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徒歩圏内にたくさんの民芸品店が集う倉敷美観地区
柳沢さんに案内してもらい、倉敷美観地区内のセレクトショップを巡りました。
倉敷民藝館売店

倉敷民藝館の売店では倉敷や岡山の民芸品はもちろんのこと、全国各地の民芸品を取り扱っています。
絵葉書など普段から使えるようなお手頃価格のものもあるので、倉敷民藝館に来た記念に手に取れるものが多いという印象を受けました。
滔々toutou 倉敷民藝館南店

滔々toutou (とうとう)は、国内の工芸品の紹介と宿泊施設を運営するお店です。
キッチン用品など、生活の道具として使われるものが使う順番に陳列されています。自然光が入り、垢抜けた印象のお店です。
滔々toutou Gallery

滔々toutou Gallery(とうとう ギャラリー)は、さまざまなジャンルの現代作家による工芸品を販売しています。
店内の商品も洗練された印象で、作品を鑑賞しているような感覚を覚えました。
工房イクコ

工房イクコは、倉敷美観地区から少し離れた倉敷市芸文館横に位置するギャラリーです。女性ものを主としたアパレルメーカー「IKUKO」を母体にできた、アートやクラフトを扱うお店です。工芸作品も全国的に知られた作家から、岡山で頑張る若い作り手まで幅広く販売しています。
2階建てになっており、2階では定期的に工芸作家の展覧会も開催されているそうです。
プラスワンギャラリー +1GALLERY

プラスワンギャラリーは、日本郷土玩具館に併設されているギャラリーです。
ガラス・陶器・人形・アクセサリー・インテリアまで、クラフト作品を中心とした多種多様な作家の展覧会も定期的に開催されています。
アチブランチ

アチブランチは、林源十郎商店内にある紙・布・木をはじめとする素材を生かした商品が並ぶお店です。こちらも、併設するギャラリーで定期的な展示があります。
他のギャラリーはガラス作品や陶器などの展示が中心ですが、アチブランチでは傘や文房具など、家の外に持ち歩きたくなる手仕事の道具も多く展示されているのが特徴です。
融民藝店

倉敷民藝館は民藝を「見せる」場所、融民藝店は民藝を「配る」場所として、1971年から続く民藝の店です。店主や前店主が実際に足を運んで買い付けてきた作品の数々に、全国からファンが集うお店です。
どれも実用的な作品ばかりで、手に取りやすいお値段のものも並んでいます。店主が実際の使いかたや作り手の思いを教えてくれるので、じっくりと自分の生活に合うものを選べそうな印象を受けました。
同じ作家の作品でも、お店によって少しずつラインナップが異なる
徒歩でまわれる範囲に、何軒もの民芸品のあるお店が並ぶ倉敷美観地区。
競合店なのかと思いきや、同じ作家の作品でもお店によってラインナップが少しずつ異なるのだそうです。
お店の雰囲気に合わせて、作家も「このお店には、こういう作品を置きたい」と考えて制作しているため、どのお店のスタッフも「あの作品は、あちらのお店にありますよ」と親切に教えてくれます。
セレクトショップを巡る散歩を終えて、柳沢さんは次のように語りました。
「美観地区のように、狭い範囲にギュッと大原美術館に倉敷民藝館、そして個性的なショップが集まる街はとても珍しいです。自分の暮らしに取り入れたい作品に出会いやすい街だと思うので、ぜひさまざまな店をまわってそれぞれのお店を見比べる楽しみを味わってください」
おわりに

私自身も、倉敷に来てから生活の道具を美観地区のセレクトショップで手に入れることが増えてきました。
それは実際に作り手の思いを直接聞ける機会や、手仕事の道具を実際に使うかたから「こんなふうに使っているよ」と、生活のなかに取り入れるイメージを教えてもらう機会が移住前と比べて増えたからのように思います。
それは、民藝運動の時代からそれに賛同して支援し、民藝運動を支持した作家たちとの交流が活発だった地域性も大きく影響しているのでしょう。
大原美術館工芸館や倉敷民藝館をゆっくり鑑賞したあとは、倉敷美観地区を散策しながら、自分の暮らしに合う手仕事の道具を探す旅に出かけてみてはいかがでしょうか。