岡山県南西部にある矢掛町。
旧山陽道の宿場町として栄えた歴史ある町に、モータースポーツ界で国内外に知られる企業「戸田レーシング」があります。
自動車レースの世界で培った確かな技術力をもとに、近年はモータースポーツ以外の事業にも進出しています。矢掛町から世界に挑戦するものづくりを取材しました。
記載されている内容は、2026年3月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
戸田レーシングについて

戸田レーシングは1971年に現会長の戸田幸男(とだ ゆきお)氏により、倉敷市玉島にて創業しました。
創業から現在に至るまで「クルマの夢をカタチにする」を社是(しゃぜ)として、レーシングカーの開発やスポーツカー向け各種機能部品の開発をおこなっています。
近年はモータースポーツで培った技術をもとに、自動車以外の分野にも挑戦しています。
創業と「ものづくり」へのシフト

創業当初は、自社開発したレーシングカーでレース参戦しつつ、エンジン修理なども事業として手掛けていました。
転機となったのは1990年代。
F1をはじめとするモータースポーツブームで日本中が沸いていたころです。当時の社長(現会長)は、このブームがいずれ収束することを予見し、自社ブランドでの「ものづくり」を強化する方針を打ち出します。
まずは自動車の性能を向上させる部品として、エンジンの部品であるフライホイールの製造から着手しました。

その後、高性能な工作機械を導入し、エンジン内部のピストンやコンロッドといった高い精度が要求される部品へと商品ラインナップを拡大。「チューニングパーツメーカー」としての地位を確立していきます。
開発環境への積極的な投資

自社製品の開発・設計に欠かせないソフトウェアについても、業界に先駆けて3D設計システム「CATIA V5」を導入しました。
CATIA(キャティア) V5
仏ダッソー・システムズ社の開発したハイエンド3次元CAD(コンピュータ支援設計)システム。おもに自動車や航空宇宙関連産業にて使用されています。
導入当初は国内で使用しているユーザーも少なく、販売代理店から活用方法のプレゼンを依頼されることもあったそうです。
その他にも製品評価に用いる各種解析ソフトウェアを導入するなど、より充実した開発環境を整えています。
事業の多角化と一貫体制の構築

今まで培ってきた技術の集大成として、2009年に自社開発エンジン(TR-FX01)を完成させました。
このエンジンを展示会で発表したことがきっかけとなり、設計から組立までの一貫体制が認められ、自動車メーカーや部品メーカーからの受託業務(設計・製造・組立・検査)の引き合いが増えていきました。
現在では、設計・製造・組立・検査に加え、製品の性能評価までを自社でおこなえる「一貫体制」を強みとしています。

さらに、エンジンやトランスミッションの性能評価をおこなうための「試験機(テストスタンド)」や、付随するソフトウェア、電気回路の設計・製作も自社で手掛けています。

育ててくれた地域とともに
創業以来、長きにわたり拠点としてきた玉島をはじめ、岡山県内でのイベントにも積極的に出展しています。

2024年に開催された「玉島ハーバーフェスティバル」では、自社開発したフォーミュラマシンの実機展示をおこないました。

その他にも美作市にある岡山国際サーキットでのレース参戦や、真庭市で開催されたイベント「真庭速祭」への参加など、自社メンテナンスのフォーミュラマシンとともに参戦しています。

また、毎年コンベックス岡山にて開催される「おかやまテクノロジー展(OTEX)」にも毎年出展し、自社の技術力をPRしています。

戸田レーシングの今までとこれからについて、代表取締役社長の戸田憲吾(とだ けんご)さんにお話を聞きました。
株式会社戸田レーシングのデータ

| 団体名 | 株式会社戸田レーシング |
|---|---|
| 業種 | レース用エンジン及び部品の研究開発・製造・販売 自動車用部品の研究開発・製造・販売 試作車両の研究開発・製造・販売 エンジン燃焼効率・低燃費・低排ガスの研究開発 各種テストスタンドの製造・販売 インホイールモータ / オンボードモータ/e-Axleの研究開発・製造・販売 航空機部品の製造 / 産業機械の製造 |
| 代表者名 | 戸田憲吾 |
| 設立年 | 1971年 |
| 住所 | 岡山県小田郡矢掛町中640-1 |
| 電話番号 | 0866-83-1202 |
| ホームページ | 戸田レーシング |













































