毎週金曜日午後3時から午後7時に放送中の「週刊くらしきハッピーレディオ」。
「マングローブ植林プロジェクト」というコーナーでは、番組MCのチャーリー大谷が実際にフィリピンに出向き、現地のマングローブのようすや植林について伝えています。
カネパッケージ株式会社様の協力。そして、フィリピン環境省の指導のもと、FMくらしきはマングローブを植林する活動をスタート!
2025年2月28日に放送された、第4回マングローブ植林プロジェクトを紹介します。

この記事は株式会社エフエムくらしきによる寄稿記事です。一般社団法人はれとこ編集部が再編集し、公開しています。
記載されている内容は、2025年6月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
マングローブ植林プロジェクト
FMくらしきが取り組むマングローブ植林プロジェクト。
海岸線の保護や生態系の維持に重要な役割を果たす「マングローブ」の減少を防ぐために、カネパッケージ株式会社(以下、「カネパッケージ」と記載)と連携しながら活動しています。
- 第1弾:2025年2月7日放送
- 第2弾:2025年2月14日放送
- 第3段:2025年2月21日放送
フィリピンのオランゴ島にある広大なマングローブ林。そこでマングローブの研究をしている、マングローブ博士のアブナーさんに取材しました。
日本人スタッフの小野寺さんの翻訳を頼りにしつつ、アブナーさんの話を聞いていくと、マングローブの知られざる生態と、私たちにもたらす恩恵が見えてきました。

マングローブは潮の満ち引きでどれくらいのストレスがかかるのか
アブナーさんは以前、埼玉大学でマングローブの研究をしていました。大学時代は「マングローブと環境ストレスの関係性」という研究テーマで勉強していたと話します。
アブナーさんが特に注目していたのは、「潮の満ち引きによってマングローブにどのくらいのストレスがかかるのか」という点でした。

アブナーさん(小野寺さんの翻訳)
マングローブにも種類があって、特にセブでは「Rhizophora(ライゾフォレックス)」という品種が多いです。その品種で研究をおこなったところ、マングローブを長時間水に浸けると強いストレスがかかることがわかりました。ライゾフォレックスは特に塩水に弱く、8時間以上つかってしまうと、植えた地点で死んでしまうんです。
そのような研究結果をふまえて、マングローブを植える際には、長時間水につからない場所を選ぶことが非常に重要だそうです。潮の満ち引きのバランスが良い、適切な場所に植えられたマングローブは、生存率が上がって、10年物へと育っていきます。
マングローブ博士が考える、植林のメリットとは
マングローブを長年研究しているアブナーさんに、マングローブ植林のメリットについて尋ねてみると、大きく三つの効果があることを教えてくれました。

アブナーさん(小野寺さんの翻訳)
まずは、台風のような強い風から保護してくれる役割があります。フィリピンのように台風の多い地域では、密集したマングローブ林が災害の被害を防いでくれるんです。
次に、小さな海の生物にとって、マングローブの根っこが安全な場所であること。マングローブの根の下は、小さい魚やカニ、エビにとって、外敵から身を隠せる唯一の場所となります。マングローブがないと、小さな生き物の生存率は低くなってしまうため、マングローブは豊かな海の恵みを育むうえで欠かせない存在です。
さらに、最近の研究では、マングローブは他の木と比較して、最大5倍以上の二酸化炭素を吸収することがわかりました。マングローブを植えることで、より空気が浄化される効果が期待されています。
小野寺さんからは、「現在はめったにないですが、マングローブの根を薬として利用する地域もあるそうです」と教えてもらいました。

現地の人々にとってマングローブは、生活に密着した存在なのですね。
この後は、オランゴ島で最初にマングローブが植えられた場所に向かいます!
おわりに
FMくらしきでは、国際連合が掲げる方針「SDGメディア・コンパクト」に参画しており、放送している番組とSDGsで掲げられている17の目標の関連を明確にして、持続可能な開発目標の推進に力を入れています。
マングローブ植林プロジェクトは、SDGメディア・コンパクトに基づく番組でもあり、現在も進行中です。
「週刊くらしきハッピーレディオ」のゲストさんで、車で来られたかたがいらっしゃれば、1台につき1本の植樹。
そして、1個500円の缶バッジをご購入いただいた場合、1個につき1本の植樹をおこなっています。缶バッジは2025年2月の時点で、80個ご購入いただきました!
今後も地域の皆さまに役立つ情報をお届けしてまいります。
「マングローブ植林プロジェクト」は、Spotifyからもご視聴いただけます。