【9/21(日)開催】おかやまインクルーシブビーチフェス2025 ~ 障がいのある人もない人もともに、今年のマリンアクティビティおさめをしませんか?

チラシと藤原さん

昼間はまだまだ気温30度を超える日が少なくありませんが、9月になり夕焼けの色が徐々に秋めいてきたように感じます。

  • 夏は暑すぎて海には行けなかったな……
  • 障がいがあるから、マリンアクティビティには参加しづらいな……

そのような人に、朗報です。

海水温が温かく、水の中も砂浜も夏本番より過ごしやすい9月21日に、沙美西海水浴場を会場におかやまインクルーシブビーチフェス2025が開催されます。

「障がいのある人はもちろんのこと、地元の人たちに参加してほしい!」と熱い思いをもったパラサーフィン選手である藤原智貴(ふじわら ともき)さんに、イベントにかける想いを取材しました。

パラサーフィン
障がいのある人が競技するサーフィン。藤原さんは普段、車椅子を使って生活しています。

記載されている内容は、2025年9月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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おかやまインクルーシブビーチフェス2025とは

昨年のようす
昨年のようす

「おかやまインクルーシブビーチフェス」は、障がいのある人もない人も、ともにマリンアクティビティを楽しめるイベントで、2022年から毎年開催されています。

初年(2022年)は玉野市の渋川海岸で開催。
昨年(2024年)は笠岡諸島の白石島で開催され、2025年は9月21日(日)午前9時~午後3時まで倉敷市の沙美西海水浴場で開催されます。

当日楽しめるマリンアクティビティは、以下の3種類です。

  • カヌー
  • SUP(サップ:スタンドアップパドルボード)
  • 海水浴

車椅子のまま入水できるモビチェアや安定感のある二人乗りのカヌーも用意され、医療従事者や経験豊富なインストラクターが障がいのある人のマリンアクティビティをサポートします。

砂浜でもスムーズに車椅子移動ができるマットがパラサーフィン選手の視点で敷かれるので、車椅子を使う人が円滑にビーチへ向かえるよう準備もされます。

手厚いサポートのあるビーチフェスですが、参加費は無料です。しかも、保険も完備されているので、何かあった場合の補償にも対応。

保険に加入するためには、9月18日(木)正午までに、Googleフォームから参加申し込みが必要です。

詳細は、以下の画像を確認してください。

画像提供:おかやまユニバーサルツーリズムセンター
画像提供:おかやまユニバーサルツーリズムセンター

主催者へのインタビュー

藤原智貴(ふじわら ともき)さん
藤原智貴(ふじわら ともき)さん

おかやまインクルーシブビーチフェス2025主催者で、パラサーフィン選手の藤原智貴(ふじわら ともき)さんに話を聞きました。

おかやまインクルーシブビーチフェスをはじめたきっかけを教えてください

藤原(敬称略)

私は普段パラサーフィンをしていて、2017年に初めてアメリカで開催された世界選手権に出場しました。

アメリカでは、どのビーチに行っても駐車場からビーチまで車椅子で移動しやすいように道が整備されており、ライフセーバーが障がいの有無にかかわらずあらゆる人のマリンアクティビティをサポートしていました。

日本は砂浜に車椅子用のマットを敷いている場所がなく、障がい者の多くが気軽にマリンアクティビティを楽しめる環境ではありません。

日本でも、障がいの有無にかかわらずマリンアクティビティを楽しめる環境を作りたい。そのためにはまず、自分が暮らす岡山県のビーチの環境を整えたいと思い、2020年に初回のおかやまインクルーシブビーチフェスを企画しました。

しかし、その年は新型コロナウイルス感染症拡大対策の観点で中止に。2022年に玉野市にある渋川海岸を会場に一回目のイベントを開催しました。

昨年(2024年)は笠岡諸島の白石島で開催し、今年は私の生まれ故郷でもある倉敷市での開催に至りました。

過去3回の参加者からは、どのような感想がありましたか

藤原

障がい者、特に車椅子の人たちは外出先の候補に海を入れることが、まずありません。車椅子でビーチに近づくことが難しいので、最初からあきらめてしまっているんですよね。

イベントをとおして初めてマリンアクティビティの楽しさを知って、喜んでくれる当事者やその家族がたくさんいることが、とてもうれしいです。

昨年のようす
昨年のようす

昨今は地中海圏を中心に、海の恵みを活用したタラソセラピー(海洋療法)が有効な知的障がい者が一定数存在するとの研究が進んでいますし、障がいのある人もマリンアクティビティを楽しんでほしいと思います。

でも、海に入ったことがなければ上記のようなセラピーがその人に有効かどうかも判断できませんよね。だからまずは、障がいのある人が海に行ってみるきっかけが必要だと考えています。

おかやまインクルーシブビーチフェスを、海に行ってみるきっかけにしてほしいですね。

「インクルーシブ」ということは、障がいのない人も参加できるのでしょうか

藤原

もちろんです!
障がいのない人にこそ、このイベントに来ていただきたいと思っています。

昨年までも、障がいのある当事者だけでなく、その家族や友人の参加も多数ありました。今年もすでに、障がいのない人からの参加申し込みがありますよ。

私自身車椅子を使用する身体障がい者ですが、障がい者だけでかたまるのは、あまり好きではありません。障がいのない人は障がい者との関わりかたを知らないだけで、実際に私と関わってみると「こんなことができるんだ!」と驚かれることがありますし「これはできないんだ!」と気付いて、さりげなくサポートしてくれるのです。

また私たちは、近い将来に障がいのある人がマリンアクティビティをする光景が当たり前になってほしい、とも思っています。

そのためには、普段ビーチを利用する地元の人やビーチを管理する人たちに、私たち障がい者がマリンアクティビティをする姿を見て知ってもらう必要があります。そのため、障がいのある人たちだけが楽しむイベントではなく、障がいのない人もともに楽しめるイベントを企画しました。

カヌーやSUPは障がいのない人も体験できますし、もちろん保険にも入れるので、ぜひご参加ください。

参加者には、どのような一日を過ごしてほしいですか

藤原

沙美海岸は自家用車でアクセスできますし、今年は決まったスケジュールがありません。なので、思い思いにマリンアクティビティを楽しんでもらいたいです。

障がいのある人にはまず海に入る体験をしてもらいたいですし、障がいのない人には、遊びながらふと横を見たときに障がいのある人がマリンアクティビティをする光景を体験してほしい。

そして、行政などのビーチを管理運営する人たちには、どのようなサポートがあれば障がいのある人もともにマリンアクティビティを楽しめる環境を作れるのか、知ってもらいたいです。

今回のおかやまインクルーシブビーチフェス2025をきっかけに、地元倉敷のビーチが障がいの有無にかかわらず楽しめるビーチになってほしいと願っています。

昨年のようす
昨年のようす

今後の展望を教えてください

藤原

まずは、岡山県内各地のビーチをまわってインクルーシブなビーチ環境を普及したいです。

そして、インクルーシブビーチフェスを経験したビーチが、少しずつ障がいのある人にとっても楽しめるビーチになってほしいと思います。
もちろん、必要があれば私たちもその環境整備に協力します。

私たちのイベントを、ビーチの環境を変えるきっかけにしていただきたいです。

読者へひと言お願いします

藤原

海水温は1~2か月前の温度なので、海開きの7月よりも少し暑さが和らぐにもかかわらず、海の中は温かく海水浴を楽しみやすい環境になっています。

障がいのある人もない人も、マリンアクティビティを楽しみにいらしてください。
ご参加おまちしています。

おわりに

私は、昨年白石島で開催されたおかやまインクルーシブビーチフェスに参加しました。

最初はおっかなびっくり海水を触っていた障がいのある人やその家族が、午後には水陸両用車椅子でぷかぷかと海に浮かんでいる姿をたくさん見ました。

それだけではありません。障がいのある人の家族がボランティアとともに思いっきりマリンアクティビティを楽しんでいたのが、なによりも印象的でした。

障がいのある人を対象としたイベントでは、同行した家族が付き添いや介助に徹してなかなか楽しめないこともありますが、このイベントは医療従事者や経験豊富なインストラクターがサポートするので安心して任せられます。

倉敷のビーチがインクルーシブなものになるはじめの一歩を、2025年の海水浴おさめも兼ねて体感しに行ってみてはいかがでしょうか。

おかやまインクルーシブビーチフェス2025のデータ

名前おかやまインクルーシブビーチフェス2025
期日2025年9月21日(日)
場所岡山県倉敷市玉島黒崎
参加費用(税込)参加費・体験費ともに無料
ホームページおかやまユニバーサルビーチプロジェクト

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高石真梨子
高石真梨子
東北→九州→近畿→関東を経て、2023年12月に倉敷市地域おこし協力隊になりました。 音の世界と音のない世界の狭間に住んでいる、手話と日本語のバイリンガルです。障がいの有無にかかわらず、倉敷を旅して倉敷に住み続けたくなるような情報を発信していきます。

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