倉敷美観地区の夜を和のあかりで彩る「倉敷春宵あかり」。
緑の瓦の邸宅が素敵な有隣荘の前に並べられる和傘あかりや、倉敷物語館の庭や長屋門前に展示される切子あかりなど、美観地区の景観と調和するあかりたち。
また、その年ごとに工夫を凝らしたあかりが夜の美観地区を彩り、春の夜あるきを楽しめるイベントです。
定番の写真映えスポットはもちろん、2019年3月9日のイベントのようすとあわせて美観地区の夜の魅力を紹介します!
記載されている内容は、2019年3月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
倉敷春宵あかりのデータ
名前 | 倉敷春宵あかり |
---|---|
期日 | 2019年3月9日、3月16日、3月17日 午後6時から午後9時まで(一部除く) |
場所 | 倉敷美観地区 |
参加費用(税込) | 無料 |
ホームページ | 第13回倉敷春宵あかり2019 |
倉敷春宵あかりとは
1993年(平成5年)3月より始まった、倉敷駅周辺をイルミネーションで彩る「スターライトアベニュー」が前身となっています。
倉敷駅北口周辺(当時あった倉敷チボリ公園も含む)や、倉敷駅南口から美観地区付近までを春の期間に盛大にライトアップし、2005年(平成17年)の3月まで行われていました。
そして、翌年の2006年(平成18年)より「倉敷春宵あかり」と名前を変え、倉敷美観地区の和の景観に合う夜間照明イベントとして生まれ変わり、2019年で13回目を迎えます。
2011年は東日本大震災のため、中止しています。
倉敷春宵あかりを取材した日は2019年3月9日。
第13回倉敷春宵あかりの日程は、以下のとおりでした。
- 2019年3月9日(土)
- 2019年3月16日(土)
- 2019年3月17日(日)
時間は午後6時から午後9時まで(一部除く)、倉敷美観地区一帯が会場になっています。
オープニングセレモニーのようす
初日の3月9日は、大橋美術館前の今橋で午後5時30分からオープニングセレモニーが始まりました。
伊東香織(いとう かおり)倉敷市長のあいさつに始まり、小林清彦(こばやし きよひこ)倉敷観光コンベンションビューロー会長の開会宣言でイベントが幕を開けます。
井上稔裕(いのうえ としひろ)岡山西農業協同組合理事は、
「全国で2番目に多く出荷している倉敷船穂(ふなお)産のスイートピーがイベントに花をそえることができ、大変嬉しく思います。倉敷のスイートピーの特徴は花の色が豊富なことです。色と香りを楽しんでみてください」
とお話されました。
倉敷川沿いの協力店舗前に、色とりどりのスイートピーが飾られ、まちに春の彩りを添えます。
つぎは、真備町地区のまちおこしとして1996年(平成8年)に活動を開始した、「真備町竹のオーケストラ」の演奏です。
優しい竹の木琴の音色が響き渡ります。
真備町の竹工芸にたずさわるひとの手づくりで作られた、竹楽器で演奏された「ふるさと」。
心にしみわたる演奏が、次第に暮れてきた美観地区を包みました。
「真備町竹のオーケストラ」による、「春宵コンサート」
午後6時30分からは、倉敷物語館で春宵コンサートが行われました。
オープニングセレモニーはまだ明るかったのですが、わずか1時間ですっかり日が落ちて暗くなり、宵あかりをより楽しめる時間になりましたね。
オープニングセレモニーでも素敵な演奏を披露した、「真備町竹のオーケストラ」による公演です。
「真備町竹のオーケストラ」で使っている楽器は、平成30年7月豪雨で被害をうけ、錆びてしまったり壊れてしまったそうです。
竹のオーケストラの団員のかたが活動を再開するために、ツイッターで「助けてほしい」と呼びかけました。
その呼びかけをうけて、岡山県内のかたに電子ピアノとグロッケンを提供してもらうことができ、また竹楽器はボランティアのかたが洗って修繕して、この日のコンサートをむかえることができたそうですよ。
オープニングでは緊張しているように見えましたが、次第に笑顔もあふれ、楽しんで演奏されているようすが伝わってきます。
「今日の日を迎えられたのは、たくさんのひとにお世話になったからです。これからも応援よろしくお願いします」と団員のかたが最後に挨拶をされました。
小学生から年配のかたと幅広い年齢のかたが、今回新しく新調したユニフォームに身を包み、息を合わせて演奏している姿には、元気をもらえますね。
竹のオーケストラの演奏は、3月9日のみ
美観地区の景観と調和する「切子あかり」
正三角形と正方形の十四面体である切子にあかりをともした、「切子あかり」のようすを紹介します。
切子あかりは筆者のオススメです!
倉敷物語館で受付の業務やイベント企画をし、切子あかりを制作している須山さんにお話をお聞きしました。
今回は和のテーマで切子あかりを制作しました。紙風船をイメージして作った新作の切子あかりもあります。
2019年3月9日は春宵コンサートのステージになったため、本館に切子あかりは飾れないのですが、3月16日と17日は本館も使って展示する予定です。
その日のインスピレーションで展示していますので、また違った雰囲気の切子あかりを楽しめると思います。
ミニ切子ちょうちんのワークショップも、先着で1日15名限定にはなりますが行われます。よろしければ、この機会に制作してみてくださいね。
春宵あかりのイベント日以外でもワークショップは開催されますので、気になるかたは問い合わせしてみてください。
まちあるきを楽しめる、影絵あかり『春宵歳時記』
2019年3月9日から3月17日の期間中、日没から午後9時まで毎日開催の「影絵あかり」を紹介します。
まずは、きびだんごでおなじみの廣榮(こうえい)堂倉敷雄鶏(ゆうけい)店の影絵あかりです。
普段とは違った、町屋の風景に溶け込む影絵の映像は、風流がありますね。
大橋家住宅では、南北2か所で影絵あかりを楽しめるので、行ってみました。
道沿いのため車もとおりますので、撮影時は注意して撮影してください。
プロジェクションマッピングで障子に映され、各所でそれぞれ違う映像を楽しめます。
影絵あかりは今回、全部で8か所!
影絵あかりを探しながら夜の美観地区散歩もオススメです。
キャンドルカップに願いをこめた、「願いあかり」
キャンドルカップに願い事を書いてあかりを入れ、倉敷川の道沿いに展示する「願いあかり」へ。
水面に映る情景は昼間とは違って、幻想的な雰囲気が広がっています。
多くのひとの願いが書かれた、小さなあかりたちが倉敷川沿いに約300個並びました。
「家族みんなで幸せにすごせますように」
「笑顔ですごせますように」
さまざまな願いが書かれたあかりが、倉敷川を色彩豊かに縁取っていました。
願いあかりは、3月9日のみ
日本庭園が見事な、「新渓園(しんけいえん)あかり」
つぎに、「新渓園あかり」へと移動しました。
▲新渓園のお庭のようす
昼間とは違った雰囲気の庭園を縁側から眺めて、のんびりと春の夜を楽しんでみてください。
写真映えする人気の「和傘あかり」
さいごは、大原家旧別邸・有隣荘まえの通りに和傘を並べて照らす、「和傘あかり」へ。
倉敷美観地区の白壁に映える、赤、緑、橙のやさしい和傘のあかりと、キャンドルの炎が倉敷川周辺を演出しています。
人気のためかなりひとが多く集まるので、譲り合って写真を撮ってください。
夜の美観地区あるき
春宵あかりのイベント日は、お店もにぎわっていました。
通常は夕方に閉まるお店も、イベントに合わせて営業されています。
春宵あかりは午後9時まで。
午後9時を過ぎてしばらくすると、いつもの静かな夜の美観地区へと戻ります。
中橋から眺める旅館くらしきや、くらしき桃子の建物が筆者はお気に入りです。
▼今回撮影協力していただいた佐々木敏行さんに、夜の美観地区で気に入っている場所で写真を撮っていただきました。
どこの場所かわかりますか?
昼間は大勢のひとで賑わう、あの路地ですよ。夜は静まりかえって、全く別の雰囲気を感じます。
「蒲鉾」の看板がヒントですね。ぜひ、さがしてみてください。
おわりに
夕暮れから始まった春宵あかりのイベント。
春宵あかりが終わって、静まりかえった夜の美観地区を今回紹介してきました。
時間が経つごとに雰囲気がかわっていくようす、伝わりましたか?
「春宵あかり」は、華やかにライトアップされた美観地区の夜を楽しめるイベントです。
スペシャルデーの2019年3月16日・17日は、さらにあかりが増えます!
- 路地あかり
- 街並みあかり
- 竹あかり
- 花とうろう
- 夢桜
春宵あかりは春の訪れを感じることができる、筆者が一番好きな美観地区のイベントです!
美観地区の夜は昼とは違った雰囲気を堪能でき、格別な時間を味わうことができます。
夜風を感じつつ、倉敷川の水面に映る建物や街灯を眺めながら、ゆっくり歩いてみてはいかがでしょうか。
きっとあらたな倉敷美観地区の魅力と出逢えるはずです。
- 撮影:佐々木敏行
倉敷春宵あかりのデータ
名前 | 倉敷春宵あかり |
---|---|
期日 | 2019年3月9日、3月16日、3月17日 午後6時から午後9時まで(一部除く) |
場所 | 倉敷美観地区 |
参加費用(税込) | 無料 |
ホームページ | 第13回倉敷春宵あかり2019 |