家族で力を合わせて続けていく。「えびす饅頭」店主、島村稔さんインタビュー
インタビューは2020年3月の初回取材時に行なった内容を掲載しています。
倉敷美観地区の食べ歩きといえば「えびす饅頭」というイメージがあります。お店はいつ頃からあるのですか。
島村
う~ん、戦前くらいからじゃないですかね。あまりよく知らないんですよ。
というのも、私はもともとお店をやっていた人とのつながりがあるわけじゃないんでね。
血縁関係で代々お店をされている、というわけではないのですか。
島村
それが違うんですよ。
もともと「えびす饅頭」を考案されたかたがいて、始めは甥っ子にお店をさせていたんです。
そのあと考案者の息子さんが受継いで。
その息子の奥さんと私の家内が姉妹だったので、その縁でお店をやることになったんです。
もう20年になるかなぁ。
えびす饅頭は粒あんのみの1種類ですよね。それはなぜですか。
島村
初代(えびす饅頭のレシピを考案した人)が「絶対に変えてはいけない」と仰っていたそうなんです。
作り方もずっと同じ、形も大きさも、あんこも手作りの粒あん1種類のみ。
「絶対に美味しい」という自信の現れだと思います。
1種類だけで勝負できるから、変える必要がないんです。
饅頭作りから自家製粒あんまで、すべてご家族でされているのですか。
島村
私と、いまは娘(ご長男の奥さま)が一緒にお店を回しています。
あんこの仕込みは親戚の者がしているし、知り合いの娘さんに手伝いに来てもらったり。
私も今年(2020年)で78歳になるし、身体もきかなくなってきたから、家族で力を合わせていきたいですね。
娘にはぼちぼち、無理をしないでやってもらいたいです。
夏期のお休み中は、何をされているのですか。
島村
陶芸が趣味なので、ずっと好きなことをしています。
家内が書道の先生なので、60歳、70歳のときに陶芸と書道の二人展をやりました。
これからはちょっとゆっくりできたら良いと思っています。
えびす饅頭がいつもそこにある、かけがえのない風景
「長くお店が続くと良いですね」
「いつまでも続けてください」
時に軽々しくこの言葉を使ってしまいがちですが、お店側がその気持ちに応えることは、なんて大変なことなんだろう、と思います。
えびす饅頭の不思議な縁は、「店を続けていこうとした努力」があってのことなんだなぁと感じました。
そして、焼きたてを頬張り、おしゃべりをし、楽しそうに行き交うお客さんの姿も印象的でした。
その姿は、何年も長い時間をかけて作られた、かけがえのない風景なのですね。
私もまた、阿智神社の西参道すぐそばにある、あんこたっぷりのえびす饅頭を食べにでかけたいと思います。
えびす饅頭のデータ
現在は「1個100円」です。
名前 | えびす饅頭 |
---|---|
住所 | 岡山県倉敷市阿知2-16-37 |
電話番号 | 090-2800-6827 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 午前10時~午後4時30分 |
定休日 | 月 ゴールデンウイーク後から9月30日まで休業 |
支払い方法 |
|
予約の可否 | 可 |
座席 | |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | |
子育て | |
バリアフリー |