2025年10月25日・26日に開催予定の「日本遺産フェスティバルin倉敷」。
開催に向けて、機運醸成や地域の理解促進、次世代への文化継承を目的に、倉敷商業高等学校の生徒に対して出前講座がおこなわれました。
日本遺産や素隠居(すいんきょ)に関する講座、くらしき日本遺産大使・素隠居体験など盛りだくさんの内容だった、「日本遺産×素隠居」の出前講座の内容を紹介します。
記載されている内容は、2025年6月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
「日本遺産×素隠居」の出前講座について

「日本遺産×素隠居」の出前講座は、2025年5月22日(木)に岡山県立倉敷商業高等学校(以下、「倉商」と記載)で「倉商ツムグプロジェクト」の参加生徒に対して実施されました。
倉商ツムグプロジェクト
倉敷の繊維産業や繊維製品について学習し、倉敷で作られているさまざまな繊維製品を校内外にPRする活動をおこなう有志プロジェクトです。
講座内容は以下のとおりです。
- 倉敷市日本遺産推進室職員による講座「日本遺産ってなに?」
- 倉敷素隠居保存会による講座「素隠居ってな~に?」
- くらしき日本遺産大使・素隠居体験
当日は20名程度の生徒が集まり、日本遺産について学び、最後は素隠居体験で楽しく締めくくりました。
倉敷市日本遺産推進室職員による講座「日本遺産ってなに?」

まず、倉敷市の日本遺産について、倉敷市日本遺産推進室の藤原憲芳(ふじわら のりよし)さんの講義から始まりました。
倉敷市で認定されている日本遺産ストーリーは以下の三つです。
- 一輪の綿花から始まる倉敷物語~和と洋が織りなす繊維のまち~
- 荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~
- 「桃太郎伝説」の生まれたまち おかやま~古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語~
三つのストーリーについて、まずはアニメーションを見て概要を学びます。

その後、今回の講義は「一輪の綿花から始まる倉敷物語」を中心に展開されました。

「一輪の綿花から始まる倉敷物語」は、かつて海だった土地が干拓され、塩に強い綿花栽培が根付いたことから始まります。
その後、綿花の取引が盛んになり、北前船の寄港地(玉島・下津井)が発展。
綿取引で栄えた商人が町の発展に貢献し、明治以降は紡績業と繊維産業が中心になります。
そして現在でも、倉敷市は児島を中心に「繊維のまち」として多様な製品(帆布、学生服、ジーンズなど)を生産し続けている、と藤原さんは話していました。
倉敷素隠居保存会による講座「素隠居ってな~に?」

続いて、倉敷素隠居保存会 事務局長の小田晃弘(おだ あきひろ)さん、理事の安藤俊晴(あんどう としはる)さんによる「素隠居(すいんきょ)」に関する講義です。
素隠居(すいんきょ)は、祭りなどで大きな面をかぶった「ただのおじいさんとおばあさん」として登場します。

素隠居の起源は、江戸時代におこなわれていた妙見宮(現在の「阿智神社」)の御神幸における、獅子の付き添い役です。

その後、祭りに集まる子どもたちを、うちわで叩いて安全を守るようになったことが、叩かれると「健康に大きく賢く育つ」「ええことある」という言い伝えにつながりました。
なお、大きな耳が特徴的な素隠居のお面は和紙でできています。

雨はもちろん夏場の汗も大敵らしく、使用後は毎回ていねいに乾燥させているそうです。
くらしき日本遺産大使・素隠居体験
その後、素隠居のお面・衣装を着る素隠居体験がおこなわれました。

最初は恥ずかしがっていた倉商生徒たち。
しかし、少しずつお面を被ったり、衣装とお面を身につけたりするようになります。



そして、最後はノリノリでうちわを使って叩いていました。



おわりに
素隠居保存会のかたは、素隠居の「やりがい」について以下のように語っていました。
- 叩いても怒られず、むしろ拝まれて感謝される
- アイドルになったような感じで多くの観光客と写真を撮ることができて、人々との直接的な交流ができる

今回、素隠居体験をした倉商生徒たちも、友達同士で叩くなかでその「やりがい」を実感していたようでした。
「日本遺産フェスティバルin倉敷」では、くらしき日本遺産大使として素隠居が大活躍する予定です。
倉商生徒が素隠居として活動するのか、今から楽しみです。
「日本遺産×素隠居」の出前講座のデータ

名前 | 「日本遺産×素隠居」の出前講座 |
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期日 | 2025年5月22日(木) 午前1時30分〜午後3時15分 |
場所 | 倉敷商業高等学校 癒音教室 |
参加費用(税込) |