2022年に続いて、2023年も10月1日から始まったくらしきアーキツーリズム。
それぞれの時代を象徴する建築物を訪ね、倉敷の歴史や文化などを建築物からひも解く新しい旅のスタイルです。
さあ、「おもいでファイル」を手に入れて、「たてものカード」を集めながら、倉敷の町の魅力を感じる旅に繰り出しましょう。
記載されている内容は、2023年11月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
くらしきアーキツーリズムとは
くらしきアーキツーリズムとは、時代を経てなお美しく魅力的な建築物を訪ね、町歩きを楽しみながらあらためて倉敷の魅力を発見してもらおうというものです。
「天領」と呼ばれる江戸幕府の直轄地であり、物資の集積地として栄えた倉敷。
美観地区は当時の面影を今に残す白壁の蔵屋敷の町並みに現代建築が共存し、絶妙なバランスで町の景観を彩っています。
美観地区に残る建築物は倉敷の町が経てきた時代や文化、人々の生活を伝えてくれます。
くらしきアーキツーリズム2023
美観地区に残る素晴らしい現代建築のなかから、2023年は3人の有名建築家が設計した建築物5棟を10枚のたてものカードで紹介しています。
3人の有名建築家
想い出ファイルを参考に3人の建築家を紹介します。
- 1884年~1965年
- 岡山県総社市出身
- 大原孫三郎(おおはら まごさぶろう)とともに倉敷のまちづくりに大きく貢献。倉敷の「風景を創り出した建築家」とも言われている。
- 大原美術館本館や有隣荘、第一合同銀行 倉敷支店(旧・中国銀行 倉敷本町支店)など、倉敷伝建地区(倉敷市伝統的建造物群等保存地区)を代表する多くの建造物の設計に携わる。
- 1884年~1963年
- 和歌山県新宮市出身
- 大正10年に自由と学芸尊重、男女平等の思想に基づく私立学校「文化学院」を創立。大正デモクラシー期を代表する文化人の一人で建築家で陶芸家、画家、教育者でもある。
- 倉敷市に残る日本最古の保育園、若竹の園保育園舎(国登録有形文化財)、旧林家住宅(現・西口邸、国登録重要文化財)などを設計。
- 1913年~2005年
- 大阪府堺市出身
- 「世界のタンゲ」と言われ日本人建築家としてもっとも早く海外でも活躍。モダニズム建築を得意とし、公共施設など大規模建築を数多く手掛けた。
- 広島平和記念資料館、香川県庁、東京カテドラル聖マリア大聖堂、東京オリンピック国立屋内総合競技場(現・国立代々木競技場)などを設計。
今回の対象建築物
今回は1923年から1960年の間に薬師寺主計、西村伊作、丹下健三が設計し建築された5か所です。
たてものカード
5棟の建築物それぞれを紹介するカードで、1棟につき外観・内観の写真に建築物の特徴やエピソード、注目点などが紹介されています。
内観・外観のカードの裏面には1963年と2005年の建築物周辺の鳥瞰図が描かれていて、町の変化が確認できるようになっているのです。
カードは美観地区の5か所で無料配布されています。
- 大原美術館 本館(入館券売場横:手荷物預かり所)
- 有隣荘(語らい座大原本邸受付)
- 喫茶エル・グレコ(店内カウンター)
- 倉敷教会(喫茶入口前)
- 倉敷市立美術館(3階事務所)
おもいでファイル
3人の建築家の情報やまちあるきマップなど、町歩きに役立つ情報が紹介されたファイルです。
12あるクリアポケットにはたてものカードのほか、チケットや絵はがきなど旅の思い出も一緒に収納できます。
ファイルの中のQRコードを読み取れば、倉敷市の鳥瞰図や旧町名地図につながり、町歩きを楽しむための豆知識を得られます。
すべて手作りでとてもキュートなおもいでファイルは1冊500円。
500冊限定で美観地区の5か所で販売されています。
- 観光案内所(倉敷館)
- 倉敷物語館
- 喫茶シャロン(倉敷教会内)
- 大原美術館ミュージアムショップ
- 喫茶エル・グレコ
アーキツーリズムの楽しみ方
2023年のくらしきアーキツーリズムは、昭和初期から戦後の倉敷の町の移り変わりを見てもらおうと選ばれた5棟です。
歩いて回れるところばかりなので、美観地区全体も同時に散策できます。
このプロジェクトに携わる倉敷市観光課主事の宇多川一輝さんは、以下のように話していました。
「普段は気にかけない建築物の細部まで楽しみながら、倉敷の町が古いものだけを重んじるのではなく、町全体の調和を図りながら新しいものを取り入れ発展したようすを感じてもらえればと思います」とイベントの広がりに期待を寄せています。
おわりに
筆者が大学生のときに初めて訪れた倉敷美観地区。
白壁の町並みをワクワクしながら散策したことを思い出します。
石造りとばかり思っていた大原美術館がなぜ鉄筋コンクリートで造られたのか、有隣荘は何のために建てられどんな役割を果たしていたのか、そのときは知らずに見て回っていました。
建築物に秘められたエピソードを拾い上げながら美観地区を見てみると、それぞれの時代や当時のようす、人々の暮らしぶりまでさらに深く倉敷の町を感じられるような気がします。
建築物は饒舌に町を語ってくれます。
建築界の匠が、細部にまで思いを込めた建築物から、改めて倉敷の魅力を発見する旅をしてみませんか?
さあ、おもいでファイルを手に、たてものカードを集めながら町歩きを楽しみましょう。
くらしきアーキツーリズム2023は、2024年1月31日まで開催しています。
くらしきアーキツーリズム2023のデータ
名前 | くらしきアーキツーリズム2023 |
---|---|
期日 | 2023年10月1日~2024年1月31日 |
場所 | 倉敷美観地区 |
参加費用(税込) | おもいでファイル 1冊500円(税込) ※500部限定 たてものカード(無料) |
ホームページ | 「アートのまち倉敷」実行委員会 事務局(倉敷市観光課) |