岡山県内で活動する認定NPO法人ポケットサポートによると、病気やけがを理由に長期欠席している子どもは全国に約46,000人、岡山県内には小学生から高校生まで約1,000人いるといわれています。
そのような子どもたちの教育を受ける権利を保障する場が、院内学級です。
岡山県内には7施設12学級の院内学級が存在し、倉敷市美和にある公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院(以下、「倉敷中央病院」と記載)にも院内学級が2学級設置されています。
どのような教育活動がおこなわれているのか、子どもたちがどのような日々を過ごしているのか取材しました。
記載されている内容は、2026年4月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
「院内学級」とは

院内学級は、けがや病気のため、入院しなければならない児童・生徒のために病院内に設置された病弱・身体虚弱特別支援学級です。
院内学級はすべての病院に設置されているものではなく、「令和4年度病気療養児に関する実態調査結果」によると全国で340校(小・中学校225校、特別支援学校115校)のみが導入している制度です。
倉敷市内では、倉敷中央病院に2学級(小・中学校)、川崎医科大学附属病院に2学級(小・中学校)の院内学級が設置されています。
院内学級に通学する児童生徒は、転入手続きを経て入級し、治療や検査を優先しつつ、各教科の学習を進めます。学習内容は、入院前に在籍していた学校の教科書や教材に沿ったものです。また、中学生は入院前の在籍校から問題を取り寄せ、定期考査や実力考査も受けられます。
そしてほとんどの児童生徒が、退院後は在籍していた学校に復学を目指します。
復学の際に学習面で困らないよう支援することが、大きな目的です。
倉敷中央病院 院内学級の取り組み

倉敷中央病院の小児科病棟には、小学校は倉敷市立倉敷東小学校、中学校は倉敷市立東中学校の病弱・身体虚弱特別支援学級という位置付けの院内学級が設置されています。
治療を受けながら「登校」して4時間の学習
小児病棟から渡り廊下を抜けると見えてくるのが、院内学級小学校、院内学級中学校、そして保育士が常駐するプレイルームです。



子どもたちは病室からここに登校してきて、学校生活を送ります。
ただし、入院する子どもたちにとって最優先は治療です。治療のスケジュールに合わせて登校できるタイミングで院内学級にやってきて、学びの時間を過ごします。
1日の授業時間は4時間で、2026年4月現在の時間割は以下のとおりです。


通常の小・中学校で1時間目にあたる時間は朝の回診があり、昼は病室に戻って昼食をとったり体調を確認したりするため、それらを考慮したスケジュールになっています。
全員異なる学習内容
院内学級に在籍する児童生徒には、入院前に在籍していた学校がそれぞれにあります。倉敷中央病院の院内学級には、倉敷市内だけでなく岡山県北や広島県福山市など広範囲から児童生徒が入級してくるため、学習進度も、使用している教科書などの教材もバラバラです。
また、小学校も中学校もそれぞれ1学級のため、小学校は6学年が、中学校は3学年が同じ教室で学んでいます。
そのため、学習時間の多くは自習になっており、自分でドリルなどを進めたり、在籍校の授業をオンラインで受けたりしながら学習しています。
院内学級だからこそ経験できる活動も豊富

限られた学習時間のなかでは、院内学級に在籍しているからこそ経験できる活動も数多くあります。
そのうちのひとつが「元気の時間」です。
院内学級は特別支援学級にあたるため、特別支援教育特有の活動として自立活動の時間もあります。倉敷中央病院は「元気の時間」と名付けており、子どもたちが一堂に会して交流を深める活動をおこなっています。
自立活動
個々の生徒が自立を目指し、障害に基づく種々の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識、技能、態度及び習慣を養い、もって心身の調和的発達の基盤を培う。引用元:文部科学省
元気の時間での活動例は、以下のとおりです。
- 調理実習
- 本の読み聞かせ会
- 英語ふれあい活動
- コンピュータ学習
- 制作活動
- 小児科病棟行事(七夕の会、夏祭り、ハロウィンパーティー、クリスマス会、節分の会など)の準備

大原美術館や岡山県立大学など外部からの講師を招いたり、倉敷中央病院のボランティアや保育士が企画した活動がおこなわれたりと、入院中も病院の外とつながれる時間になっています。
小学校・中学校それぞれの院内学級担任に、日々の子どもたちのようすや指導で大切にしていることをインタビューしました。














































