倉敷美観地区と倉敷市民会館の間に、赤いレンガが目を引く西洋建築、倉敷アイビースクエアがあります。
倉敷を語るうえでは外せない日本遺産「一輪の綿花から始まる倉敷物語~和と洋が織りなす繊維のまち~」の舞台のひとつ、倉敷紡績所の本社工場の面影を残る倉敷アイビースクエアは1974年(昭和49年)に開業。2024年(令和6年)で創業50周年を迎えました。
宿泊客にとって快適な宿泊環境を求めて施設内の整備が今なお続く、倉敷アイビースクエアを紹介します。
記載されている内容は、2024年7月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
倉敷アイビースクエアのデータ
名前 | 倉敷アイビースクエア |
---|---|
所在地 | 岡山県倉敷市本町7-2 |
電話番号 | 086-422-0011 |
チェックイン | 午後3時 |
チェックアウト | 午前11時 |
支払い方法 |
|
施設情報 | 全室禁煙(別途喫煙スペース有り) |
お風呂 | 大浴場、客室内浴室設置(シャワーブースの場合もあり) |
Wi-Fi | あり |
駐車場 | あり 120台 ※宿泊客は予約不要、1泊1台500円(翌朝12時まで) |
ホームページ | 倉敷アイビースクエア |
倉敷アイビースクエアの概要
倉敷アイビースクエアは、倉敷駅から徒歩15分、倉敷美観地区と倉敷市民会館の間に位置する複合文化施設です。倉敷アイビースクエアが備える観光に必要な4つの機能は、以下のとおりです。
- 宿泊(145室)
- 食事(和食と洋食の提供が可能)
- ショッピング(岡山・倉敷の銘菓や民芸品を取り扱う)
- 文化体験(備前焼の陶芸教室や着物のレンタルショップ)
宿泊棟内にある客室や大浴場は宿泊者のみ利用できる施設ですが、食事やショッピングなどは宿泊せずとも使えます。
「市民の憩いの場」としての機能もあり、宴会や会議、ウエディングでも利用されています。
倉敷アイビースクエアの宿泊プラン
倉敷アイビースクエアには、素泊まりや一泊二食付きプランといったスタンダードな宿泊プランのほかに、学生向けの学割プラン、倉敷美観地区のさまざまな施設と連携した宿泊プランが用意されています。
倉敷美観地区と連携した宿泊プランは、以下のとおりです。
- 着物レンタルセットプラン
- 倉敷アートの旅へ~大原美術館特別プラン
- 切子ちょうちん作り体験プラン
- お酒を楽しむ大人旅。酒造見学付きプラン(11月~2月の冬季は休止)
- 陶芸教室で手作り体験♪絵付け体験付きプラン
倉敷美観地区へ徒歩5分で行ける距離感だからこそ、周辺の文化施設やお店と共に宿泊を楽しめる施設ですね。
倉敷アイビースクエアの歴史
倉敷アイビースクエアは、1889年(明治22年)に倉敷紡績所(現:クラボウ)の本社工場として建設されました。
倉敷紡績所の倉敷本社工場は戦後長らく休止工場となっていました。しかし、倉敷市・地域住民から保存再生の要望が強まり、大原美術館分館・倉敷国際ホテルなど、数々の建築物を手がけた浦辺鎮太郎(うらべ しずたろう)が改修設計をおこない、1973年(昭和48年)から建設工事に着工。翌1974年(昭和49年)に完成しました。
倉敷アイビースクエアの建築については、以下の記事で紹介しています。
2007年(平成19年)には、経済産業省により「近代化産業遺産」として認定され、2017年(平成29年)に文化庁より「日本遺産」構成文化財のひとつに認定されました。
文化財としての価値が認められる一方、2018年(平成30年)には敷地南西部にあった長倉庫を撤去し、1,000人規模の大型宴会場「アイビーエメラルドホール」を増築。2020年(令和2年)には4棟ある宿泊棟が大規模リニューアルされています。
現在もなお、泊まれる「文化施設」として歴史の名残を訪れる人々に提供している倉敷アイビースクエア。2020年(令和2年)の大規模リニューアルのポイントも踏まえながら館内を見ていきましょう。
「近代化産業遺産」を肌で感じられる館内
倉敷アイビースクエアの最大の魅力は、「近代化産業遺産」に指定されている建築に宿泊できるところでしょう。
館内の渡り廊下からは、倉敷アイビースクエアの象徴である赤レンガと蔦(つた)の見える景色が広がります。
水面に青空が反射して、まるで浮いているような錯覚になるこの場所に立つと心が穏やかになります。
また、館内にはレンガ造りがあらわになった壁も見られ、紡績工場だった頃の面影も感じられますよ。
バリアフリー対応整備がされた館内
歴史的な文化財の景観を保護しつつ、バリアフリー対応をすることは容易ではないと聞きます。しかし、倉敷アイビースクエアでは、さまざまなニーズのある宿泊客が快適に過ごすため、バリアフリー対応にも着目しながら改修が進められています。
エレベーターは2020年の改修時に、部屋数を減らして設置しました。
また、室内はコンパクトな部屋であっても車いすのまま入れる仕様になっています。
倉敷美観地区は外国人観光客も多いスポット。車いすユーザーだけでなく、大きなスーツケースを持つ外国人旅行客にとっても快適に過ごせる環境なのではないでしょうか。
荷棚は折り畳み式のものを導入している宿泊施設も多くありますが、倉敷アイビースクエアでは、部屋のインテリアになじむ木目の荷棚が作り付けされているのも特徴のひとつ(一部客室対象外)。出入り口付近に設置されているので、靴の脱ぎ履きにも便利ですね。
統一された木目調の客室
2020年の改修では、客室内も大幅にリニューアルされました。
倉敷アイビースクエアの客室は以下の145室です。
- スイートルーム(2室)
- デラックスツインルーム (22室)
- モデレートツインルーム(14室)
- スタンダードツインルーム (43室)
- スタンダードシングルルーム (4室)
- ファミリールーム (8室)
- エコノミーツインルーム (52室)
55平米の広さがあるデラックスファミリールームから15平米ほどのコンパクトなスタンダードシングルルームやエコノミーツインルームなど、レジャーからビジネスまで幅広い宿泊目的に応じた客室を展開しています。
どの部屋も温暖な岡山の気候をイメージし、木の素材を生かすことで、ナチュラルなイメージで纏め(まとめ)られたくつろぎの空間。どれも、各部屋に合わせて特注しているという国産のインテリアが特徴的です。
デラックススーペリアツインルームでは、倉敷市真備町の竹を使った家具メーカーTEORIの家具が置かれています。
選べる浴場
倉敷アイビースクエアには、大浴場があります。こちらは、宿泊者限定のサービスとなっており、大浴場があるから倉敷アイビースクエアに宿泊を決めたという宿泊客もいるのだとか。
一方で、全客室に浴室(シャワーブースの部屋もあり)も設置されています。
1974年の創業当初は180室もの客室があったため、浴室のない部屋もありました。しかし、時代の変化とともに、自室での入浴を希望する声が増えたため2019年(令和元年)には全客室に浴室が設置されました。
併設レストラン・バー
また、倉敷アイビースクエア内にはレストランとバーが併設されています。
どちらも、宿泊棟と同じく倉敷紡績所時代の面影を残した建築デザインが施されており、明治時代にタイムスリップしたかのような空間でお食事やお酒を楽しめますよ。
アプリケーションサービス
客室には、フロントにつながる電話機の横にQRコードが掲示してありました。
手持ちのスマートフォンやタブレットのカメラでQRコードを読み込むと、館内情報が見られるウェブページにアクセスできます。多言語に対応しているため、外国人観光客にとっても自分の言語で情報にアクセスできるありがたいサービスです。
また、フロントとのやり取りは、電話だけでなくこのウェブサイト上からチャットでもおこなえます。
私は聴覚障がいがあり電話ができないため、宿泊施設で不具合があった場合は、いつもフロントまで足を運んでいます。しかし、チャット機能があれば聴覚障がいのある私も、客室からフロントに問い合わせができて便利そうです。
このサービスは、新型コロナウイルス感染症が流行していた頃に「非接触」でサービスを提供するために開発されたものなのだとか。現在は、私のような聴覚障がい者や外国人観光客にとっても有効なサービスとして機能しているとのことです。
歴史的景観を保ちつつ、常に快適な宿泊環境を追い続ける、倉敷アイビースクエアについて、倉敷アイビースクエア宿泊部長の深井憲(ふかい けん)さんに、話を聞きました。
倉敷アイビースクエアのデータ
名前 | 倉敷アイビースクエア |
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所在地 | 岡山県倉敷市本町7-2 |
電話番号 | 086-422-0011 |
チェックイン | 午後3時 |
チェックアウト | 午前11時 |
支払い方法 |
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施設情報 | 全室禁煙(別途喫煙スペース有り) |
お風呂 | 大浴場、客室内浴室設置(シャワーブースの場合もあり) |
Wi-Fi | あり |
駐車場 | あり 120台 ※宿泊客は予約不要、1泊1台500円(翌朝12時まで) |
ホームページ | 倉敷アイビースクエア |