住職・村田 隆禅さんへのインタビュー
倉敷の歴史を見守ってきた観龍寺。
住職・村田隆禅(むらた りゅうぜん)さんに話を聞きました。
倉敷八十八ヶ所霊場巡りについて
村田住職は、「倉敷八十八ヶ所霊場巡り」を再整備したと聞いたが。
村田(敬称略)
きっかけは、地元に住んでいるあるかたからの相談でした。
昭和50年代前半ごろのことです。
そのかたは教員をされていて、歴史や信仰に関心があり、私に「倉敷八十八ヶ所巡りというのがあって、一度巡ってみたいのでいっしょについて行ってくれないか」と頼まれました。
それで実際にいっしょに巡ってみると、それがひどい状況でして…。
木が倒れていたり、草木で道がなくなっていたり、土砂が崩れていたりして、とても巡れる状態ではありませんでした。
お堂もボロボロな状態のところが多かったですね。
そこでまずは、八十八ヶ所それぞれを整備していくことから始めたんです。
地域のさまざまなかたが協力してくださり、少しずつ整備することができました。
倉敷八十八ヶ所巡りはいつごろできたもの?
村田
倉敷八十八ヶ所は、江戸時代中ごろに整備されたといわれています。
倉敷は江戸時代の大部分が江戸幕府の直轄地で、代官所もありました。
江戸幕府は仏教を大変重視していましたので、幕府直轄地であった倉敷は仏教への信仰が非常に篤い地域だったのです。
そんな背景があり、住民の手によって倉敷八十八ヶ所が整備されました。
明治以降も、地元の人たちによって倉敷八十八ヶ所は大切にされています。
しかし昭和に入り、状況が変わります。
太平洋戦争がおこり、信仰どころではなくなったんです。
戦後になると、今度は経済を建てなおすのが最優先。
生活で手いっぱいなので、八十八ヶ所巡りをする余裕などありませんでした。
やがて地元のかたのなかから忘れ去られ、八十八ヶ所は荒れていったのです。
「備中倉敷学」について
「備中倉敷学」は、どのような講座?
村田
私は「備中倉敷学」の起ち上げから関わっており、現在も会長をしています。
備中倉敷学は倉敷公民館で、毎月第2木曜日(8月のぞく)の午後2時~3時半に開催している講演会です。
倉敷を中心に備中・備前地域のことについて、多岐にわたるテーマで講演するものです。
見学会や懇親会も開催しています。
備中倉敷学は、平成17年(2005年)10月に第1回を開催しました。
以来、17年にわたり(令和4年現在)定期的に開いています(コロナ禍による中断あり)。
備中倉敷学を起ち上げた経緯は?
村田
倉敷だったり備中だったりは、とても歴史ある地域です。
しかし誤った情報、誤った歴史認識が広がっていることも多く、誤解している人も多いんです。
とくに日本史や世界史のような教科書に載るようなものではない、倉敷のような一地域の歴史は修正されずそのままだったりしています。
ですから倉敷という場所に住んだり関わったりしているからには、地元の正しい歴史や情報をみんなで共有する必要があると思ったのが始まりです。
最初は、私ともう1人の計2人で計画が始まりました。
やがて同じ思いをもった倉敷に関わる有志が集まってきて起ち上げたのが、備中倉敷学です。
気軽に備中倉敷学へ参加していただき、倉敷の歴史を感じてもらえればうれしいですね。
観龍寺に参拝して倉敷の歴史を体感しよう
観龍寺は鶴形山の上にあるので、境内からの景観をぜひ眺めてみてはいかがでしょうか。
また、天領で代官がいた倉敷の地でも、幕末の動乱は避けては通れませんでした。
その傷跡を残している観龍寺は、倉敷の歴史を語る上で外せないスポットです。
観龍寺に参拝して、倉敷の歴史を感じてみませんか。
観龍寺のデータ
名称 | 観龍寺 |
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別名 | 宝寿山(ほうじゅさん) |
宗派 | 真言宗御室派 |
所在地 | 岡山県倉敷市阿知2丁目25-22 |
電話番号 | 086-422-0357 |
駐車場 | あり |
御本尊 | 大日如来 |
御利益 | 所願成就、現世安穏など |
御朱印(納経料) | あり(300円) |
拝観時間 | 日中のみ |
休観日 | なし |
拝観料 | 無料 |
拝観料・納経料の納め方 |
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トイレ |