「ロボットをつくる会社」と聞くと、どんな印象を持ちますか?
洗練された企業や、新進気鋭のベンチャー企業をイメージするかもしれません。
実は倉敷という地方にある「町工場」で、しかも50年以上続く老舗企業でありながら、海外でも活躍しているロボットシステムをつくっている企業があるのです。
その企業は「株式会社 松本鉄工 (以下、松本鉄工)」。
松本鉄工は、主に製造業の現場で導入される産業用ロボットシステム事業をおこなっている企業です。
しかも製造するだけでなく、提案・設計・製造から設置・メンテナンス・修繕、さらに既存のロボットシステムの改良まで、一貫しておこなっています。
産業用ロボットシステムをつくる松本鉄工は、どんな特徴がある企業なのでしょうか。
また、ロボットシステムはどのようにつくられているのでしょうか。
長年にわたり産業用ロボットシステム分野で活躍する、株式会社 松本鉄工について紹介します。
記載されている内容は、2020年7月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
株式会社 松本鉄工のデータ
団体名 | 株式会社 松本鉄工 |
---|---|
業種 | 製造業(各種ロボットシステム) |
代表者名 | 杉原 佑友太 |
設立年 | 設立:昭和42年(1967年)、創業:昭和40年(1965年) |
住所 | 岡山県倉敷市福田町浦田501-10 |
電話番号 | 086-427-2272 |
営業時間 | 午前8時〜午後5時 |
休業日 | 土、日、祝日 |
ホームページ | 各種産業機械設備の設計・製作・据付・メンテナンス 株式会社 松本鉄工 |
松本鉄工は産業用ロボットシステム事業を手掛ける「ロボットシステムインテグレータ」
松本鉄工は、初代の松本 一夫(まつもと かずお)氏が昭和40年(1965年)5月に、現在の倉敷市水島地区・北畝(きたせ)で創業しました。
2020年(令和2年)で創業55年になる、歴史ある企業です。
平成元年(1989年)7月には、現在の浦田の地へ移転。
平成23年(2011年)8月に、杉原 佑友太(すぎはら ゆうた)氏が代表取締役に就任しています。
創業時の主要事業は製缶、鉄工製品の製作据付。
水島工業地帯の企業などと取引をしていました。
昭和後半から平成初期ごろより、自動車産業をはじめとする製造業でロボットの導入がしだいに増えていきました。
松本鉄工では、それに合わせてロボットのメンテナンス業務も開始。
その後、ロボットメンテナンス業務だけでなく、産業用ロボットの製造業務も始めました。
しだいに産業用ロボットに力を入れるようになっていき、産業用ロボットシステムの製造・メンテナンスが松本鉄工の現在の主要事業となっています。
産業用ロボットシステムが活躍しているのは、主に製造現場です。
現在、日本の製造業の事業所が海外にも進出しています。
そのため松本鉄工の手掛ける産業用ロボットシステムは、海外でも活躍しているのです。
松本鉄工の製造する産業用ロボットシステムについて
松本鉄工は「ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer(エスアイアー))」として、ロボットを使った機械システムの導入の提案・設計・組立などをおこなっています。
一般社団法人 日本ロボット工業会にも所属。
顧客のニーズに応え、それぞれの環境にあわせた産業用ロボットシステムの提案から設計・製造・導入までを一貫しておこなっています。
また、設置後に必要なメンテナンスや修繕、改良などもおこない、ロボットシステムの導入をしっかりとサポートしているのが特徴です。
ところで、ロボットシステムの製造といわれても、パッと想像しにくいかと思います。
もしかしたら「ロボットをつくるロボットがあるのでは?」と思うかもしれません。
でも、実は松本鉄工のロボットシステムの製造は、人間による手作業を中心におこなわれているのです。
これは意外ではないでしょうか。
設計はもちろん、素材の切断・溶接・加工などから、塗装・組立、さらには納入先での設置作業まで、松本鉄工の社員が手作業でおこないます。
まさに「ロボット職人」ともいえる技術・知識を持ったプロ集団です。
産業用ロボットシステムは、主にメーカーの製造現場で用いられます。
極めて精密な作業を、一定のスピードで狂いなく何度も続けるのがロボットの強み。
さまざまな業界でロボットシステムは活躍しており、例を挙げると以下のようなものがあります。
- 自動車・自動車部品
- 電機
- 電子部品・デバイス
- 食品
- 工作機械
同じ業界で同じものを製造していたとしても、企業によって方法や環境が異なります。
松本鉄工では、それぞれの企業に合ったロボットシステムを考え、提案。
長年にわたり多くの企業のロボットシステムを請け負ってきた、松本鉄工ならではの強みです。
ITを利用した取り組み
松本鉄工では、営業職を中心に業務にITを活用しています。
営業職にはタブレット端末を支給。
そして、オンラインサービスを導入しています。
仕事で使う資料や写真などはすべてオンラインサービスで共有しており、手持ちのタブレット端末で閲覧できるようにしているのが特徴です。
たとえば会議のときや商談のとき、タブレット画面にオンラインサービスから選択した資料や写真のデータを表示して説明をします。
印刷する必要がないので、印刷の手間や印刷代金がカットでき、保管したり持ち運んだりすることもありません。
ほかのIT活用例では、書いた日報をスキャンし、デジタル化して管理するなどしています。
なお、杉原社長はタブレット端末(iPad)を利用した仕事術に大変詳しいです。
さらに自身でWebサイトを運営するなどしています。
独自の人事評価制度を導入
松本鉄工は、独自の人事評価制度を導入しています。
評価・給与査定があるのは、半年ごと。
また、昇級だけでなく降級もあるのが松本鉄工の人事評価制度の特徴です。
もし前期がうまくいかなくても、後期でがんばって取り戻すこともできます。
評価と給与額を職種別に表にしてあるので、イメージがつかみやすくなっているのもポイントです。
また人事評価以外に、資格手当があります。
松本鉄工には独特の人事評価制度があるいっぽうで、住宅手当や家族手当など、昔ながらの日本企業的手当もあります。
なお、ボーナス(賞与)は年1回です。
各個人の過去1年の成績で、ボーナスの金額は変わります。
さらに福利厚生面でめずらしい制度が、松本鉄工の顧問弁護士への無料相談です。
プライベートでの相談もできます。
ほかにも「フリフリチキン」事業を展開
松本鉄工では、主要事業の産業用ロボットシステム以外にも事業をおこなっています。
それがKahana’s(カハナズ)という飲食店事業です。
Kahana’sは「フリフリチキン」という食品を販売しています。
フリフリチキンとは、アメリカ・ハワイの名物料理で、鶏の丸焼きの一種です。
鶏肉を丸ごと専用機材に取り付けて、回転させながら焼きます。
Kahana’sの店舗は、神奈川県鎌倉市にある本店と、東京都港区の2店です。
東京は、移動販売車で営業していて、イベント出店もしています。
ほかにも、イベント向けにフリフリチキンの機材のレンタル・販売なども展開中です。
創業50年を超える老舗でありながら、ロボットシステムという最新分野で活躍する株式会社 松本鉄工。
また、人事評価制度やタブレット端末を使った仕事など、新しい取り組みも積極的です。
そんな松本鉄工の代表取締役・杉原 佑友太(すぎはら ゆうた)氏へインタビューをおこないました。
株式会社 松本鉄工のデータ
団体名 | 株式会社 松本鉄工 |
---|---|
業種 | 製造業(各種ロボットシステム) |
代表者名 | 杉原 佑友太 |
設立年 | 設立:昭和42年(1967年)、創業:昭和40年(1965年) |
住所 | 岡山県倉敷市福田町浦田501-10 |
電話番号 | 086-427-2272 |
営業時間 | 午前8時〜午後5時 |
休業日 | 土、日、祝日 |
ホームページ | 各種産業機械設備の設計・製作・据付・メンテナンス 株式会社 松本鉄工 |