倉敷美観地区は趣のある古い建物(町屋)や、デザインを町並みに合わせた新しいお店がたくさんあります。
町歩きをするのに最適なのですが、町屋などにフラッと立ち寄ることはできませんよね。
倉敷屏風(びょうぶ)祭では、「自慢の屏風を見てください!」と入口を開いていて、建物の中に入ることができるんですよ。
今の生活にあまりなじみのない屏風を見たり、普段入れないところに入ることができ、いつもとはちょっと違う町歩きができるのが魅力です。
この記事では、倉敷屏風祭で体験したことをレポートしています。
2018年10月20日と21日に行われた倉敷屏風祭の様子です。
記載されている内容は、2018年10月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
倉敷屏風祭のデータ
名前 | 倉敷屏風祭 |
---|---|
期日 | 2018年10月20日(土)・21日(日)【終了】 午前10時から午後5時 ※阿智神社秋季例大祭にあわせて実施 |
場所 | 倉敷市本町、東町地区、美観地区界隈 |
参加費用(税込) | 無料 |
ホームページ | 倉敷屏風祭 | 倉敷観光WEB |
倉敷屏風祭とは
倉敷屏風祭とは、阿智神社の秋季例大祭にあわせて開かれる行事です。
その昔、秋季例大祭では町内各家が通りに面した戸を外して屏風を飾り、花を生けて人々をもてなしたといわれています。
明治時代に一度風習が途絶えてしまいましたが、2002年(平成14年)に有志の手によって復活したのが、現在の屏風祭です。
2017年(平成29年)4月に、文化庁「日本遺産」の構成文化財の一つに認定されています。
倉敷屏風祭概要
地域として倉敷市本町、東町地区、美観地区界隈とありますが、初めて美観地区を訪れる場合、よくわかりませんよね。
▼パンフレットに地図が載っていたので、紹介します。
会場としては、西側は倉敷物語館から始まって、東側は東町地区までの約600メートル区間です。
展示場所は全部で25軒。通りから見やすいように戸を開けて、玄関や室内に屏風を飾っています。
ざっと見ると1時間、じっくり写真を撮りながら見ていると2時間くらいかかりそうです。
また、会場近くの文化施設(倉敷市立美術館など)16ヶ所も協賛展示をしていましたよ。
合わせて16ヶ所も見て周ると、もっと時間がかかりそうです。
倉敷美観地区に人の波が戻ってきた
平成30年7月豪雨によって、倉敷美観地区の観光客の姿が目に見えて少なくなりました。
だから「倉敷屏風祭の人出はどうなんだろう?」と思っていたんです。
でも、心配はいりませんでした。
▼徐々に人波は戻ってきており、倉敷物語館の屏風には人だかりが!
町ゆくひとたちも多く、とてもにぎわっていましたよ。
倉敷物語館は、美観地区の入り口近くにあるので人出が多かったのかもしれません。
もし人混みが苦手な場合、他の混んでいない場所から見るといいですよ。
印象に残った屏風
倉敷屏風祭では25軒、協賛展示で16ヶ所の屏風を見ることができます。
僕は主要スポットである25軒を実際に見て回りました。
その中から特に印象に残った屏風を5つ紹介しますね。
語らい座 大原本邸にて
「大原美術館」にも絵画が展示されている、児島虎次郎の屏風です。
児島虎次郎が描いているのは、中国から朝鮮半島を四度訪ねた経験から制作したもの。
風景画のような、少し違ったところが印象に残りました。
吉井旅館にて
金色に輝く背景に、二羽の鶴が描かれています。
屏風の中は白い花、手前に生け花があり、とてもきれいでした。
また、屏風内の鶴も生き生きとしている感じがしましたよ。
ジャズライヴ アヴェニュウにて
中国の山々が描かれています。
おもしろいと思ったのは、ジャズが流れている中で屏風を見られた点です。
屏風といえば、和室や和の空間にあるものと思っていたので、びっくりしましたよ。
天井にあるモダンな電灯と屏風、手前の生け花のミスマッチ感が最高です。
蜂谷邸にて
青の鮮やかさが目にとまります。
蜂谷邸までの道中で見た屏風は、淡い色で塗ったものが多くありました。
そのため、青い色に惹きつけられたわけです。
また蜂谷邸の戸をくぐると、町屋色が強く感じられ、これこそ「倉敷屏風祭だな」という雰囲気が感じられました。
はしまや呉服店にて
朱色の錦鯉が、金色の中を泳いでいます。
僕の中で、特に印象に残っている屏風です。
二枚屏風の構成ですが、インパクトがあります。
「三枚、四枚と増えればもっとすごいんだろうなぁ」と素人考えで思うのですが、二枚がベストなんでしょうね。
生け花も屏風祭を盛り上げる
屏風の他に、町の中には生け花も飾ってあり、目を楽しませてくれました。
3つほど紹介しますね。
町を挙げてのハレの日
倉敷屏風祭は、阿智神社の秋季例大祭と同時に開催されています。
美観地区周辺を含め、町を挙げてのハレの日。
お祭りには欠かせない岡山県の食べ物として各所で、ばら寿司を売っているんですよ。
なかでも倉敷商工会議所女性会のばら寿司は、毎年人気で午後には売り切れになることが多いそうです。
10月20日は12時15分くらい、10月21日は11時30分くらいに売り切れていました。
▼実際に食べてみましたよ。
酢飯の上にのっているのはママカリや鰆(さわら)で、岡山県には馴染み深いものです。
町の中を歩く前に食べるのもよし、先に買っておいて後で食べるものいいと思いますよ。
▼美観地区内にある飲食店の「お食事処 カモ井」では、温かいばら寿司「ぬく寿司」もあります。
せいろで蒸しているので、ほっこりとした温かみと美味しさを味わえますよ。
古くて新しい倉敷屏風祭
明治時代には行われていた屏風祭。
古くから続いていることがわかりますよね。
ただ途中で途絶えてしまい、2002年に復活した経緯があり「古くて新しい祭りなんだ」と思いました。
展示されていた屏風のなかには、折りたたむ箇所が破けているものがあり、年月を感じることができます。
一方で、はしまや呉服店に飾ってあった屏風は新しく描かれたものです。
他には、倉敷芸術科学大学の芸術学部が制作した屏風もあるんですよ。
▼阿智神社の境内に飾られていた屏風と、制作者の学生さんです。
現代の若者が屏風制作にチャレンジしているところも、『古くて新しい』と感じました。
▼マスキングテープが使われていて、現代の作品らしいです。
倉敷屏風祭を体験してみた感想
いつも何気なく通っている倉敷美観地区ですが、「ここはどんなお店だろう?」「お家かな?」と景色を見ながら思っていました。
倉敷屏風祭では、各お店や町屋(民家含め)の玄関に気軽に入ることができます。
今の生活に馴染みのない屏風を見ることができたり、「あ、こんなお店だったんだ!」と雰囲気を知ることもできるんです。
通常の町歩き以上の発見ができるので、とてもおもしろかったですよ。
次回はどんな取り組みがあるのか、また体験したいと思います。
また、はしまや呉服店に飾ってあった、僕の中で特に印象に残っている屏風「緋鯉図屏風」の作者である、倉敷芸術科学大学芸術学部の森山教授に、お話しを聞くことができました。
倉敷屏風祭のデータ
名前 | 倉敷屏風祭 |
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期日 | 2018年10月20日(土)・21日(日)【終了】 午前10時から午後5時 ※阿智神社秋季例大祭にあわせて実施 |
場所 | 倉敷市本町、東町地区、美観地区界隈 |
参加費用(税込) | 無料 |
ホームページ | 倉敷屏風祭 | 倉敷観光WEB |