倉敷市老松町に古民家をリノベーションしたカフェがあります。連日、ランチやカフェの利用でにぎわうcafe「庭とブンガク」です。過去2回、倉敷とことこで取材しました。
店を営むのはパティシエの中原詳介(なかはら ようすけ)さん。
「新しいプリンができたんですよ。ぜひ来てください」と中原さんから連絡が入った流れから、筆者は店の取材をさせてもらうことに。
「cafe『庭とブンガク』といえばプリン」と想像するファンも多いなか、新たなプリンが誕生したとは。
わくわくしながら店に向かいました。
記載されている内容は、2024年6月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
本と日本庭園に囲まれたカフェ
倉敷駅近くの住宅街にあるcafe「庭とブンガク」。今は店舗を構えていますが、「まぜこぜ菓子店」の名で、三輪車を押しながらお菓子を販売するところから生まれた店です。2022年にはリニューアルをし、内装が大きく変わりました。
店内には、日本庭園に向かって設けられたカウンター席や大きな本棚があります。
至るところに小さな本棚もあり、まるで店全体が本に囲まれているよう。席によって、雰囲気も異なります。
これまで、販売方法を変えたり、店のリニューアルをしたりしてきたcafe「庭とブンガク」。新しいプリンが生まれたのも自然な流れなのかもしれません。
家でもかわいく食べられるプリン
これまで、店では2種類のプリンを提供してきました。昔ながらの硬めな「硬めプリン」と口溶けの良い「なめらかプリン」です。どちらもひっくり返し、かわいらしい姿で提供されます。
cafe「庭とブンガク」に限らず、カフェや喫茶店ではプリンを注文するとひっくり返った状態で運ばれてくるので、その姿になんの疑問も抱かないでしょう。しかし、家で手作りプリンを食べるときは、容器のままスプーンですくって食べるのでは。
「プッチンプリンのように、家でも店で買ったプリンをひっくり返して、かわいい姿で食べてほしい」との想いで、これまでのプリンを改良した中原さん。家でも簡単にひっくり返せるようになりました。
可愛すぎるプリン(硬めプリン)
レトロプリンの硬めのプリンは、テイクアウト用のメニュー名だと「可愛すぎるプリン」、店内では「硬めプリン」です。
可愛すぎるプリンは、ひっくり返しかたが書かれたイラストを添えて販売しています。イラストがかわいらしいですが、容器は非常にシンプルです。ひっくり返してさらに見た目をかわいくしましょう。
店長の中原さんが、やりかたを実演してくれました。コツは素振りをするように、身体を勢いよくひねること。
遠心力によって、容器からするりとプリンが落ちるのだとか。ひねるのは1回で十分です。
ひねった後は、プッチンプリンの要領で容器を逆さまにして器に盛るだけ。カラメルソースのかかったプリンが出てきました。容器に入ったままを食べるより、ひっくり返したフォルムのほうがかわいいですね。
店内用の「硬めプリン」の盛り付けにしてもらいました。トップに生クリームと真っ赤なサクランボが載って、ますますかわいい見た目に。
硬めな仕上がりですが、口に入れるとなめらか。卵のやさしい風味が口に広がります。ボリュームがあるので、プリンをしっかり食べたいならこちらのプリンが良いかもしれません。
カラメルはほろ苦で、プリンとの味のバランスがちょうど良い。見ても食べても満たされる一品でした。
クレームランヴェルセ(なめらかプリン)
もうひとつのプリンは、テイクアウト用のメニュー名は「クレームランヴェルセ」、店内では「なめらかプリン」です。原材料でもっとも多くを占めているのが生クリームなのは驚き。卵は、可愛すぎるプリンは全卵を使用するのに対し、クレームランヴェルセ(なめらかプリン)は卵黄のみだそうです。
クレームランヴェルセもひっくり返せるのですが、形を保つのがぎりぎりなほど、やわらかいため専用のヘラを使って容器から出します。ふちに沿ってヘラを入れて……するり。カラメルソースのかかったプリンが出てきました。
こちらも、店内用の「なめらかプリン」の盛り付けに。生クリームがたっぷり使われている、ぜいたくなプリンです。
可愛すぎるプリンより、すっとスプーンが入ります。食べる前から、よりなめらかなのが伝わってきました。口に運ぶと、つるんとした食感。世の中にこれ以上なめらかなものが存在するのかと思うほど。すぐに口のなかで溶けていきます。バニラが香る上品なプリンです。
見た目は似ていますが、味も食感も違う、さらに進化した2種類のプリンを堪能しました。プッチンプリンのように特殊な容器ではない場合、ひっくり返すにはゼラチンが必要なのだそうです。しかし中原さんは無添加で、家でも簡単にひっくり返せるよう、研究を重ねました。失敗を繰り返し、構想から完成まで3年ほどかかったといいます。
気軽にテイクアウトできる「まぜこぜ菓子店」
今までは、店内でテイクアウト用に焼き菓子やケーキを販売していました。2024年から店の車庫に車を置いて、そこで販売するように。店名は、美観地区の三輪車時代のものと同じ「まぜこぜ菓子店」です。
車は、まぜこぜ菓子店をはじめるために購入したのだとか。車内に冷蔵のショーケースを設置し、冷蔵品も販売。上のショーケースには焼き菓子があります。まさに小さな菓子店です。
各種ケーキのほか、可愛すぎるプリンとクレームランヴェルセも購入できます。
中原さんによると「プリンバターサンド」もおすすめとのこと。アーモンドが香るクッキーで、バタークリームとプリンが混ざり合ったクリームをサンド。フルーツは季節によって変わります。
プリンの変わり種のスイーツといって良いのでしょうか。たっぷりのクリームでカロリーは高めですが、好きになったら最後。掴んだ心を離さない罪深いスイーツです。
まぜこぜ菓子店は基本的に無人なので、購入品が決まったらボタンを押して店員を呼びましょう。
店内に入らず、その場で買い物ができるので、大変便利です。
スイーツの改良、店のリニューアルなど進化し続けるcafe「庭とブンガク」。店長の中原詳介さんに話を聞きました。
cafe「庭とブンガク」のデータ
名前 | cafe「庭とブンガク」 |
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住所 | 岡山県倉敷市老松町3-14-45 |
電話番号 | 080-7459-0572 |
駐車場 | あり 難波駐車場の黄色いポール7台分 |
営業時間 | 午前11時~午後5時(ラストオーダー午後4時) |
定休日 | 日 まぜこぜ菓子店の営業は木~土曜日 |
支払い方法 |
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予約の可否 | 可 午後5時以降の利用は要予約 |
座席 | 22席 テーブル席:16 カウンター席:4 ソファ席:2 |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | |
バリアフリー | |
ホームページ | cafe「庭とブンガク」Instagram |