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第17回くらしき未来K塾/第3回高梁川流域未来キャリア教育セミナー ~ withコロナ、ポストコロナ社会にあっての学習指導要領の『活かし方』

第17回くらしき未来K塾/第3回高梁川流域未来キャリア教育セミナー ~ withコロナ、ポストコロナ社会にあっての学習指導要領の『活かし方』

知っとこ / 2020.10.18

くらしき未来K塾」は、倉敷美観地区にある国指定重要文化財の「語らい座 大原本邸」で月1開催しているセミナーです。

2020年度は、倉敷市委託の「高梁川流域未来キャリア教育セミナー」としても開催されています。

第17回は文部科学省 合田哲雄(ごうだ てつお)さんが講師を務め、「withコロナ、ポストコロナ社会にあっての学習指導要領の『活かし方』」をテーマに開催されました。

2020年9月26日(土)に開催された、「第17回くらしき未来K塾」に参加し、筆者が「教育関係者以外にも知ってほしい」と感じたことをピックアップして紹介します

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記載されている内容は、2020年10月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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「高梁川流域未来キャリア教育セミナー」とは

高梁川流域未来キャリア教育セミナー

2020年度の「くらしき未来K塾」は、「高梁川流域未来キャリア教育セミナー」としても開催されています。

「高梁川流域未来キャリア教育セミナー」とは、倉敷市の事業と連携し、教師・企業・地域のつながり作りを応援する月1回のセミナーです。

全5回のセミナーで、今回は3回目の開催。

第2回までは新型コロナウイルス感染症対策のため、オンライン参加を基本としていましたが、第3回は参加者数を絞った上で、会場参加・Web参加のハイブリッドセミナーとして開催されました

第1回・2回のレポートは以下の記事を見てください。

第17回くらしき未来K塾「withコロナ、ポストコロナ社会にあっての学習指導要領の『活かし方』」の概要

第17回くらしき未来K塾の様子

今回は「学習指導要領」をテーマに、以下の流れで開催されました。

  1. 文部科学省 合田哲雄氏の講演
  2. ワークショップ
  3. 質疑応答

文部科学省 合田哲雄さんは「平成29・30年改訂学習指導要領」の改訂に関わった、官僚の一人です。

参加者はリアル・オンラインあわせて「約30名」。

教育関係者を中心に、経営者・地方議員など幅広いかたが参加していました。

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合田哲雄さんの講演

withコロナ、ポストコロナ社会にあっての学習指導要領の『活かし方』
講師の合田哲雄さん

「学習指導要領」は教育関係者にはおなじみと思いますが、民間企業の会社員・フリーランスなどにとっては、あまり縁のないものと思っているかたも多いでしょう。

筆者もその一人です。

しかし、2児の父親でもある筆者は、2020年のコロナ禍ほど「小学校など教育機関の大切さ」を実感したことはありません

その理由は、「2020年3月からの全国一斉休校」があったから。

文部科学省 合田哲雄さんの講演は、全国一斉休校発表の舞台裏紹介から始まります。

当時(2020年2月)、分からないことが多すぎた新型コロナウイルス感染症の対策で、否応なくテレワーク・オンライン授業に切り替わりました。

そこで、見直されたのは「学校そのものの価値」です。

学校は広い意味での教育に留まらない「福祉の場」

学校は福祉の場でもある

休校になり「当たり前だった日常」が失われて、「学校が何を担い、何を守り、何を育んでいたのかが浮き彫りになった」と、2020年4月27日中央教育審議会における参加者の発言を引用し、合田さんは語りました。

その後の質疑応答で、大学生から「学習自体はオンラインでもできるが、人間関係などが希薄になった」というような発言がありましたが、学校が「居場所」として機能していた一例といえるでしょう

大学に通う合田さんの娘さんも、休校の影響で「実験ができない」と泣いていたことがあるそうです。

その他にも多数の事例があります。しかし、だから「従来の学校教育」がよかったという話ではありません。

オンライン授業が増えた結果、学びたくても学べない児童生徒(病気療養・不登校など)が授業に参加できたという事例もあります。

二項対立では物事は前進しない
  • 一斉授業か個別学習か
  • 履修主義か修得主義か
  • デジタルかアナログか
  • 遠隔/オンラインか対面/オフラインか

という二項対立ではなく、両者を組み合わせた「ハイブリッド化」が重要です

これは、学校に限らず一般企業についても同様のことがいえるのではないでしょうか。

Society5.0(ソサエティ5.0)に向けた「学校Ver.3.0」

Society5.0(ソサエティ5.0)

「Society5.0(ソサエティ5.0)」という政策があります。

Society 5.0とはサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会

引用:内閣府「Society 5.0

IoT(Internet of Things)ですべての人とモノがつながり、知識や情報が共有される社会になると、学校の役割も変わります。

  • 学校Ver.1.0は「勉強の時代」
  • 学校Ver.2.0は「学習の時代」
  • 学校Ver.3.0は「学びの時代」

学校は変わろうとしているのです。

受け身の姿勢では変わらない

しかし、教師・大人が「未来社会がこうだから、子供たちにはこのような教育が必要」という受け身の思想では、子供たちの「生きづらさ」につながります

「これが普通」とクラスや学校で共有されている認識と距離を置いている子供は、浮いたり・排除されてしまうからです。

子どもの同調圧力は大人の想像以上

今はスマートフォンが24時間、自宅まで追いかけてくるので、子供たちが直面している「強い同調圧力」は、大人の想像以上であることを知っておく必要があります

だからこそ、「こんな社会を創っていくために、今の子供たちにこんな資質・能力を育もう」という、積極的な意思が求められているのです

学習指導要領を「使いこなす」

学習指導要領を使いこなす

ここからは、本題である「学習指導要領」の話を紹介しますが、まずどんなものか知っていますか?

文部科学省のホームページには、以下のように記載されています。

「学習指導要領」とは、全国どこの学校でも一定の水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準です。およそ10年に1度、改訂しています。
子供たちの教科書や時間割は、これを基に作られています。

文部科学省:学習指導要領の基本的なこと

直近では平成29・30年(2017・2018年)に改訂され、以下の日程で実施されます。

  • 小学校:2020年度~
  • 中学校:2021年度~
  • 高等学校:2022年度~

筆者は「学校教育として行うべきマニュアル」のようなものだと思っていました。

ですので、こと細かく書いているのかと思ってもいましたが、あくまでも「基準」があり、細かい運用は学校や教師の手に委ねられています。

合田さんの講演で驚いたのが、中学校での中間・期末テストを廃止した学校があるという事例

定期テストを廃止する学校もある

中間・期末テストは、「中学校のルール」だと思っていました。

しかし、廃止できるということは、学習指導要領で規定された「ルール」ではないということです

教育行政の転換

このことからも、「学校そのものの価値」を考え積極的な意思を持って、学校の運用を決めて行くことが重要といえます。

おわりに

第17回くらしき未来K塾の締めは山下館長

「学習指導要領」という国の指針ともいえる考えは、どこか遠い世界の話のように感じていました。

しかし実際に作成に携わったかたの話を聞くと、不思議と身近なものに感じられます。

当たり前ですが、「学習指導要領」も人が作っているモノなのです。

2020年3月〜5月頃までの休校で、小学生の子供を持つ親として感じたのも、「先生という人」の存在の重要性でした

例えば、小学生の算数・国語くらいなら、問題の答えはわかります。

しかし、「教え方」が分からない。子供の目線になって教えてくれる「先生」のありがたさを実感しました。

教科書に書いている内容を伝えるだけなら、オンライン授業でも可能な面はあるでしょう。

もしかしたら未来の教育は、大多数がそうなるかもしれません。しかし、だからといって「対面教育」が不要という話でもないでしょう。

そんなことを「一人の親」として感じていました。

官僚として学習指導要領の作成に携わっている合田さんが、二項対立ではなく、両者を組み合わせた「ハイブリッド化」が重要と話していたことを、とても心強く思いました。

第17回くらしき未来K塾/第3回高梁川流域未来キャリア教育セミナーのデータ

第17回くらしき未来K塾の様子
名前第17回くらしき未来K塾/第3回高梁川流域未来キャリア教育セミナー
期日2020年9月26日(土) 午後1時〜4時
場所岡山県倉敷市中央1丁目2-1
参加費用(税込)無料
ホームページ高梁川流域未来キャリア教育セミナー
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戸井健吾

戸井健吾

1979年生まれ、倉敷市在住
2児の父親

システムエンジニアの仕事に携わりながら、ブログ・イベント運営など様々な仕事を行っています。

現在は当メディアを運営する一般社団法人はれとこの代表理事を務めつつ、フリーランスとしても活動中。

自分自身が美観地区を楽しみながら、「行ってみたい」と思える情報を発信することをモットーにしています。

信頼できるWEBメディアになれるように、メンバーが一丸となって運営しています。

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