう)」の文字が書かれ、周囲に法華経本に記されている諸仏の名を書いたものです。
また御利益は、「現世安穏(げんぜ あんのん)」や「後生善処(ごしょう ぜんしょ)」とされています。
現世では穏やかに人生を過ごせ、来世では良いところに生まれるという意味です。
本栄寺の歴史
ここからは、本栄寺の歴史について紹介していきます。
本栄寺は、最初から現在の場所にあったわけではありません。
本栄寺がもともとあったのは、美観地区から南西へ約2.5キロメートルのところにある足高山(あしたかやま)の南のふもと。
このころは、蓮華寺(れんげじ)という名で、山号は妙法山(みょうほうざん)と称していました。
江戸時代初期の寛永(かんえい)12年(1635年)に、現在地となる倉敷村に移されたのです。
このとき、鎌倉・比企谷(ひきがやつ)にあった長興山 妙本寺(みょうほんじ)の僧を呼び、寺の名を本栄寺、山号を長興山に改称しました。
以来、倉敷の地で信仰を集めています。
おわりに
歴史ある古い寺でありながら、ジャズストリートや屏風祭などのイベントにも参加する本栄寺。
寺は、ふだん立ち入りにくい印象かもしませんが、イベント開催中は気軽に見学ができます。
ジャズストリートや屏風祭のときは、ぜひ歴史ある本堂や境内も見てみてください。
本栄寺のデータ
名称 | 本栄寺 |
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別名 | 長興山 |
宗派 | 日蓮宗 |
所在地 | 岡山県倉敷市本町1-41 |
電話番号 | 086-422-2844 |
駐車場 | なし |
御本尊 | 大曼荼羅 |
御利益 | 現世安穏・後生善処 |
御朱印(納経料) | あり(納経料の金額に規定なし) ※ 住職不在時は対応不可 |
拝観時間 | 日中のみ |
休観日 | なし |
拝観料 | なし |
拝観料・納経料の納め方 |
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