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横田裕子さんへインタビュー
倉敷市ボートレース事業局 ファンサービス係に所属する横田さん。
ボートレース場へ訪れるひとへイベントを企画、運営するなど仕事は多岐に渡ります。
インタビューは2022年9月の初回取材時に行った内容を掲載しています。
来場者に喜んでもらうための仕事
グルメのPRは横田さんの仕事ですか?
横田(敬称略)
今年(2022年)ボートレース事業局に異動してきたばかりで何ができるかと考えて、グルメの看板を作りました。
施設に入場しても、どこで食べるかの情報がまったくなくて。
公式ホームページにもありませんでした。
グルメ看板を作るために、まずは現場を知ろうと、食堂のグルメを食べて店のひととお話ししました。
グルメに力をいれたキッカケはありますか?
横田
ボートレースの予想会に、ある芸人さんが来られていて、しきりに「おいしい中華そばを食べたんだよ」って言っていたんです。
そんなにおいしいの、有名なの?じゃあ食べに行かなきゃ!と思って食べました。
それがキッカケですね。
以前からグルメのPRをしないといけないと職員から話が出ていました。
でもそもそも食べたことがないひとがPRなんてできないと思って、全店舗めぐりました。
私がグルメに力をいれていたら、「新メニューできたよ」と食堂のかたもがんばってくれ始めて。
すずらんさんではカツ三兄弟ができて、別の店舗ではデミカツ丼が生まれました。
辛い唐揚げ、キムチ味の唐揚げを作った店も。
食堂全体が、だんだんおもしろくなってきました。
石井由美さんへインタビュー
施設にある食堂のひとつ、「すずらん」の店長 石井さん。
インタビューする筆者までニコッとなるほど、笑顔いっぱいに話してくれました。
店長になって生み出したインパクト大なメニュー
店長になってから長いですか?
石井(敬称略)
2年前(2020年)に店長になりました。
私は二代目ですね。
前の店長が切り盛りしていたときは、お弁当とカレーの2本立てでした。
私が店長になってから、それまで提供していたカレーに加え、ラーメンを追加しました。
そのときに、目を引くメニューがひとつあればおもしろいかなと、カツカレーラーメンを作ることに。
一番値段が高いメニューなんですけど、意外と注文されます。
私自身、歳を重ねるとカツって胃がもたれるんですけど、ラーメンにいれると不思議と食べられちゃうんですよね。
カツが思った以上に大きくて驚きました。このボリュームで870円は安いと思います。
いっぱい食べてほしいですからね。
ボートにお金をかけるから、食事は少しでも安くと、ギリギリの値段でがんばっています。
幸運を引き寄せる「引き寄せカレー」
一番人気のメニューはなんですか?
石井
カツカレーですね。
どの層からも人気ですね。
やっぱり縁起をかつぎたいひとが多いので。
ボートレース児島の公式Twitterの中のひとが、店のカレーを食べて舟券が当たったひとを見て「引き寄せカレーだね」と言ってくれて。
さっそく手書きのポップを作って、中のひと公認の引き寄せカレーとして宣伝しました。
あるとき、私が店のSNSで「岡山住みます芸人の江西あきよしさんが撮影されている」ってつぶやいたんです。
私はずっと前から江西さんのファンでして。
ボートレース児島では倉敷ケーブルテレビの番組「はなまるPARK 児島DE遊ぼ~と」を持っています。出演者は岡山住みます芸人の江西あきよしさん。
すると、倉敷ケーブルテレビのかたがつぶやきを見てくださって、江西さんと引き合わせてくださったんですよ。
願いは叶うんだって思いました。
店に撮影に来てくださったとき、引き寄せカレーを見て「うちのテレビとコラボレーションカレーを作ってくださいよ」と言われて。
すぐにコラボレーションカレーを作りました。
工夫から生まれたWin-Winメニューとサービス
コラボレーションカレーは「ダムカレー」ですよね。生まれた背景は?
石井
もともと提供していたチキンカレーは辛口をうたっています。
おいしいんですけど、辛口って万人に受けるわけじゃないんですよ。
安定して注文されるビーフカレーとは違って、チキンカレーは日によって売れ行きが違います。
売れる日に合わせるとフードロスになるし、少なくすると足りなくなる。
チキンカレーの根強いファンもいらっしゃるので、なくすわけにはいかない。
そこで私の子どもが家でカレーを2種類がけすることからヒントを得て、人気のビーフカレーとあわせて提供しました。
他にもフードロス対策をしていて、レース最終日の平日にサラダサービスをしています。
サラダが余っちゃうんです。
でもサービスすれば、お客さまにも喜んでもらえるし、廃棄しなくてすみます。
1つのレースは1日では終わらず、連続した数日間で行います。
お客さんに育ててもらっている店
宣伝しようと思って、看板に引き寄せカレーを手書きで書きました。
すると、お客さまが「看板がいいね」とSNSで発信してくださって、フォロワーも増えて。
手書き看板を見て、声をかけてくださることも。
お客さまに喜んでもらえて、やりとりも生まれました。
お客さまに教えてもらったんですけど、当店は唯一店内からレース場が見えるんです。
じゃあそれをアピールしようと思いました。
カレーの甘口があるから子ども連れにもいいよ、ともお客さまから教えてもらいました。
うちの店はお客さまに教えてもらって、育ててもらっているんですよ。
石井さんの仕事に対する想い
お客さんにどのようにお店を楽しんでいただきたいですか?
石井
安い値段で食べてお腹いっぱいになって帰っていただけたら。
ボートレースに勝っても負けても、レース場に行ってよかったなって思ってもらえれば。
賭けごとをするだけよりも、SNSで知り合いになった店に行ってお話をして、楽しかったなって思ってもらえればうれしいですね。
ファンサービス係ができて、横田さんの声かけで、ちょっとずつ場内の店が変わってきています。
横田さんの働きで、今まで以上にみんなで盛り上げようという流れになりました。
いろいろなお店が新メニューを考えているのを見ると、私もうれしくなりました。
新しい取り組みをどんどんして、みんなで同じ方向に向かって行って、すごく楽しいですね。
心がけていることはありますか?
石井
ずっと笑顔で仕事をしています。相手に笑ってほしいから。
相手が笑ったから自分も笑うんじゃ遅いですよね。
まずこっちが笑わないと。
休みの日はパワースポットや山登りをしています。
幸せの引き寄せ体質になりたいんです。
自分が引き寄せて、周りのひとが幸せになればいいなと思っているので。
舟券が当たったり、いいことがあったりするといいなって思います。
おわりに
倉敷市職員の横田さんとすずらんの石井さんの話を聞き、レースだけでなく、グルメに力をいれていると知りました。
お客さんに喜んでもらうために工夫しているお二人をとおして、ますますボートグルメが気になりました。
食堂、売店、屋台と大きく3つのグルメがあるボートレース児島。
記事内では、食堂は5つのうち3つしか紹介できませんでした。
まだまだおいしいメニューがある予感がしますね。
意外かもしれませんが、賭けごとをしなくても食事だけを楽しんでも問題ありません。
ただ、グルメ目的のみの来場でも、入場料の100円は必要なのでお気をつけください。
気になったかたはボートグルメを楽しみに行ってくださいね。