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おやカンパニー代表・松江つぐみさんにインタビュー
「今年一年は、来年につながる学びの年にできたらと思っています」といいつつ、新しい活動を提案してくれた代表の松江さん。
活動の源になる思いについて聞きました。
おやカンパニーのきっかけ
おやカンパニーをはじめたきっかけを教えてください。
松江(敬称略)
ちょうど新型コロナウイルス感染症が流行して、初めて緊急事態宣言が出たころと、末っ子の出産が重なりました。
退院後のちょっとしたことも、どうしたらいいかわからない不安があったり、自由にできない制限があったりして、「こういうこと、他のひとはどうしているんだろう。同じことで困っているひともいるんじゃないか」と思ったんです。
末っ子の妊娠を機にいったん止めていたんですが、実は過去に起業してイベント開催やスペースづくりをしていたことがありました。
自分にできることはないのか、やりたいことはないのかと思ったときに、もう一度やってみようと思ったんです。
もともとやっていたんだし、つながりがあれば助け合えるんじゃないかと思って。
それで、もともと地域福祉に興味を持っていた知人たちに声をかけて、2020年5月に任意団体を立ち上げ、自分自身の体験をもとに、お弁当配達を秋ごろから始めることにしました。
わたし自身、県外出身で友だちや知り合いがいないなかで、出産・子育てを経験しました。
三人目を出産したときに実家から親が来て食事を運んでくれて、本当に助かったことが、お弁当配達をしようと思ったきっかけです。
産前産後の活動のひとつですね。
松江
そうです。
お弁当配達は、一日20食限定なので、家族4~5人分まとめて注文をもらうと、4~5家族分で終わってしまうんですが。
産後6か月ごろまでを目安にしつつ、希望があれば延長して配達するようにしていました。
産前産後の活動として、ほかにもファミリーマルシェというイベントを年に二回しています。
産後ママでも、起業したり、自分の好きなこと、やりたいことがあったりするひとがいます。
そのひとたちがやりたいことを形にしてマルシェに参加し、その姿を見たひとが「なんか、いいな」と感じて、自分に自信を持ってもらえるといいなぁと思うんです。
そういう活動をしているうちに、自分の好きなことはつながっていくことなんだなぁと気づいて、こんなことをやってみようとか、今までの人脈をつないでいこうと思いはじめました。
つながっていくことで見える、おやカンパニーさんが目指すビジョンはどんなものですか。
松江
おやカンパニーの活動の場所で出会ったひとたちが、何か一歩踏み出せるというか。
交流ができる場をつくっていくことで、いろいろなひとと助け合いながら生きていける社会にできたらな、と思います。
自分のやりたいことを自信を持ってやってもらえるような活動ができたらいいなと思うんです。
子どもを連れてあちこちに行くのって大変だけど、子連れで行っても受け入れてもらえる場所もあるし、自分がやりたいことを子どもが小さいからって諦めるのも、気持ちのなかではなかなかできないですよね。
それよりは、やりたいことをやって、その分子どもにもしっかりかかわってやっていけたら、大変だけど息抜きにもなるし、楽しいですよね。
助け合うことで、一人ひとりの活躍を目指す
活動内容は子育て支援という言いかたになるかもしれませんが、お話を聞いていると、おもに子育てを担うことが多い女性自身の活躍を応援したい、というメッセージがあるように感じました。
松江
そうかもしれないです。
わたし自身が自分のやりたいことをいまだに探しているようなところもあります。
自分の得意なことを探しているというか。
できないなぁと思っても、いざやってみたらできる経験もしてきて、誰にでもそんな活躍の場所があるといいなぁと思います。
いろいろなひととつながって、助け合っていきながら、自分がやりたいことをして活躍できるように、ということですね。だからこそ松江さん自身が経験した困りごとをいかして、ほかのひとが困らないようにという思いも感じます。
松江
経験といえば、経験したことや見たことがあるものからしか、提供できないと思っていて。
そんなときに、わたし自身がつなげる立場になりたいです。
たとえば、子どもの発達や学校の行きにくさなどで悩んでいるひとがいるとしたら、わたし自身は同じことで悩んでいなくても、いろいろな団体や人物とつながっていることで、悩んでいるひとと同じ悩みのひとや団体をつなげられます。
そんな立場になりたいですし、悩んでいるひとたちの思いをくんで、団体を立ち上げたい、何かしたいんだというひとがいれば、背中を押す立ち位置でもありたいと思っています。
2023年5月に開催していた、居場所異業種交流会・マスク舞踏会は、まさに何かしたいひとの背中を押すイベントですね。
松江
そうですね。
そこで出会って、「こういうのがやりたい」と話してくれたひとが、今は団体を立ち上げて活動されています。
一歩を踏み出す勇気って難しいというか。
誰かがやっているのを真似しながら、自分らしく活動できたら、それがいちばんいいと思うんです。
「やりたい」を原動力に
やりたいことを形にしていくのは、大変ですがきっと楽しいですね。松江さんが体験した大変なことがあれば教えてください。
松江
「ひととのやり取り」ですね。
同じ思いを持っているけれど、性格や価値観は違いますし、ここは譲れないというものや方向性が出てくることがあります。
その結果、別の道を選ぶこともありますよね。
なので、どうやって伝えようか、伝えるべきかどうかで悩むことも。
妥協すれば、自分のやりたいことがくずれることもあります。
もう一言を言わなかったばっかりに、周りからネガティブな反応が返ることもありました。
ひとですから、相手によって受け取りかたが違って誤解を招くこともあるので、難しいなぁと感じることがあります。
家にひきこもって自問自答しながら、数日かけて自分の道はこれだなと思っては、また進み、という感じです。
大変なときに、「やっぱりこれだな」という、最後に戻ってくる思いはなんですか。
松江
挑戦です。
やりたいと思うことが明確に自分のなかに決まっていても、ネガティブな意見や反応があれば、やっぱり落ち込みますよね。
落ち込むけど、そんなときは考え方も変えながら、何日か何週間か自問自答してみるんです。
でもやっぱりやりたいとなれば、挑戦する。
そうして一歩進めたときに、ぱぱぱぱっとものごとが進んでいくこともあって、あ、これで良かったんだなとか。
自分のやりたいことが明確になって、その目標に向かっていけばいいんじゃないかなと思います。
まさに、やりたいことをして活躍する、の体現ですね。では、これまでのうれしかったことは何でしょうか。
松江
うれしい感想をもらったときです。
「気持ちが落ちていたけど、この場でこのひとと会えて、こういう声をもらったから、立ち直れました」っていうプラスの声をもらったときに、やって良かった!と思います。
その感想を周りで聞いていたひとが団体のことを知って、一緒にやりたいと思ってくれたり、その場にいたボランティアさんがこれからもがんばりたいと思ってくれたりもするので。
今後の活動について教えてください。
松江
2023年は、助成金なしで活動する初めての年です。
これまでは緊急事態宣言のなか、待ってくれているひとがいるかもしれないという思いもあり、毎月やってきました。
小さい子どもがいるスタッフもいるので、2023年は今までよりもゆっくり活動しようかと話しています。
個人的には、学ぶ機会が巡ってきているので、ちょっとずつ知識を増やして、地域で何が困っているのかを探りながらできるかなと思っています。
ゆっくり活動をとのことですが、「いちゃりば」は今年(2023年)から始まる活動ですね。
松江
はい、「いちゃりば」は2023年7月に初開催しました。
親子でいちゃいちゃしながら過ごせる場所ができたらなぁと思って。
県外や学区外から来たひとたちも、この場所で参加者同士や、スタッフとつながって、そこからまた別の活動や団体、専門家につながれる場にしたいです。
ゆいまーるに来てくれるお父さんもいるんですが、「いちゃりば」にお父さん向けの講座も取り入れたいなと思っていて。
男性と女性で視点、観点が違うんですよね。そういうことが伝えられたらなぁと思います。
おわりに
取材中、何度も「つなぐ」、「つなげる」という言葉が出てきました。
ひととのやり取りに取り組み、やりたい気持ちを原動力に、いろいろなひととつながっていく代表の松江さん。
松江さんが活躍する姿が、おやカンパニーそのものだと感じました。
親でも、親でなくても。子育てをしていても、していなくても。
困っていれば助け合い、「何かをやりたい」ひとが活躍できる社会をめざして。
経験とつながりで一人ひとりを応援してくれる、松江さんとおやカンパニーの活動から、これからも目が離せません。
おやカンパニーのデータ
団体名 | おやカンパニー |
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業種 | |
代表者名 | 松江つぐみ |
設立年 | 2020年5月 |
住所 | |
電話番号 | 090-3378-2597 |
営業時間 | 各活動、イベント開催は、Instagramで確認ください。 |
休業日 | |
ホームページ | おやカンパニー |