インタビュー
髙田織物株式会社の代表取締役、髙田尚志(たかた なおし)さんに話を聞きました。
なお直営店FLATを作った理由などについては、髙田織物株式会社のインタビューで聞いています。
▼詳しくは、以下の記事を見てください。
FLATのお店について
FLATという店名の由来はなんですか?
髙田(敬称略)
3つあります。
1つ目は、1号店である児島本店が1階建で、英語で1階建の平屋住居を「flat」ということ。
2つ目は、「ふらっと」立ち寄ってほしいというシャレ。
3つ目は、畳縁の品質にかかわることです。細幅の織物は表面がポコポコしやすく、クオリティの高い織物のことをフラットというんです。
これらをふまえて「FLAT」という名前になりました。
倉敷美観地区店においても、「ふらっと立ち寄ってほしい」と思っています。
倉敷美観地区店がこの場所にできた理由はなんでしょうか?
髙田
もともとこちらの建物には、フランスの輸入雑貨専門店が入っていました。
フランスで日本ナイズした生活を送る人のことを「タタミゼ(tatamiser)」っていうんです。
今でもInstagramで「tatami」と検索するとフランスで柔道をしているかたがたの写真がたくさん出てくるぐらい、畳という言葉はフランスと関連が強いんですね。
それで、そのフランス輸入雑貨店で髙田織物の商品も少し置かせてもらっていたんです。
後に、ここでお店をしてみませんかと提案いただき、FLATをオープンしました。
商品について
続いて商品について教えてください。手のひらポーチはどのようなものでしょうか?
髙田
手のひらに収まるサイズの、マチありポーチです。
畳縁2種を縫い合わせていて、裏張りが有るものと無いものがあります。
持っていただいたらわかるのですが、軽くて、耐久性があって。
用途を限定せず日常で気軽に持ち運べます。
畳縁鮫はどうやってうまれたんですか?
髙田
畳縁鮫は、地元の作家さんが考案し作っていらっしゃる商品です。
もともとこの鮫は、背面も全部デニムでした。
児島の海沿いには、ジーンズのメーカーがたくさんあります。
そこを「ジーンズのベイ(Bay = 湾)」と呼んで、ジーンズベイにあるもので作った「ジーンズベイ鮫→ジンベイザメ」というシャレから始まったものです。
その後、「児島の繊維製品をぎゅっと詰めこもう」ということになり、畳縁鮫が生まれました。
児島は学生服の生産が盛んな街です。作家さんの作品には、学生服の生地で作られた「ガッコウクジラ」もいるんですよ。
ご祝儀袋の開発由来を教えてください。
髙田
最初は髙田織物のアイディアではありません。
畳屋さんが少量作っていらっしゃるのを見て「これはいいな」と思い、相談して商品化しました。
畳縁の柄にはいろいろな意味合いがあるので、どの柄にするか渡す相手のことを思いながら選べます。
たとえば合格祝いならだるまの柄が喜ばれるかもしれないし、お店をオープンした相手だったら招き猫がいいかもしれない。
ご祝儀袋も畳縁と同じように、柄で意味づけを変えられるのがおもしろいと感じています。
畳縁の「縁」はご縁の「縁」。幅もぴったりで、畳縁の部分は受け取ったかたが本のしおりとして使えます。
FLATの想い
FLATで大切にしていることはなんですか?
髙田
作り手の想いをきちんと伝えることを、大切にしています。
物を作っているメーカーが直接運営しているお店なので、素材だけが一人歩きしていくのではなくて、よくわかっている人たちが伝えられます。
FLATが目指すことはありますか?
髙田
畳縁が、これからも人々の生活のなかに自然とあり続けてほしいと願っています。
そのためにも、いろいろな畳縁があることを知っていただけるよう伝えていき、みなさまのお役に立てたら。
畳縁の認知と価値の向上を目指しています。
それが畳に返ってくれば、よりうれしいですね。
畳縁ハンドメイドに挑戦
ふだんはハンドメイドから遠ざかっている筆者が、畳縁でのリボン作りに挑戦してみました。
作ったのは、レシピに「はじめてさんも!かんたん!」と書いてあった「縁結びのリボン」。
レシピに従い、畳縁を25センチメートルの長さに切り、ヘアゴムと両面テープを用意しました。
「縁結びのリボン」は、縫う部分は少しだけ。
おおまかにいうと、折って両端を少し縫って切れば、ひっくり返して結んで完成です。
レシピには、ミシンの場合に推奨するミシン糸と針の号数、手縫いの場合に推奨する縫いかたとその図説も掲載されています。
筆者は手縫いでチャレンジ。
針を刺すのに力がいるのかなと想像していましたが、すいすいと縫えました。
手でキュッと抑えると型がつくので、折る作業がしやすいのもうれしいポイントです。
久しぶりの裁縫でも、簡単にリボンが完成!
楽しかったので、次は別のレシピで作ってみたいなと思いました。
カラフルで楽しい畳縁に出会おう
身近にあっても意識することが少なかったかもしれない、畳縁。
実はその多くが倉敷で作られていて、畳縁の世界はぐんぐんと広がっています!
独特のツヤ感と手触りは心地よく、軽くて丈夫で、きれいでかわいい色柄がいっぱい。
日常使いに、お土産に。きっと惹かれるものが見つかるのではないでしょうか。
軽くて壊れにくいのは、お土産にうれしいポイントです。
130円ほどの気軽に渡せるものから、特別な人へのプレゼントに使えるものまで揃っています。
食べものではないお土産を探しているかたは、ぜひ立ち寄ってみてください。
カラフルで楽しい畳縁に、出会いませんか。
FLATのデータ
名前 | FLAT |
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住所 | 岡山県倉敷市中央1-4-16 (日本郷土玩具館内) |
電話番号 | 086-435-0014 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 午前10時~午後5時 ※新型コロナウイルス感染症拡大対策のため営業時間を短縮中 |
定休日 | なし 年末年始 |
支払い方法 |
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ホームページ | FLATネットショップ(高田織物) |