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とら醤油・村上取締役へインタビュー
とら醤油の村上 幸弘(むらかみ ゆきひろ)取締役・製造部長に話を聞きました。
醤油をめぐる環境の変化について
村上
とら醤油では地元の嗜好に合わせた商品づくりにこだわっています。
じつは、醤油の味は地域によって特徴がちがうんですよ。
醤油の嗜好は、西にいくほど甘い味の醤油が好まれる傾向があります。
岡山県では甘めの醤油です。
ちなにに、九州にいくともっと甘いものが好まれます。
いっぽうで、昔ながらの醤油の味にこだわった商品もそろえていますよ。
村上
トモエブランドは、もともと岡山市のトモエ醤油という会社のブランドでした。
もともと、とら醤油の先代社長とトモエ醤油の専務が農業大学の先輩・後輩の間柄だったのです。
しかしトモエ醤油は廃業することになってしまいました。
そこで、懇意にさせてもらっているご縁から、とら醤油が伝統あるトモエブランドを継承することを決めたのです。
村上
一番大きな変化は、食の欧米化ですね。
食の欧米化が原因で、醤油の需要が落ち込んでいます。
以前は醤油の仕込みは年中おこなっていました。
それが、いまでは縮小傾向になっています。
村上
醤油の需要は減少傾向ですが、醤油加工品の需要は伸びています。
そのため醤油加工品の製造を増やしてきました。
「黄ニラしょうゆ」など、とら醤油ならではのオリジナリティーのある商品に力を入れています。
またギフトセットなど贈答用の商品もそろえました。
村上
海外需要も増加傾向ですね。
ポイントは、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたこと。
これがきっかけで海外での需要が伸びました。
特にアジア圏、中でも中国での販売が増加しています。
中国では「根昆布だし醤油」が人気です。
ほかにもトマトソースなども売れていますね。
中国は一人っ子政策の影響で子供を大事にする傾向があります。
そこで、中国では子供向け商品に力を入れているところです。
平成30年7月豪雨の影響について
村上
豪雨災害では、幸い社員に被害はありませんでした。
また、とら醤油のある酒津は、地理的に水害にあいやすい場所ですが、会社の施設への被害も免れました。
しかし、取引先や社員の家族が被災しています。
私の家族も被災したので、とても心配でした。
また、真備町にある取引先の飲食店も被災しています。
私も片付けを手伝いにいきました。
真夏で暑いうえ、飲食店なので食材の腐敗などもあり、片付けが大変だったのをよく覚えています。
醤油づくりにかける想いについて
村上
地元食材を積極的に使うことで地域に貢献したいと思っています。
「黄ニラしょうゆ」や「パクチードレッシング」などのような、地元の食材を使った商品をさらに手掛けていきたいですね。
たとえば、岡山県の特産であるマッシュルームを使った「ブラウンマッシュルーム醤油」や、岡山県産ゆず果汁を使った「ゆずしょうゆ」などもつくりました。
村上
とら醤油では、家庭の団らんのためにおいしい商品を届けることで、地域を元気にしたいという思いで、創業以来、醤油づくりをおこなってきました。
また、子供が安心して食べることができるような商品づくりをし、食の安全・安心・信頼を実現するのも大切なテーマです。
今後も地域を元気にするような商品をつくっていきたいと考えています。
おわりに
創業150年以上の老舗でありながら、新しい商品づくりを積極的に開発するとら醤油。
そこには創業以来の「食の安全・安心・信頼」や「商品を通して家庭の団らんをつくり、地域を元気にしたい」という思いがあると感じました。
長いあいだ、岡山県の地でトラのマークの商品が根付いているのは、とら醤油の地域に貢献したいという真摯な気持ちがあるからではないでしょうか。
そんなとら醤油の商品は、公式オンラインショップ・とら醤油本社・倉敷市を中心とした岡山県内の主要スーパーマーケット・食料品販売店などで買うことができます。
また、倉敷美観地区でも購入可能です。
倉敷名産館などで取り扱っていますので、手に取ってみてはいかがですか。
とら醤油 株式会社のデータ
団体名 | とら醤油 株式会社 |
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業種 | 食料品製造業・販売業(醤油・調味料・味噌・飲料水・酒類など) |
代表者名 | 三宅 正記 |
設立年 | 設立:大正7年(1918年)、創業:万延元年(1860年) |
住所 | 岡山県倉敷市酒津2362 |
電話番号 | 086-422-0233 |
営業時間 | 午前8:00~午後4:45 |
休業日 | 土、日、祝日 |
ホームページ | 醤油醸造 醤油づくり こだわり醤油 醤油加工品 とら醤油|岡山県倉敷市 |