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須山さん夫婦へインタビュー
斎館を運営する倉敷光作所・特殊光作員の須山恭安さん・寛子さん夫婦に、改修した経緯や運営への思いをインタビューしました。
建物を壊してほしくなくて、改修・活用を直談判した
斎館をオープンした経緯について教えてください。
須山恭安(敬称略)
この建物を私たちが改修する前は、阿智神社が管理・運営していました。
神職のかたも住んでいたのですが、空き家になるということでイベント会場として利用させてもらっていたんです。
当時から「立派な建築物だなあ」と思い、たびたび使わせていただいていました。
ただ、建物が古くなり、シロアリの被害もひどかったので、取り壊しの話も出ていたようですが、「こんな立派な建物、壊してしまうなんてもったいない!」と思ったんです。
「直せないかいろいろと調べてみるから、修復を任せてくれないか」と直接お願いしました。
須山寛子(敬称略)
改修の方法を調べ始めましたが、想像以上に建物の老朽化が進んでいたんです。
よくわからないところから水が漏れていたり、シロアリの被害も想像以上に大きかったり……。
結局、1階の半分以上の壁や床ははがさないといけないとわかったんだよね?
須山恭安
そうそう、「自力で改修するのは無理だ」と。
業者に頼みたいけど資金的にむずかしかったのもあって、倉敷市の「倉敷まちづくり基金」に申請することにしました。
須山寛子
申請するときに「何を目的に改修するか」を書く必要があったので、以前からやりたかったコワーキングスペースにしよう!とすぐに決まりました。
さらに私が希莉光あかりを作っていたので、作家が集まって創作できる場があればいいなと思いまして。
だからコンセプトが「ものづくり作家が集まる」なんです。
斎館にいると、アイデアがたくさん思い浮かぶ
寛子さんの活動拠点にもなるから、夫婦で運営することになったんですね。
須山寛子
そうなんですよ。
ここ、すごく静かでしょ?ちょっと外を歩けば美観地区や阿智神社といった、人が多い場所がたくさんあるのに。
斎館だけ非日常な空間なんです。
非日常の空間から窓の見える外の景色を眺めていると、希莉光デザインのアイデアがたくさん思い浮かぶんですよ。
だからものづくりをする人たちに使ってほしいなと思って、コンセプトにしました。
須山恭安
本当にすごいんですよ!どんどん作品が進化していて。
ぜひいろいろな人に、斎館での非日常を味わってほしいですね。
改修は、ほとんど自分たちの手で
ふたりにとって特別な場所なんですね。老朽化の話をうかがう限り、修復はかなり大変そうだと思ったのですが……。
須山恭安
それが、かなり楽しくて!
業者の人でないとできないところはもちろんありましたが、それ以外はふたりでほとんど壊したんです。
「やるぞー!」って言いながら、思いきり壁を壊していきました(笑)
改修をしていた2020年6月から9月は、新型コロナウイルス感染症の影響で好きな旅行にもなかなか行けず……。
いいストレス発散になりました。
須山寛子
玄関やキッチン全体の床や壁は、ほとんど修復しています。
全体的に外の景色が見えて明るくなるように、廊下側の壁はすべて取りました。
須山恭安
窓がついている壁とは反対側の壁も、こだわりました。
この石垣は本物で、もともとあるものなんですよ。
石垣を生かしたデザインにしようと、壁や床を修復しました。
見た目はシンプルだけど、思い入れがありますね。
もともと1階と2階のつくりが違うのですが、1階のみ改修したことでさらに違いがわかるようになりました。
ぜひ実際に来て、確かめてみてください。
建物に詳しい人にも、楽しんでいただけるつくりだと思います。
ワークショップ 子どもたちが夢中に!
普段はどのような人が利用していますか?
須山恭安
テレワークで使う人もいますが、メインはものづくりをしたり、ワークショップをしたりと利用いただいています。
とくに今は修学旅行の予約が多くて、学校単位で受け入れているんです。
2階の和室は20人くらい入れるので、人数が多い場合は時間をわけて来ていただいています。
修学旅行は岡山県以外に行ってはいけないと決まりましたからね……。(2021年8月現在)
県内にいても、少しでも特別な体験や、非日常を味わう機会になればうれしいなと思っています。
子どもたちの反応はいかがですか?
須山恭安
みんな夢中ですよ。
作るときも楽しそうですが、あかりをつけたときはとくにテンションが上がっています。
よほど楽しかったのか、後日、お母さんを連れてワークショップに来たり、岡山市内から卒業旅行で仲良しの友達と再び来たりしたお子さんもいらっしゃいました。
あれはうれしかったですね。
須山寛子
実は倉敷物語館をはじめ、斎館以外の場所でもワークショップをおこなっています。
なかなか出かけられない時期が続きますが、少しでも楽しんでもらえる機会が増えたらいいですね。
最新作は3人の合作。構想期間は1年!
ちなみに、最新の作品はどれですか?
須山恭安
2階にある、ホタルがデザインされている希莉光あかりです。
これ、構想1年・製作期間6ヶ月なんですよ。すごいでしょ?
須山寛子
倉敷光作所のメンバー3人の合作なのですが、ホタルのおしりが本物みたいに光るよう設計されているんです。
デザインの美しさはもちろん、光るタイミングをプログラミングするなど、すべてイチから手作りしています。
時間がかかった分、納得できる自信作になりました。
やってみたいことは、次から次へと
今後やってみたいことはありますか?
須山恭安
直近でいうと、2021年秋に「幻想あかり 斎館」を開催しようと思っています。
前回は夏に開催しましたが、夜が長い秋や冬のほうがこのイベントは楽しめるんですよ。
2021年秋に開催予定の「幻想あかり 斎館」は、新型コロナウイルス感染症の状況により、中止の可能性があります。
秋に向けて希莉光あかりの新作を作っているので、楽しみにしていただきたいです。
須山寛子
やりたいことは次から次へ思いつくんですけど……、作品自体をさらに進化させたいと思っています。
斎館の空間の力を借りて、浮かんだアイデアはどんどん形にしたいと思います。
おわりに
斎館は、古民家ならではの木のぬくもりが感じられるコワーキングスペース。
ぬくもりを感じられるのは、木造だからという理由だけではありません。
空間のあちらこちらに飾られている希莉光あかりや切子ちょうちんのあたたかさが、より非日常を演出しているんだと思います。
古民家・希莉光あかり・周辺の自然・静かな空間など、斎館には他では味わえない場の力を感じました。
作家でない人たちにとっても、新たなアイデアが思いつきやすい場所なのかもしれません。
また互いを尊敬し合っている、須山さん夫婦の関係性も素敵です。
たまには場所を変えて、非日常空間で仕事をしてみませんか?
ものづくり作家が集まる~コワーキングスペース斎館のデータ
名前 | ものづくり作家が集まる~コワーキングスペース斎館 |
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所在地 | 倉敷市本町11-37 |
電話番号 | 090-3375-0464 |
駐車場 | なし ※車の場合は、美観地区周辺の駐車場へ ※阿智神社駐車場は利用不可 |
営業時間 | 午前9時~午後5時 |
定休日 | 不定休 ※貸切利用・臨時休業等の場合、コワーキングスペース利用はできない ※スケジュールはホームページやFacebookでお知らせ |
利用料(税込) | 【会員プラン】 ■一般プラン ・梅:3,000円/日 ・竹:7,000円/月 ・松:10,000円/月 ・極上松茸:100,000円/年 ■学生プラン ・小梅:1,500円/日 ・たけのこ:3,500円/月 ・若獅子:5,000円/月 その他、貸切利用料金もあり |
支払い方法 |
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予約の可否 | 可 ※貸切利用は1週間前までに要予約 |
Wi-Fi | あり ※追加料金なしで利用可能 ※カフェ利用の場合なし |
電源 | あり ※追加料金なしで利用可能 |
利用可能備品 | |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | |
バリアフリー | 建物内に階段や段差あり |
ホームページ | コワーキングスペース斎館 |