倉敷市内の施設・お店・ギャラリー・旅館などで、雛人形の展示を行う「倉敷雛めぐり」。春を感じられるイベントとして、親しまれています。
梅の花がほころび春の気配を感じるころ、モデルのアリスさんと、「倉敷雛めぐり」会場の一部をめぐりました。
いつもより華やかな倉敷を味わった、雛めぐりの様子をレポートします。
目次
倉敷雛めぐりのデータ
名前 | 倉敷雛めぐり |
---|---|
期日 | 2019年2月23日(土)~3月10日(日) ※開催期間、営業時間は施設により異る |
場所 | 倉敷美観地区ほか |
参加費用(税込) | 基本は入場無料。施設により入館料が必要な場所あり |
記載されている内容は、2019年3月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
倉敷雛めぐりの開催概要
倉敷市内の施設・お店・ギャラリー、旅館などで、雛人形の展示を行う「倉敷雛めぐり」。2019年で16回目となるイベントです。
2019年は約350カ所にさまざまな年代や種類の雛飾り約2,000組が展示されていて、多様なお雛さまを見ることができます。
展示だけではなく、雛まつり特別メニューを用意している飲食店もありますよ。
開催期間・場所
2019年の開催期間は、2019年2月23日(土)~3月10日(日)でした。開場時間は施設によって異なります。
開催場所は下記の4つのエリアです。
- 倉敷エリア
- 玉島エリア
- 水島エリア
- 児島エリア
それぞれのエリアにおいて数十箇所で展示が行われているため、しっかり鑑賞したい場合は、マップの載ったパンフレットの入手がオススメ。
パンフレットは観光案内所などに置いてあります
ちなみに2019年の倉敷エリアマップは、下記のとおり。駅から美観地区まで広い地域で雛飾りを見られます。
2エリア以上のスタンプを集めると抽選で景品がもらえるスタンプラリーも開催されているので、数エリアをめぐる場合は「スタンプラリー台紙」を入手してください。
期間中は雛まつりにちなんだ催しも
イベント期間中は、雛まつりにちなんだ催しがいくつも催されます。
2019年はたとえば下記のようなものがありました。
- 倉敷おかみさん会による甘酒のおふるまい
- ひな茶会
- 貝雛作り体験
- 雛列車運行
- 幼稚園・保育園児による雛渡御(ひなとぎょ)
倉敷雛めぐりの見どころ
倉敷エリア1番の目玉は、新渓園
大原美術館に隣接する和風建築「新渓園」では、約30組の雛人形が一堂に会しています。
56畳の大広間に華やかなお雛さまがずらりと並ぶ姿は、壮観!
大きな段飾りから、貝を使った小さなものまで、多様な雛人形を楽しめます。
「御殿(ごてん)飾り」という、建物の中に内裏(だいり)雛が並ぶものも多く見ることができます。明治・大正時代に西日本地域で流行した様式だそうですよ。
じつは、内裏(だいり)雛とは男雛(おびな)と女雛(めびな)2人1対を指し、男雛のみを「お内裏さま」と呼ぶのは童謡から広がってしまった誤りなんです。
そして男雛と女雛の左右は、時代と地域によって異なるそうです。
新渓園会場の開館時間は、午前9時~午後5時です。
阿智神社にもたくさんの雛人形が
倉敷最古のスポット「阿智神社」にも大小さまざまなお雛さまが展示されています。
それほど人が多くないため、ゆっくり眺めることができました。
階段脇には小さいお雛さまが横一列に。見つけたとき「かわいい!」と歓声が上がりました。
開場時間は午前9時~午後4時です。
山の上にある阿智神社では、神社からの眺望も楽しんでください。
いろいろな施設・お店をめぐってみよう
約350カ所で雛人形が見られる「倉敷雛めぐり」。全部を回るのは難しいですが、気になるスポットにちょっと立ち寄るだけでも、個性豊かな人形に出会えます。
倉敷エリアの雛人形を一部紹介しましょう。
「倉敷物語館」の雛人形は、箱に入っていました。たくさんの人形を省スペースで飾れる優れものです。
「FLAT 倉敷美観地区店」では畳縁を利用した雛人形が。展示の他にも、お雛さま柄の畳縁小物を販売していました。
「料理旅館 鶴形」では、段飾り雛が出迎えてくれます。格式を感じますね。
「手打ちうどん おおにし」の店内で展示されている昭和40年の土雛は、ゆるキャラのようなお顔立ちです。土のぬくもり感と相まった、ほっこりしたかわいさがありました。
「如竹堂」の入口には、小さくも豪華なお雛さま。昭和30年代後半のものだそうです。
「大橋家住宅」には、江戸後期・明治のお雛さまが展示してあります。こちらはイベント期間外も見ることができますが、入館料が必要です。
倉敷駅から美観地区へ続く商店街でも、いくつかの雛人形に出会えます。
「タナカ洋装店」のショーウィンドウには、折り紙雛。細やかさに驚きました。
「食器のみつはた」では、全国産地の陶雛やガラス雛が多数展示販売されています。和紙製のよりそい雛、うさぎのだいり雛、マトリョーシカになったものなどがありました。
お気に入りを探し、購入して持ち帰ることができるのもいいですね。
他の地域もめぐってみよう
水島地区では園児の作品が展示されたり、児島地区では学生服を着た雛人形がいたりと、地域によって特色が異なります。
足を伸ばしてみてください。
雛まつりについて
雛まつりとは、どういう行事なのでしょうか?
雛まつりの由来
雛まつりは、正式名称を「上巳(じょうし)の節句」といい、奈良時代に中国から日本に伝来しました。
厄払いとして川に盃を流していたものが、やがて自分の身代わりとして人形を船に乗せて川に流す行事に変化したそうです。
江戸時代になって、雛まつりは女の子の成長を願う行事になりました。そして人形を川に流す代わりに男女一対の人形を飾るようになり、現在に至ります。
雛人形を片付けずにいると婚期が遅れる?
また、雛人形を片付けずにいると結婚が遅れるという説を聞いたことがありませんか? 阿智神社に解説がありました。
昭和初期に作られた俗説だそうです。
旧暦の雛まつりは、4月中旬ごろ。早く片付けないと梅雨が近づいてしまいます。人形や絹製の小物にカビが生えないよう、片付けを促すために俗説が作られたそうですよ。
季節の節目できちんと片付ける、しつけの意味もあるようです。
おわりに
こどもの健やかな成長と幸せを願い飾られてきた、雛人形。
展示の中心となっているのは、家庭で大事にされてきたものです。おめでたさと華やかさだけではなく、優しい愛情を感じます。
人形の顔をひとつひとつ眺めていると、雛人形に込められてきた思いに、心がじーんとしました。
また、いろいろな雛人形をめぐっているうちに、「こんな場所があったんだ」「今まで通り過ぎてしまっていたけど、面白そうなお店だな」という発見もありました。
この記事で紹介したお雛さまは、ほんの一部です。
お雛さまを眺めながら、春の倉敷を散歩してみてはいかがでしょう。
倉敷雛めぐりのデータ
名前 | 倉敷雛めぐり |
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期日 | 2019年2月23日(土)~3月10日(日) ※開催期間、営業時間は施設により異る |
場所 | 倉敷美観地区ほか |
参加費用(税込) | 基本は入場無料。施設により入館料が必要な場所あり |