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ぐらすたTOMO ~ 多彩でかっこいい吹きガラスをつくるガラス工房

ぐらすたTOMO ~ 多彩でかっこいい吹きガラスをつくるガラス工房

買っとこ / 2022.10.20

水口智貴さんインタビュー

ぐらすたTOMO 水口智貴さん

インタビューは2019年7月の初回取材時に行なった内容を掲載しています。

IGUSA GLASSの開発で苦労したことはなんですか?

水口

ガラスで新たに色を作るのは、けっこう大変なんです。

それでも「他でできないことをやろう」という思いで、投資し炉を設計し直し、1年以上実験を繰り返しました

薬品がかったような見た目になってしまって、熔かしても熔かしても廃棄するしかなかった時期もあります。新しい取り組みなので、相談できる相手もいません。

い草の燃やし方や燃やす道具、配合なども手さぐりでやってきて、ようやく安定して作れるようになりました。

こだわりを教えてください

水口

IGUSA GLASSは価格を抑えていますが、作品の精度は厳しい基準で見ています。

シャープなイメージを目指していて、かっこいいことに重きをおいてやっていますね。

吹きガラスは、薄いものほど作るのが難しいんです。でも、たとえばコップは薄いほうが味を邪魔しないといわれますし、僕自身がコップを選ぶとしたら絶対口の薄いものを使いたい。

気に入らないものは、売りたくない。妥協したくなくて、厚みや全体の重さなど厳しくチェックしています。

ぐらすたTOMO IGUSA GLASS

水口さんにとって、IGUSA GLASSはどんな製品ですか?

水口

IGUSA GLASSは、僕の作品としてではなく、工房の製品として制作しています。僕も作るし、スタッフも作る。サインも入れていません。

ゆくゆくは、他の工房にも作ってもらうことを考えています。

他の工房に?

水口

吹きガラス工房は、ガラスを熔かす窯を維持するだけで月何十万もかかるんです。ずっと火を絶やせないので。

僕が工房を始めたのは25歳のときだったんですが、販売ルートもないし、個展させてもらえるギャラリーも少ないし、お金だけは飛んでいくし。

立ち上げはできても、維持するのが難しいんですよ。

毎日作っても、それが売上になるかはわからない。

でも注文品があって、その分は作ったらお金になるというパターンができれば、全然違います。僕が工房を始めたときは、正直それがめちゃくちゃほしかったです。

ぐらすたTOMO 水口智貴さん

IGUSA GLASSを他の工房に注文できるようになって、若手の人が独立するときの手助けになる商品にできたら、嬉しいと思います。

のちのち、ですけど。まずは、IGUSA GLASSの売り場所を増やしていきたいです。

倉敷の特産品として、認めてもらえるようになればと思います。さらに、岡山のガラス、日本のガラス、となっていけば面白いですけどね。

ぐらすたTOMO

吹きガラス作家ってどんな仕事なのでしょう?

水口

仕事内容としては、めちゃくちゃきついです。

不安だらけですし、お金にはならないし、夏はすごく暑いし、休みもありません。

倒れる寸前まで仕事をしますから、人には「やめたほうがいいよ」って言いますね(笑)。

吹きガラスを仕事にしてみたいという人でも、1週間きつい仕事を体験したら、ほとんどは続きません。それでもやりたいって人は続けられると思います。

僕はものづくりが好きなので、制作は苦になりません。

でも、売るのは難しいし下手ですね。役割分担して、売るプロに任せるのを軸にしています。

ぐらすたTOMO

平成30年7月豪雨災害の際には、寄付を募ったと聞きました。

水口

実はここの工房も、7~8年前に台風による川の氾濫で膝下くらいまで水没したんです。1ヶ月半、営業停止しました。

その時に助けてくれたのが、作家仲間でした。知らない間に募金を始めてくれてて、お金をまとめて持ってきてくれて。助けてもらったおかげで、今があります。

平成30年7月豪雨災害では、知り合いも、あるガラス工房も被災しました。真備以外でも大きな被害があって。

近所の土砂崩れ現場や真備で作業手伝いもしましたが、「他にもなにかできないか」とガラス工房と自営業の友人にむけての募金をスタートして、渡しました。

協力してくださる方が多くて、ありがたかったです。

ぐらすたTOMO 金魚

最後に、今後の目標を教えてください。

水口

IGUSA GLASSのラインナップは、一輪挿しや小鉢も検討しています。ウエディング関係のものもできたらと考えています。

余裕ができたら、照明をつくろうかなと。ガラスでこういう色だから、光を当てるときれいに見えるので。

い草を織ったものと合わせられないかなと想像しています。製品の一部として、い草製品と組み合わせて作りたいですね。

自身としては、美術品やオブジェのような作品に力を入れていきたいです。

おわりに

ぐらすたTOMO 水口智貴さん

これまで、IGUSA GLASSや、水口さんの作品を見て、かっこよくてきれいだなあと思ってきたので、工房を訪れるのが楽しみでした。

1,000度を超える炉から出てきたばかりの、どろっとした真っ赤なガラスには、神秘的なパワーを感じます。熔けたガラスが固まるまでの短時間で、手早くも丁寧に作品を形作っていくさまは、感動的!

ぐらすたTOMO

撮影用に作品をお借りしたところ、美しさに撮影の手を止めて見入ってしまいました。

ぜひ実物を手にとって、光にかざしてみたり、影の模様を眺めたりしてみてください。

ぐらすたTOMOのデータ

ぐらすたTOMO アクセス
名前ぐらすたTOMO
住所岡山県倉敷市広江2-13-33
電話番号080-1945-6046
駐車場あり
事前連絡が必要
営業時間午前10時30分~午後7時
電話受付は9時30分~午後8時まで
(作業中・展示会などで電話に出ない場合あり)
定休日不定休
支払い方法
  • 現金
  • PayPay使用可能
ホームページ吹きガラス工房 ぐらすたTOMO
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吉野なこ

吉野なこ

写真と旅を愛する、倉敷そだちのデザイナー。
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ぐらすたTOMO 水口智貴さん

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