2019年2月17日。
真備町箭田(やた)のまきび公園で、初めてのイベントが行われました。
テーマは「会いたい人につながる」。
被災の有無や現在の居住地にかかわらず、会いたい人につながる場所になればと開催されたお祭りを取材してきたので、紹介します。
記載されている内容は、2019年3月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
「まび新春まつり」が企画された目的
「まび新春まつり」は、たくさんの支援団体を知ってもらうことを目的としています。
また、住民の困りごとを相談できる場を設けたり、具体的な支援団体への橋渡しを行い、つなげていくきっかけになればと企画されました。
「まび新春まつり」が開催された2019年2月も、支援活動を行なっているということを知ってもらい、平成30年7月豪雨から半年以上たったあとでも必要になる大切なことを伝えたい、という趣旨もあります。
企画したのは、「team桃太郎」の代表である北山紀明(きたやま のりあき)さん。
北山さんは「~伝えて繋いで動いて助け合う~」というスローガンをもとに、2018年7月7日に「team桃太郎」を立ち上げ、災害直後から復興支援に携わってきました。
開会のあいさつ
北山紀明さんのあいさつ
北山
2018年7月の豪雨災害で被災されたかたは、とても大変な災害のため、当時は何がなんだかわからなかったと思います。
支援団体が2019年2月現在も動いていることを、真備町を離れて仮設住宅に住まれているかたにもっと知ってもらうために、「まび新春まつり」を企画しました。
被災したひと、被災してないひとに限らず、「あの人に会えた、今日もここで会えたね」といえる場所を作れたらいいなと思っています。
自分たちがやるんじゃなくて、みなさんで協力してこのイベントを成功させたいと思います。よろしくお願いします!
薗(その)・まちづくり推進委員 奥田会長のあいさつ
奥田
真備町が少しでも早く復旧・復興に向けてがんばっている様子を、こういうイベントの中でみなさんに感じてもらえたらと思います。
そして、みんなでこの真備町が元に戻れるように、少しでも多くの真備町のかたが戻ってこれるように願っています。
NPO法人「オカヤマビューティサミット」のブース
美と健康・癒し・衣食住のプロフェショナル軍団として、心や体を豊かにし、岡山の地域活性化をはかる活動をしている「オカヤマビューティサミット」のブースに足を運びました。
真備町箭田(やた)で営業されていた、エステティックサロン「CPサロン・ファーナ」の今田紀子(いまだ のりこ)さんにお話を聞きました。
今田
被災された真備町の女性たちは、自分のお肌のケアを気にする間もなく、家の片づけに追われていましたね。
大変なときこそ、作業の合間にハンドマッサージなどで自分をいたわる時間を作る。
からだやこころの回復、こころのメンテナンスをすることによって、癒しの効果で元気になれます。
自宅もお店も真備町で被災しましたが、ハンドマッサージなどのボランティア活動を行いました。
マッサージでほっとし、喜んでくれる真備町の女性のかたがいるから、また同じ真備町で営業を再開し、少しでも多くのひとに真備に戻ってきてもらえるようにがんばろうと思いました。
2019年3月から真備町有井(ありい)の新店舗にて営業再開予定ですので、よろしければ足を運んでみてくださいね。
筆者も5分ほどハンドマッサージをしてもらいましたが、体の一部がほぐれることで笑顔になり、癒されましたよ。
真備町写真洗浄@あらいぐまのブース
「真備町写真洗浄@あらいぐま」で活動をされている、倉敷市災害ボランティアコーディネータ連絡会の森田靖(もりた やすし)さんにお話を伺いました。
「真備町写真洗浄@あらいぐま岡山」は、倉敷市災害ボランティアセンターおよび、倉敷市社会福祉協議会さんの写真洗浄運営チームとして発足したグループです。
「あらいぐま」自体は、東日本大震災の際に全国各地で進行した写真洗浄活動のボランティア・ネットワークです。
そして平成30年7月豪雨災害後に、岡山県内でも「あらいぐま」が発足しました。
お祭りのブースでは、実際に写真の洗浄を行うこともでき、身元不明の写真を持ち主に見つけてもらえれるよう展示したり、写真洗浄の受付も行なっていました。
写真洗浄の工程、やり方もパネルを見ながら説明していただきました。
一枚一枚、乾かし、写真をアルバムから切り出し、泥を流して洗う作業は時間をかけて丁寧に行います。
体力を使うボランティアができないかたたちは、「少しでもひとのために役立つことができてよかった」と作業をされているそうですよ。
家財や服は買えますが、思い出の写真を買うことはできません。
結婚したときの写真、こどもが産まれたときの写真、家族だんらんの写真、思い出のつまった身元不明の写真を展示するお手伝いをしました。
真備町以外の倉敷のかたや県外のかたが多く参加されてますが、地元・真備町のかたにひとりでも多く参加してもらい、地域活動として発展できたら、と森田さんからお話を聞きました。
今までボランティアに携わることができず、少しでも何かできたらと思っているかた、写真洗浄をするお手伝いをしてみませんか?
真備町の老若男女に愛される歌声「im im(イムイム)」
ステージでは多くのアーティストが歌ったり踊ったり、パフォーマンスを披露していました。
真備町の復興支援・ボランティア活動を続け、ライブ活動を行なってきた2人組ボーカルディオ・im im(イムイム)のステージを観覧しました。
お祭りの当日は、相方のkenさんがインフルエンザで不参加でしたが、ひとりでも楽しそうに観客を盛り上げ歌っているkoheiさんの姿が印象的でした。
小さな女の子からおじいちゃんやおばあちゃんまで歌に合わせて手を振り、笑顔あふれる時間でしたよ。
歌やステージは元気になる源だと実感しました。
閉会のあいさつ
北山
今日はみなさん、まび新春まつりにお集まりいただき、ありがとうございました。
私自身、こんなイベントを行うのは初めてで、どのような形になって、どういう出会いになるかなと思っていました。
楽しい雰囲気でなごやかにお話されているかたがたを見ることができ、僕は本当に嬉しかったです。
地区とか地域とか関係ないなと改めて感じました。
イベントっていうのはいろいろあるなぁと思いながら、今回思ったのはどんなことでもやっていけばできるんだなということです。
短い期間で大きなイベントができたのは、みんなの力があったからできたことだと思いました。
出会いがあって、みんながつながって、助けあう場所ができたと思っています。
本当にありがとうございました。
つぎに、開会式と閉会式で挨拶をされた北山紀明(きたやま のりあき)さんに、開催するまでの経緯と開催後の現在の想いについてお話をお聞きしました。