虹色商店 〜「ここにしかない」を大切にする倉敷で、暮らしに寄り添う刺し子と雑貨、そしておいしいものたちを

店内のようす

虹色商店代表の亀山有香さんインタビュー

亀山有香(かめやま ゆか)さん

虹色商店の代表を務める亀山有香(かめやま ゆか)さんに、インタビューしました。

「本当に良いものを作り、適正価格で販売する」ためのリニューアル

美観地区周辺では珍しかったクレープの提供を終了して、リニューアルした背景を教えてください

亀山(敬称略)

ありがたいことにクレープも大変好評でした。特に年齢層の若いかたが多く来店してくださっていました。一方で、カフェ利用のみで終わって店内の雑貨を目に留めたり、購入してくださったりするお客さんが少ないことに課題を感じていました。

虹色商店は、店内にある福祉事業所などで作られた雑貨の販売がおもな目的でオープンしたお店です。ただ、「本当に良いものを作り、適正価格で販売する」というコンセプトのため、雑貨一つひとつの単価が高くなってしまいます。

そこで、品質が良い分単価が高い雑貨に価値を感じてくれる人の手に雑貨が渡るための店作りが必要だと思い、リニューアルに至りました。

現在は40代〜70代前後の「本当に良いもの」を求めるお客さんが来てくれるようになり、商品の質の良さや魅力、手仕事としての面白さ、そして刺し子のワークショップをはじめとした“ここにしかない体験”を発信する場所として盛り上がり始めています。

また、海外からのお客様も増えていますよ。
ここでしか買えない一点物の雑貨をじっくりと眺めたり、海外にはなかなか持ち帰れないフルーツをドライフルーツにしたお菓子を購入されたりと、楽しまれています。

写真提供:虹色商店
写真提供:虹色商店

ゲストシェフはどのような目的で招いているのでしょうか。

亀山

リニューアルに伴い常設のクレープは終了しましたが、キッチンは残っているので、シェフを呼んでグルメを提供してもらっているポップアップイベントです。

ファンは多いけれども倉敷からは遠くてなかなか手に入らないお店や、実店舗を持っていないお店のなかで、運営会議に参加するメンバーが「自分たちも心から食べたい」と思うゲストシェフをお呼びしています。

というのも、虹色商店は倉敷美観地区の中心エリアから少し離れているので、普段はふらりと入って来られるお客様よりもこのお店の雑貨を目的にいらっしゃるお客様が多いのです。

しかし、ゲストシェフの来店日はそのシェフのファンのかたがいらっしゃいますよね。いつもと異なるお客様がお店に入って来られて、「これ素敵ね」と作家さんの作品に出会い、自宅に持ち帰っていただく。
良い流れだなと思っています。

ゲストシェフにとっても売り上げを上げる機会や、ここでの経験を生かして実店舗を持つきっかけに使っていただけたらうれしいです。

「ここにしかない」一点物との出会いの場

ワークショップも定期的に開催されていますね

亀山

虹色商店に並んでいる商品はどれも、ここにしかない一点物です。
では「ワークショップで作ったものは?」と思うと、それは自分が作ったここにしかない一点物になりますよね。

店内ではさまざまなワークショップを企画していて、ajisaidropさんが店頭に立っているときは、刺し子のワークショップをしています。

私たちが材料などを用意するワークショップもありますが、自分たちが普段やっている刺し子を持参してもらって、みんなで大きな机を囲んで黙々と刺し子を刺すワークショップもあります。

写真提供:虹色商店
写真提供:虹色商店

このお店に並ぶ商品を素敵だと感じてくれる人たちにとって、コミュニティのような存在になれたら良いなという気持ちで開催しているワークショップです。

普段から作れるのは、さまざまな種類の型のなかから作りたいものを選び、数種類ある糸のなかからお気に入りの一種類を選んでくるみボタンを作るワークショップです。30分から1時間程度で完成するので、気軽に参加できます。

市販のキットなどはあらかじめ型や糸が決まっていますが、ajisaidropさんのワークショップはすべて自分で選べるので、より「ここにしかない」を実感できるものになっているのでおすすめですよ。

このワークショップは日本人にはもちろんのこと、海外からいらしたお客様にも人気です。刺し子を使った作品は世界中で愛されているので、ここでしか買えない糸や体験は貴重なようです。

色とりどりの刺繍糸

福祉事業所などで作られたものが並んでいることが、店名などに記されていないのはなぜでしょうか

亀山

障がいのある人が作ったものは安価で市場に出回ることが多いのが現状です。しかし、虹色商店では「本当に良いもの」を並べているため、上質な材料を使っているものも数多くあります。それらを適正価格で販売したいと考えたときに、福祉を全面に出さないという結論に至りました。

雑貨や民芸品を扱うお店で商品を手に取るときは、まず「素敵だな」と見た目や肌触りからその商品に興味をもちませんか?
私たちのお店でも、商品の横にショップカードなどを置いています。

雑貨や民芸品を純粋に愛する人であれば、まずは商品そのものに興味をもってくださり、その良いと思ったものが生まれた背景にも共感してくださるはずです。

写真提供:虹色商店
写真提供:虹色商店

倉敷美観地区には、生活の道具を取り扱うお店が数多くありますよね。
そのようなお店のひとつとして来店していただき、目の前の商品との一期一会を楽しんでいただく。そのうえで、作家のストーリーにまで興味をもっていただけたらありがたいな……という気持ちで運営しているので、あえて店名やSNSで「障がい者福祉」というワードを使いすぎないようにしています。

また、雑貨は福祉事業所などで作られたものを並べていますが、ゲストシェフはその限りではありません。グルメを求めていらしたかたが私たちの店を初めて見て、興味を持ってくださるきっかけとしたいと思っているからです。

障がい者福祉を心から応援したい人との出会いも、純粋に作品との一期一会を楽しみたいお客様との出会いも、大切にしていきたいと思います。

取材時に見つけた陶器
取材時に見つけた陶器

「ここにしかない」商品を選ぶコツはありますか?

亀山

虹色商店の商品はすべて手に取れるように並べているので、実際に自分の手で持って触り心地や握り心地などを味わっていただくのがおすすめです。

同じような見た目でも、少しずつ触り心地が異なります。

暮らしのなかで日常的に使う道具たちだからこそ、自分の暮らしで使うイメージを膨らませながら選んでみてください。

「出会い」と「井戸端会議の場」として進化していきたい

今後、虹色商店をどのような場所として活用していきたいですか

亀山

まず「出会いの場」となってほしいです。
作品だけでなく、作家さんやその背景にあるストーリーも楽しんでいただける場にしたいからです。

それから「井戸端会議の場」にもしていきたいですね。
ワークショップは黙々と作業するのも魅力的ですが、同じことに興味関心のある人たちとおしゃべりをしながら手を動かすのも醍醐味です。

世界中で昔から、みんなで集い手を動かしながらおしゃべりをするコミュニティがありますよね。虹色商店がそのような場になったらと思っています。

店内でインタビューに答える亀山さん

おわりに

一点物の生活の道具と倉敷美観地区の人々の暮らしは非常に親和性が高く、今後も暮らしの道具を求める人々にとって欠かせないコミュニティのひとつとなっていくのではないでしょうか。

見て、触って、体験して、お迎えする。
じっくりとお気に入りの一点を探したい人におすすめのお店です。

虹色商店のデータ

虹色商店
名前虹色商店
住所岡山県倉敷市東町1-24
連絡先
駐車場なし
営業時間金曜日(午後1時〜午後4時)
土日祝日(午前11時〜午後4時)
定休日月、火、水、木
毎月公式Instagramに掲載されるカレンダーを確認
支払い方法
  • 現金
  • クレジットカード
  • Suicaなど交通系ICカード・iD・QUICPay・PayPay・メルペイ・d払い・au PAY
ホームページ虹色商店公式Instagram

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高石真梨子
高石真梨子
東北→九州→近畿→関東を経て、2023年12月に倉敷市地域おこし協力隊になりました。

音の世界と音のない世界の狭間に住んでいる、手話と日本語のバイリンガルです。障がいの有無にかかわらず、倉敷を旅して倉敷に住み続けたくなるような情報を発信していきます。

こんにちは、地域おこし協力隊です

県外から倉敷市への移住をより一層進めるため、Webを通じた生活者目線での情報発信や、移住関連イベントへの協力をミッションに活動しています。

倉敷市地域おこし協力隊

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