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音楽図書室 〜 4,000枚のSPレコードと蓄音機でクラシック音楽が楽しめる。大原總一郎の「夢」が現代に息づく空間

音楽図書室 〜 4,000枚のSPレコードと蓄音機でクラシック音楽が楽しめる。大原總一郎の「夢」が現代に息づく空間

知っとこ / 2022.07.21

職員の笹岡和彦さん・大倉仁美さんインタビュー

左:笹岡和彦さん、右:大倉仁美さん
左:笹岡和彦さん、右:大倉仁美さん

職員の笹岡和彦(ささおか かずひこ)さん・大倉仁美(おおくら ひとみ)さんに話を聞きました。

音楽図書室の仕事はどんなもの?

音楽図書室の肖像画

音楽図書室で働いている職員さんは、どのような仕事を行なっているのでしょうか。

笹岡(敬称略)

倉敷公民館内の施設となりますが、音楽図書室の専属職員は現在2名です。

主な仕事は、レファレンス業務、図書・視聴覚資料の選定およびメンテナンス、書籍の貸出と倉敷公民館主催の音楽系の講座やイベントの企画・運営でしょうか。

お二人はずっと音楽図書室で勤めているのでしょうか?これまでのお仕事は?

笹岡

現在4年目ですが、以前は大学で音楽を教えていました。

音楽図書室の職員募集は大学によく来ていたんですが、学生で応募する人がいなくて……。

それで、軽い気持ちで「僕が行きましょうか?」といったら、そこからトントン拍子に進んで現在に至っています(笑)

大倉(敬称略)

私は5年目です。

それ以前も、音楽に関する仕事にたずさわっていました。

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音楽図書室の利用者には観光客も多い

SPレコードを聴く時間は贅沢なひととき

音楽図書室を利用するのは、どんなかたが多いのでしょうか。

笹岡

開館当初は高校生が多かったそうです。

当時は1969年(昭和44年)なので、中高生がレコードを買うにはお金がかかるということもあったのでしょうね。

現在では、「学生時代よくに利用していた」、「懐かしい」と言って来るかたも多くおられます。

市民のかたに加えて、観光客のかたもたくさん来られます。

美観地区のガイドさんも、音楽図書室を紹介してくださっているようです。

蓄音機でSPレコードを聴かせてもらいましたが、今の時代は逆に贅沢(ぜいたく)な体験とすら感じました。

笹岡

今は、スマートフォンなどで音楽が気軽に聴けるようになりましたよね。

だからこそ、図書室の静かな空間の中で、レコードに針を落とすという行為がものすごく贅沢に感じます。

今は自宅でもスピーカーで大きな音が出しにくいですし。

大倉

抽象的な表現ですけど、音楽を耳だけでなく、体全体で聴く感覚ってあると思うんですよね。

音楽図書室の仕事の「やりがい」

笹岡さん

話を聞いていると、お二人とも音楽図書室に強い愛着を持っているように感じます。仕事でのやりがいはどんなことでしょうか?

笹岡

音楽図書室は、僕にとってはすごく居心地のいい空間なんです。

僕は大学教員を退職したら、家で本を読んで、レコードをかけて、ピアノを弾いて過ごせたらいいと思っていました。同じようなことを、仕事としてさせていただいているのは、とてもありがたいですね。

また、もともと教員なので教えることが仕事でした。講座をいくつか担当させてもらえるのもありがたいです。教えるということは、2度勉強するということなんですよ。

ここの講座に来る人は、僕よりも年配のかたが多いんですけど、皆さんこっちをみて真剣に聞いてくれるんです。これはうれしいですね

やりがいを感じます。

ただ、1つだけつらいなって思うことはあります。

週5日勤務で、祝日も休みじゃないんですよ(笑)

倉敷公民館は祝日を除き、毎週月曜日が休館日

大倉さん

大倉

私もこれまでの経験を生かして働けていることにとても感謝しています。

音楽図書室のおかげで、今まで知らなかった新しい知識も得られましたし、改めて音楽を学び直している感覚です。

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利用者のみなさんへのメッセージ

音楽図書室の蓄音機

最後に、音楽図書室を利用するみなさんにメッセージをお願いします

笹岡

基本的には市民の皆さんはもちろん、観光客のかたも気軽におこしいただければと思います。

ただあくまでも「図書室」なので、こちらから積極的にアプローチすることはありませんが、レファレンスはていねいにさせていただいています。

音楽を鑑賞する、探している曲があるなど声をかけてくださればていねいに対応しますので、どうぞお気軽に声をかけていただければと思います。

かなりの分量のレコードがありますので、ぜひ一度足を運んでみてください。

おわりに

音楽図書室

「音楽図書室って知ってる?おもしろいからぜひ取材してみてよ」

筆者は生まれも育ちも倉敷で、美観地区に足を運ぶ機会も多いのですが、知人に声をかけられるまでまったく音楽図書室を知りませんでした。

音楽図書室があるのは、倉敷公民館の「3階」。

知らないと目にする機会もないですよね。

音楽図書室で聴く音楽は、ライブに足を運んだときのような「貴重な体験」と感じました。

  • 蓄音機から流れるSPレコードの音
  • 今では貴重な数々の音源をヘッドフォン、スピーカーで鑑賞する
  • 知識の豊富な職員さんの話

ぜひ、足を運んで聴いてみてください。

音楽図書室のデータ

音楽図書室外観
名前音楽図書室
所在地岡山県倉敷市本町2-21
電話番号086-423-2135
駐車場あり
倉敷公民館駐車場を利用可能
開館時間午前9時〜午後5時15分
※ご利用のかたは、午後5時までに入室してください
休館日
・月曜日が祝日の場合は開館
・月曜日が祝日の場合、その次の平日
・年末年始(12月28日〜1月4日)
・その他、書架整理日による閉室あり(HPでおしらせあり)
入館料(税込)無料
支払い方法
    予約について不可
    タバコ
    トイレ
    子育て
    バリアフリー
    ホームページ倉敷市倉敷公民館 音楽図書室
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    戸井健吾

    戸井健吾

    1979年生まれ、倉敷市在住
    2児の父親

    システムエンジニアの仕事に携わりながら、ブログ・イベント運営など様々な仕事を行っています。

    現在は当メディアを運営する一般社団法人はれとこの代表理事を務めつつ、フリーランスとしても活動中。

    自分自身が美観地区を楽しみながら、「行ってみたい」と思える情報を発信することをモットーにしています。

    信頼できるWEBメディアになれるように、メンバーが一丸となって運営しています。

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