昨年(2024年)夏、倉敷市内で映画が撮影されていたのを知っていますか?
映画「蔵のある街」の撮影です。
私も、倉敷美観地区での撮影や足高山にあがった花火に遭遇し、今か今かと公開を楽しみにしていました。
2025年7月25日(金)から、MOVIX倉敷にて先行公開がスタート。
公開初日には、監督や主要キャストが倉敷を訪れて、倉敷美観地区にて川舟パレード、MOVIX倉敷にて公開初日挨拶がおこなわれました。
当日のようすを、お伝えします。
記載されている内容は、2025年8月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
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つなぐ映画「蔵のある街」とは
映画「蔵のある街」は、岡山県倉敷市出身の平松恵美子(ひらまつ えみこ)監督が手掛ける、オール倉敷ロケの長編映画です。
2022年から企画が動き始め、2023年夏にパイロット版を作りました。
パイロット版をプロモーションに活用し、企業などの協賛を募り、その後倉敷市の「企業版ふるさと納税を活用した映画撮影誘致支援補助事業」に採択されました。このことで、制作費調達にめどが立ち、本編の制作が決まります。
ロケは2024年夏に実施され、2025年に完成。
2025年3月3日(月)に、イオンモール倉敷内のMOVIX倉敷にて完成披露試写会がおこなわれ、2025年7月25日(金)にMOVIX倉敷にて倉敷での先行上映が始まりました。
2025年7月29日(火)には、新宿ピカデリーでも完成披露上映会が開かれ、2025年8月22日(金)から新宿ピカデリーほかで全国公開予定です。
「蔵のある街」のストーリー
「蔵のある街」は、2020年から続いた新型コロナウイルス感染症拡大対策で外出自粛などがおこなわれたなか、日本全国の約300か所で開催された「サプライズ花火」を題材にしています。
「約束じゃ。この街に、でっかくて綺麗な花火を上げちゃる」
自閉症の青年「白神恭介(しらが きょうすけ)」と、夢をあきらめかけている同級生「白神紅子(しらが べにこ)」を励まそうと、とっさに口からでた約束を実現するために奔走する、高校生たちを描くストーリーです。

「この街」とは、物語の舞台である岡山県倉敷市。
花火を上げようとする場所は、重要伝統的建造物群保存地区(伝建地区)である、倉敷美観地区です。
倉敷に住んでいる人なら「そんなことは不可能だ」と言うでしょう。どのような結果になるかは、映画館で確認してくださいね。
川舟パレードのようす

2025年7月25日(金)倉敷美観地区に映画「蔵のある街」の監督とキャストが集合してイベントが開催されました。
当日のスケジュールと出演者は以下のとおりです。
- 午後2時30分~
ヒット祈願祭(阿智神社宮司、足高神社宮司による神事、絵馬奉納) - 午後2時50分~
バルーンリリース - 午後3時~
川舟パレード

- 山時聡真さん(さんとき そうま/難波蒼役)
- 中島瑠菜さん(なかしま るな/白神紅子役)
- 高橋大輔さん(たかはし だいすけ/古城緑郎役)
- 前野朋哉さん(まえの ともや/中桐仙太役)
- 平松恵美子さん(ひらまつ えみこ/監督)
バルーンリリース

新渓園では一般のお客さんにもバルーンが販売され、倉敷美観地区中が色とりどりのバルーンで彩られます。
このバルーンもまた、映画の作中で重要な役割を果たしている小道具のひとつです。

出演者だけでなく伊東香織 倉敷市長や関係者も、映画「蔵のある街」のオリジナルTシャツを着用して中橋に登場。
「3・2・1!」の掛け声とともに、ヒットを祈願したバルーンが空高く舞い上がりました。


川舟パレード
続いて、出演者・キャストおよび関係者が川舟に乗って倉敷美観地区をぐるりと一周パレードします。
二艘(そう)の川舟に分かれて、パレードが進行しました。


炎天下のなか、日傘を差し合いつつも沿道からは声援があふれ、川舟に乗る出演者や監督が手を振り応えながら約20分の川舟が運行します。
公開初日挨拶
午後4時45分からはMOVIX倉敷にて映画の上映があり、上映後の午後6時40分ごろから公開初日挨拶がおこなわれました。

監督をはじめ、川舟パレードに参加した出演者が勢ぞろい。
満席の大盛況のなか、司会からの質問で、以下の二点について回答しました。
印象に残っているシーンを教えてください
山時聡真さん
泣きながら怒った、集会所でのシーンです。
当初の設定では涙を流すシーンではなかったのですが、撮影を進めていくなかで平松監督からチャンスをいただいてあのような感情的な演技に挑戦させていただいたので、思い出に残っています。

中島瑠菜さん
紅子が自宅で、お兄ちゃんと食卓を囲むシーンが印象に残っています。
このシーンを重ねながら、家族の成長が感じられるシーンですごく好きです。
高橋大輔さん
一番難しかったのは、紅子のお父さんと居酒屋で言い合いをしたシーンです。
感情があふれてしまい、セリフが飛んでしまったので少し苦い思い出ではありますが貴重な経験になりました。
前野朋哉さん
僕は倉敷の出身で、ジャズ喫茶のような文化的なものが身近にあることもこの街の魅力だと思っているので、そのようなシーンが描かれていてうれしかったですね。
僕にはドラムをたたくというちょっとしたミッションがあったので、撮影自体は楽しかったのですがドラムのシーンには緊張しました。

倉敷の撮影で心に残ったことを、それぞれ教えてください

山時聡真さん
ロケ中に地域の人たちが「今朝のドラマでも見たよ!」などとあたたかく声を掛けてくださったことが、とてもうれしかったです。

中島瑠菜さん
本当に暑いなかでの撮影だったので「お店で休んでいいよ」などと優しく声を掛けてくれて、地域のみなさんが撮影に協力的だったことが印象に残っています。
出演者のみんなでご飯を食べに行ったときにも、歓迎していただきました!

高橋大輔さん
僕は倉敷のなかでも連島(つらじま)の出身なので、美観地区や倉敷駅前までは少し距離があるのでなかなか来たことがありませんでした。
でも、今回の撮影中いろいろなお店を訪れてみて、どこも素敵でおいしかったので、新しい倉敷を発見しながら過ごせたことが楽しかったです。
地元を離れてわかる、地元の良さに気付けたような気がします。

前野朋哉さん
撮影中、美観地区でむらすゞめの差し入れを購入したんです。
夏なので冷やしたむらすゞめなども入れてくださって、僕の顔を見て「前野さんですか?」と声も掛けてくれて、ありがたかったです。

平松恵美子監督
今みんなの話を聞いて、倉敷での撮影を楽しんでくれていたことに安堵しています。当時は「暑い!」ばかり言われていたので(笑)
おわりに
倉敷川にバルーンが舞い上がるタイミングでは、観光客はもちろんのこと川沿いの店や旅館からも人が出てきて、街をあげて映画「蔵のある街」の公開を心から喜ぶ光景にほっこりしました。
本作品は、以下のようなコンテンツも用意し、多様なニーズのある人たちも楽しめる映画となっています。
- 視覚障がい者などの聴覚情報を必要とする人に向けた音声ガイド
- 聴覚障がい者や英語話者に向けた日本語および英語の字幕(専用のアプリのインストールが必要)
- スクリーン字幕上映(一部上映館にて一定期間のみ)

一度は倉敷で時を過ごした人はもちろん「ふるさと」があったり大切な仲間や家族がいたりする人ならばきっと、心揺さぶられる作品です。
倉敷先行上映はもちろん、全国での上映で一人でも多くの人たちにこの映画が届きますようにと願っています。
蔵のある街のデータ

名前 | 蔵のある街 |
---|---|
期日 | 2025年7月25日(金)MOVIX倉敷ほか倉敷先行公開 2025年8月22日(金)新宿ピカデリーほか全国公開 |
場所 | MOVIX倉敷ほか |
参加費用(税込) | オリジナル特典つき各種前売り券¥1,500 |
ホームページ | 公式サイト |