好きな雑貨は、生活を潤わせてくれます。
お気に入りの器でおうち時間がより楽しくなったり、かわいいふきんを使うことで苦手な家事にちょっと前向きになれたり。
筆者は雑貨が好きで、数年前まで雑貨も扱うメーカーで働いていました。
わたしにとって昔から憧れの雑貨ブランドの代表が、倉敷意匠計画室。
「倉敷意匠計画室」唯一の直営店、愛着のわく生活雑貨が並ぶ「倉敷意匠アチブランチ」を紹介します。
2021年7月現在、短縮営業をしています。
営業時間:午前11時~午後4時
本記事は特別に許可をいただいて撮影しています。
記載されている内容は、2021年7月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
倉敷意匠アチブランチのデータ
名前 | 倉敷意匠アチブランチ |
---|---|
住所 | 岡山県倉敷市阿知2丁目23-10 林源十郎商店1階 |
電話番号 | 086-441-7710 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 午前10時~午後6時 (12~2月の平日のみ 午前10時~午後5時) |
定休日 | 月 月曜が祝日の場合は火曜へ振替 |
支払い方法 |
|
ホームページ | 倉敷意匠atiburanti |
倉敷意匠アチブランチは、JR倉敷駅から徒歩約10分です。
まず、倉敷駅南口を左に曲がり、美観地区・商店街方面へ進みましょう。
天満屋倉敷店の前を通ります。
先にある階段を左に降り、すぐ右の「ふるいち本店」のある角を右に曲がって路地に入ります。
商店街に突き当たったら、左に曲がってください。
倉敷センター街の路地を右に曲がりましょう。足元や立て看板では「美観地区」方面です。
センター街を抜けて「えびす通商店街」の看板のある角を左に入ります。
えびす通商店街のアーケードの出口を目指します。
えびす通商店街のアーケードを抜けて100メートルほどで、右手に林源十郎商店が見えます。
林源十郎商店の1階が、倉敷意匠アチブランチです。
倉敷意匠アチブランチとは
倉敷意匠アチブランチは、生活雑貨メーカー「倉敷意匠計画室」「倉敷意匠分室」の、全国初で唯一の直営店です。
倉敷意匠計画室は倉敷市を拠点とし、全国各地の作家や町工場の職人とコラボレーションしながら、オリジナルアイテムを企画販売しています。
全国の雑貨屋などに卸販売をしているので、もしかしたら倉敷意匠計画室のアイテムだと知らずに商品を手に取ったことがあるかもしれません。
「倉敷意匠アチブランチ」は、衣食住のデザインマーケット「林源十郎商店」の本館1階にあります。
旧薬屋を改装し、「豊かな暮らし」を提案する林源十郎商店。
その顔といえる「倉敷意匠アチブランチ」は、歴史ある建物にしっくりなじむ落ち着いた佇まいです。
約3,000種の商品が並び、そのほとんどがオリジナル商品。
店内は、以下の3つのスペースから成り立っています。
- 「倉敷意匠計画室」「倉敷意匠分室」の両アイテムのほぼすべてを販売する常設スペース
- 月替わりの展覧会を行なうギャラリースペース
- 不定期ながら、多方面の作家やアーティストによる講座を開催するワークショップスペース
倉敷意匠計画室の商品の特徴
「倉敷意匠アチブランチ」の商品は、日本全国で作られた味わいのある生活雑貨や文具。
心地の良いもの・ユーモラスなものなど、センスの良いアイテムを多数作っています。
商品は、代表の田邉真輔(たなべ しんすけ)さんが企画。
筆者が倉敷意匠計画室を知ったのは、学生時代でした。
いくつかの雑誌で、憧れの人の「お気に入り雑貨」として紹介されていたのを覚えています。
使用者が愛おしそうに商品を語るようすが、印象的でした。
全国にたくさんファンがいる倉敷意匠計画室。
制作する人の想いに共感して愛着が湧く、長く愛用したい、語りたくなるアイテムがいくつもあります。
倉敷意匠計画室の商品の一部を紹介
具体的にどのようなアイテムがあるのでしょうか。一部を紹介しましょう。
銅版転写のお皿
トラネコボンボンの「よく使う普通の洋食器」シリーズは、手に持ってみると少し重い、レストランで使われる形状の洋食器です。
業務で使われるということは、丈夫で扱いやすいということ。
あたたかみがあり野暮ったくなく、飽きが来ない形です。
現在市場に流通している模様の入ったお皿の多くは、お皿に釉薬(ゆうやく)をかけて焼いた後に、転写シートを貼り再度低温で焼成する方法で作られています。
トラネコボンボンの「よく使う普通の洋食器」シリーズや katakataの印判手皿には、「銅版転写」という技法が使われているのです。
特殊な和紙に顔料で絵柄を印刷し、手作業で水をつけて食器の素焼き生地に貼り付けて絵柄を写し、その後に釉薬をかけて焼くそう。
出せる色は限られますが、長く使っても絵柄が消えることがありません。
銅版転写の特性により、よく見ると和紙がしわになった場所に色ムラが出ていたり、にじんでいたりしているのです。
田邉さんは「かすれたりにじんだりしている商品を嫌な人がたくさんいることも、知っています。けれど、銅版転写の手法を使うことで出るこのニュアンスが、わたしたちは好き」といいます。
ピシッとしすぎない銅版転写の雰囲気が、心地よく感じられました。
ミシン刺繍のバッグ
ミシン刺繍(ししゅう)の作家によるバッグです。
もともと一点物で制作していた作品を、機械刺繍で再現しました。
機械刺繍は本来、プログラムを組むことで自動的に同じ絵柄を刺繍できます。
しかし上糸と下糸の太さを変え、糸調子をわざと狂わせているそう。
糸が引きつったり糸だまりができたりするのが、持ち味です。
少しずつ表情が違うので、ぜひ店頭で見比べてみてください。
ふつうの機械刺繍であれば、セッティングした後は放っていても完成します。
ですがこのシリーズは、あえて糸調子を狂わせているため、ときどき機械を止めて進行をチェックする余分な手間が発生するそうです。
田邉さんは、次のように魅力を教えてくれました。
「機械で作っても、均一でない仕上がりにする。それもある意味、職人の技術なんです。余分な手間が発生するけれど、その技術によって、普通にきれいに縫っているのとは違う味が出ます」
タオルハンカチやお弁当包などもありました。
ガラ紡のタオル
ガラ紡とは、明治初期に日本で考案された紡績機です。
ゆっくり糸を紡ぐため、最新式の紡績機と比べると能率は100分の1以下だそうで、均一化された細い糸は引けません。
糸が太くて不規則にデコボコがあり、毛羽立っていてゆるい、ガラ紡で作られた糸。
手で紡いだ糸と、とても近いのです。
ガラ紡が主力だった時代にはデメリットだった、糸の不均一さ。
均一な糸が容易に手に入る現在は、逆に「ガラ紡の風合い」を魅力と感じる人もたくさんいます。
現在ガラ紡で糸を紡ぐ国内の工場はほとんど廃業し、倉敷意匠計画室と取引していた工場では糸が作れなくなったそうです。
そのため日本のガラ紡を導入したラオスの工場で糸を作り、糸を日本の会社で編んでタオルにしています。
吸水率が高く、肌当たりがやわらかいタオルです。
伝票や事務スタンプ
ユニークでかわいい商品がたくさんある雑貨店の商品紹介として領収書を取り上げるのは、あまり適切ではないかもしれません。
でもこういう地味なアイテムが存在することが、倉敷意匠計画室のひとつの魅力だと思うのです。
個人的な話ですが、筆者がフリーランスになったときに困ったことのひとつが、手書きで使う複写式の領収書でした。
自分にしっくりくる既存の領収書が、意外とみつからなかったのです。
ごく一般的な事務的なもの、過剰に装飾的なもの、ガーリーなもの。
どれも需要があるとは思うのですが、わたしはあまり好きになれませんでした。
ネット上の情報もたくさん調べて「これだ」と思ったのが、倉敷意匠計画室の領収書です。
過度な飾り気はなく、シンプルでわかりやすく、嫌なところがない。複写式で台紙付き。
筆者にとって、必要条件を満たした等身大かつ最良の領収書だったのです。
倉敷意匠には、形違いや英語表記/日本語表記、お会計表やお取り置き表など、いくつかの伝票が揃っています。
暮らしのなかで、ニッチでも必要で「好きでない商品を使うのは嫌だな」と感じる道具があるのではないでしょうか。
目立たない商品でも、「これなら使いたい」と思えるセンスの良いアイテムが入手できるのは、とてもありがたいと感じています。
倉敷意匠の魅力的な商品は、どのように生まれているのでしょうか。
代表の田邉さんに、倉敷意匠計画室と倉敷意匠アチブランチの成り立ちや想いを聞きました。
倉敷意匠アチブランチのデータ
名前 | 倉敷意匠アチブランチ |
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住所 | 岡山県倉敷市阿知2丁目23-10 林源十郎商店1階 |
電話番号 | 086-441-7710 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 午前10時~午後6時 (12~2月の平日のみ 午前10時~午後5時) |
定休日 | 月 月曜が祝日の場合は火曜へ振替 |
支払い方法 |
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ホームページ | 倉敷意匠atiburanti |