株式会社廣珍 〜みんなの「美味しい!」のために、地域とつながり続ける飲食店グループ

店の前に並ぶスタッフ

株式会社廣珍社長へのインタビュー

堀広司(ほり ひろし)さん

株式会社廣珍の社長 堀広司(ほり ひろし)さんに、みんなの「美味しい!」のために事業を拡大し続ける廣珍で行っている取り組みを取材しました。

玉島に根差した専門性のある飲食店

廣珍が系列店の展開に踏み切った経緯を教えてください。

堀(敬称略)

廣珍は、先代の利廣が当時珍しかった中国料理で玉島の人たちにお腹いっぱいになっておいしいと喜んでもらいたいと思って開業しました。その頃から、地元玉島の人たちに食で感動を届けたいという思いは変わっていません。

廣珍が初めてフランチャイズ店をオープンした1996年は、玉島に全国チェーンの飲食店はまだなかったので、外食の選択肢は限られていました。しかし、中国料理廣珍では中国料理のみの提供となります。

専門性のある飲食店ができたら外食の選択肢が広がるだろうと考えて、系列店を展開しました。

どの系列店も「地産地消」を大切にしていると聞きました。

地域に根ざした飲食店なので、地域の食材を使うことは当たり前の流れだったように思います。

例えばお野菜やお米は玉島の契約農家さんにお願いしていますし、お醤油や味噌は玉島味噌醤油さんのもの、お酢やソースは豊島屋さん、卵はのだ初さん、お酒は菊池酒造さんと取引をしています。

今後も、飲食店として地域の食を守る役割を担っていきたいと思います。

「言語化」を大切にした社員教育

系列店ができることによって、従業員もメニューも増えましたよね。
そのような中でも創業時の理念を共有し続けられる秘訣はありますか。

従業員は、アルバイトやパートの方々を含めると100名近くになりました。年齢層も17歳から76歳まで、幅広く働いてくれています。

店舗も複数あり、同じ倉敷市内とはいえども離れているので普段から顔を合わせる機会はありません。このため、年に3回社員全員が集まって「パワーアップミーティング」と名付けている全体ミーティングをしたり、「委員会」という横のつながりを作って日々情報交換をしたりする機会を設けています。

パワーアップミーティングの様子(写真提供:廣珍)
パワーアップミーティングの様子(写真提供:廣珍)

「パワーアップミーティング」は、1月・6月・11月に開催していて、この日は全店舗をお休みしています。11月は社長の私が次年度の方針を発表し、1月は各店の店長が店舗ごとの方針を発表、6月に中間報告をして各店がどのような方針で運営しているかを共有する仕組みです。

もちろん社員一人一人にも年間の目標を立ててもらいます。それと廣珍の経営理念やお仕事で気をつけることなどを毎年一冊の手帳にして、全員がいつでも見られるように工夫しています。

手帳

というのも、私たちのお店には高校生のアルバイトもいるのですが、彼らにとってはお料理を出して「いらっしゃいませ」と声を出すだけで精一杯の仕事なんです。でも、お客さんに喜んでもらうには、さらにサービスや工夫が必要になってきますよね。

だから、社員全体でミーティングをしたり目標を立てたりと言語化することで、一緒に働いている人や経営者がどのようなことを考えていることを知れます。料理を提供したりあいさつをしたりすることに慣れてきて、次のステップで何が必要なのだろうと思った時に手帳を開いたらヒントが出てくるように作っています。

地域から学び成長し続けたい

地域貢献活動にも、社員のみなさんと一緒に参加されていますね。

もともとは私や会長が個人的に参加していたのですが、社員やお客さんを巻き込んだら楽しそうだなと思いLINEの公式アカウントを使って募集したら、想像以上にたくさんの方が参加してくれました。

お客さんの中には玉島に長期出張で来られていて「休日に玉島のためにできることがあると思って参加した」というような方や、子どもと一緒に家族で参加される方もいます。

地元玉島のお店だからこそ、地元の方々にご近所さんの感覚でお誘いができるのかもしれません。

廣珍では地産地消を大切にしているので、地元玉島の食材を多く使っています。私たち自身も、ご近所との関係を大切にしたいですし、おもしろそうなイベントがあれば、ご近所のお客さんをお誘いします。

このような循環が生まれるのは、地元の飲食店の強みのように思いますね。

溜川清掃の様子(写真提供:廣珍)
溜川清掃の様子(写真提供:廣珍)

地域貢献活動で印象的だったエピソードはありますか。

廣珍では、中学生の職場体験や特別支援学校の現場実習も受け入れています。
その子たちに、廣珍のアルバイトが使うのと同じ業務の達成リストを使ったんです。

達成リストに書いてあるのは「テーブル番号を覚える」「お冷を持っていく」「笑顔で接客ができる」といったごく当たり前のことで、自分で達成できたと思ったら丸を書いて、指導者にできているかを確認して花丸を書いてもらいます。

「ハナマル表」と名付けられた達成リスト(写真提供:廣珍)
「ハナマル表」と名付けられた達成リスト(写真提供:廣珍)

私たちは当たり前のようにこの達成リストを使っていたのですが、これを見た学校の先生から「これは情報が視覚化されているので、特性のある人にとって非常に分かりやすい」とお褒めいただいたんです。

自分たちにとって使いやすいものが、どのような人にとっても使いやすいものであると言っていただけたのがうれしかったとともに、もっと積極的に使っていこうと思いました。現在は、バックヤードの見えやすいところに掲示して、どの店舗でも活用するようにしています。

バックヤードの様子(写真提供:廣珍)
バックヤードの様子(写真提供:廣珍)

このように、地域の方を受け入れることで私たちの業務の改善につながるのだと学ばせていただきました。

今後、どのような会社でありたいと考えていますか。

私たちは食べ物屋なので、まず一番はお客さんにおいしいものを食べて喜んでもらえる会社でありたいと思います。

そのためには、私一人の力だけでなく、店長さんをはじめとしたお店のスタッフみんなで「さあおいしい料理を食べてください」と、自信を持って言える会社であることが大切です。

社員教育やお店の組織作りのノウハウを蓄積してきているので、それらを生かして廣珍の料理をもっとたくさんの人に知っていただけるよう努力し続けます。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

私がおいしいものを作って食べてもらう仕事を、これからも一生懸命続けていきます。

ぜひ、廣珍の料理を食べにいらしてください。
みなさまのご来店を、心よりお待ちしています。

おわりに

私が初めて中国料理廣珍へ足を運んだ時、席についてメニューを眺めようとするとサッと店員さんがやってきて「メニューの説明をしてもよろしいですか?こちらは、季節限定のメニューとなっていておすすめなんです」とにこやかに教えてくれました。

この話を堀さんにしたところ、うれしそうな表情をして「季節限定のメニューは、各店舗で考え抜いたものを私たちが食べて、OKを出したものだけを提供しているんです。スタッフたちもまかないで何度も食べながら意見を交換して店全体で作っているものなので思い入れも大きいのでしょう」と教えてくれました。

廣珍はどの店舗も季節のメニューがあり、全メニューをこのようにスタッフ全員で考えながら自信作を出しているとのこと。

常に新しい挑戦をしながら進歩し続ける株式会社廣珍のさらなる活躍が楽しみです。

株式会社廣珍のデータ

外観
団体名株式会社廣珍
業種飲食業
代表者名堀広司
設立年1959年
住所岡山県倉敷市玉島乙島4701-1
連絡先電話:086-522-5188
ホームページ中国料理 廣珍 | みんなの「美味しい!」のために

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高石真梨子
高石真梨子
東北→九州→近畿→関東を経て、2023年12月に倉敷市地域おこし協力隊になりました。

音の世界と音のない世界の狭間に住んでいる、手話と日本語のバイリンガルです。障がいの有無にかかわらず、倉敷を旅して倉敷に住み続けたくなるような情報を発信していきます。

こんにちは、地域おこし協力隊です

県外から倉敷市への移住をより一層進めるため、Webを通じた生活者目線での情報発信や、移住関連イベントへの協力をミッションに活動しています。

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