中国料理 廣珍 〜 昭和34年創業の老舗町中華。食を通じて地域に笑顔と元気を

廣珍:大麺

廣珍の代表・堀広司さんへインタビュー

廣珍の代表取締役・堀広司さん
廣珍の代表取締役・堀広司さん

移転・リニューアルし、新たな局面を迎えた老舗の「中国料理店 廣珍(こうちん)」。

代表取締役の堀広司(ほり ひろし)さんに、店の歴史やこだわり、移転・リニューアルの背景といった話を聞きました。

初代の戦後の食糧難への思いが創業の経緯

清心町商店街時代の店舗(2024年撮影)
清心町商店街時代の店舗(2024年撮影)

廣珍の歴史について知りたい。

堀(敬称略)

廣珍は、私で二代目になります。創業したのは、初代である私の父です。

父は戦後の食糧難の時代を経験したことから、お腹いっぱい食べられることへの憧れがありました。それが、料理の世界へ進んだ理由だと聞いています。

先代の父、つまり私の祖父のすすめで、岡山初の中国料理店(広東料理店)である岡山市表町の「廣珍軒」で修業をしました。

そして、1959年(昭和34年)11月に父の地元・玉島の清心町商店街に「広東料理 廣珍」として独立開業したのです。店名は、修業先の廣珍軒からいただきました。独立したのも、飲食店を志した時と同じで、「地域の人にお腹いっぱい、おいしく食べてもらいたい」という思いがあったからだそうです。

その後、時代の変遷に合わせて売り方ややり方を変化させています。広東料理店から、中華料理を幅広く扱うようになり「中国料理 廣珍」になりました。

また、自動車社会になったことで、郊外にも中華惣菜の店やラーメン店などの系列店も出店。「あずまや 玉島店」は、玉島に大衆的な和食店がなかったことから、和食版のファミリーレストランのような店として出店しました。

初代の思いは現在も会社・スタッフ一同が受け継いでおり、廣珍は「食を通じて地域に笑顔と元気を提供する」店だと考えています。

郊外の幹線道路沿いに移転し利便性が向上

左:あずまや 玉島店、右:移転後の廣珍
左:あずまや 玉島店、右:移転後の廣珍

2025年に移転した経緯は?

店舗の老朽化のためが大きいです。

リニューアルするなら、広めで利用しやすい店舗にしたかったのですが、商店街という場所だと、立地の面からどうしても大きくしづらいのが課題でした。

タイミング良く、系列店である「あずまや 玉島店」に隣接する土地が空いたので、移転・リニューアルを決めたのです。

また、中心部の商店街だと、駐車場の面から訪れにくさがありました。
新店舗は郊外の幹線道路沿いで、駐車場も多く確保できるため、自動車で訪れやすいメリットがあります。

移転・リニューアルで幅広い客層が来店するように

廣珍:堀広司代表

移転して変わったことは?

やはり一番は駐車場ですね。
あずまやと共用で多くの車が停められるようになりました。第2・3駐車場もあります。

また、席数は大幅に増えています。旧店舗ではカウンター席がなかったので、お一人での来店がしにくい印象でした。新店舗ではカウンター席もありますので、一人でもご利用しやすいと好評です。

さらに、2階席で宴会に対応できる点もポイントです。旧店舗でも、2階席で宴会対応をしていました。新店舗ではモニターや音響設備も備え、より広い用途に使えます。

他には注文や順番待ちにタブレットを使い、ITシステムによる効率的な運営を心がけています。

鶏のから揚げ(過去の訪問時に撮影)
鶏のから揚げ(過去の訪問時に撮影)

来店客に変化はある?

客層は、本当に大きく変わりましたね。旧店舗は商店街にある老舗ということもあり、ご年配の方の来店が多いのが特徴でした。

新店舗では、これまでお越しいただいていた方々に加えて、お子さまを連れたご家族の来店が非常に増えています

仕事中の昼ごはんや、お仕事帰りの晩ごはんに、お一人やグループで食べに来る人も多くなりました。企業・団体の宴会利用も増加しています。

地元食材を積極活用。新メニュー開発はスタッフみんなで意見を出し合う

2025年夏季の限定メニュー・汁なし担々麺(過去の訪問時に撮影)
2025年夏季の限定メニュー・汁なし担々麺(過去の訪問時に撮影)

店のこだわりを教えてほしい。

一番はなるべく地元・玉島周辺の食材を中心に使っていることです。弊社では、地元の食材を“食財”と考えています。

例えば、卵は玉島の鶏卵企業・のだ初さん。ソースは同じく玉島の豊島屋(タテソース)さん。ラーメンやチャーシューの醤油ダレも同じく玉島味噌醤油さん。

米は玉島にある小野ライスさんが育てた「にこまる」という品種。シソジュースに使うシソも、玉島産です。

また、中華麺は自家製麺を使用しています。

廣珍:堀広司代表

店舗の運営上の工夫点はあるか。

工夫点は、レギュラーメニューなどのマイナーチェンジをこまめに実施していることです。

新メニューや季節メニューの提案、改善策などは、調理担当だけでなく、ホール担当を含めたスタッフみんなで意見を出し合っています。

メニューの提案は原価計算をして、根拠も合わせて提出するようにしており、プロの料理人としての心がけを大切にしています。

さきほどのとおり、旧店舗に比べて若い世代の来店が増えたので、チャレンジングなメニュー、ユニークなメニュー、若者受けするメニュー、都会で話題のメニューなどを取り入れやすくなりました。

今後も地元・玉島に恩返しや地域貢献を続けていきたい

店内からは溜川が眺められる
店内からは溜川が眺められる

今後やってみたいことを教えてほしい。

弊社は創業して60年以上、玉島という地域にかわいがってもらっています。実は、移転・リニューアルは地域へのお礼の意味もあるのです。

そして、よりブラッシュアップしていきつつ、地域の食材も大切にしながら、地域のみなさまに喜んでいただける料理を提供していきたいと考えています。

地域へのお礼の活動として、他にも地元の中学生向けに、チャレンジワークとして職業体験をしてもらっています。

また新店舗の横にある溜川(ためかわ)は、玉島商工会議所が主体となって年2回ほど清掃活動を実施しており、地元の住民や企業などが参加しているのですが、そこに弊社社員も参加しています。さらに、社員だけでなく、お客さまにも参加者を募っており、毎回20人前後の参加があるんです。

お客さま向けには清掃の他、プロが指導する料理教室も実施しています。中華だけでなく和食など幅広く展開しており、大変好評です。

さらに今年(2026年)、倉敷まきび支援学校へ卒業記念として料理を提供し、お祝い会を開催しました。卒業生が弊社で働いていることがきっかけで始まった取組です。

今後もさまざまな形で、地元・玉島に恩返しや貢献を続けていけるようにするのが目標です。

後は、もっと玉島地区に他のエリアから人を呼びたいですね。弊社の店に人を呼び込むことで、玉島地区を盛り上げるお手伝いができればと思います。

創業者から受け継がれる「地域の人にお腹いっぱい、おいしく食べてもらいたい」という思い

麻婆丼(過去の訪問時に撮影)
麻婆丼(過去の訪問時に撮影)

1959年(昭和34年)の創業以来、60年以上にわたって玉島の人々に親しまれてきた老舗・廣珍は、移転して新たなスタートを切りました。

店舗や所在地は変わりましたが、根底にある「地域の人にお腹いっぱい、おいしく食べてもらいたい」という創業者から受け継がれる思いは、今も変わっていません。

さらに廣珍では、地元食材の積極活用や地域活動、料理教室や職業体験など、飲食店の枠を超えた地域との関わりも大切にしています。

廣珍は、玉島という地域とともに歩み、支え合いながら続いてきた店だといえるでしょう。

これからも玉島の日常に寄り添う「地域の町中華」として、多くの人に愛され続けていくのではないでしょうか。

中国料理 廣珍のデータ

廣珍:外観
名前中国料理 廣珍
住所岡山県倉敷市玉島1713-14
連絡先086-522-5188
駐車場あり
第2・3駐車場あり
あずまや 玉島店と共用
営業時間午前11時~午後2時30分(ラストオーダー 午後2時)、午後5時30分~午後9時(ラストオーダー 午後8時30分)
定休日なし
支払い方法
  • 現金
  • クレジットカード
  • Suicaなど交通系ICカード・iD・QUICPay・nanaco・WAON・PayPay・LINE Pay・楽天ペイ・メルペイ・d払い・au PAY
予約の可否
2階席での多人数利用のみ予約可能
(1階席での一般利用は予約不可)
座席全156席
・カウンター:6席
・テーブル:70席
・2階座敷:80席
タバコ
トイレ
子育てベビーカーでの入店可能(1階のみ)
幼児用食器あり
幼児用椅子あり
バリアフリー
車椅子での入店可能(1階のみ)
トイレは車椅子非対応
ホームページ中国料理 廣珍 | みんなの「美味しい!」のために

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アサノ
フリーランスとして活動するプロの取材・インタビューライター、フォトライター。地域の文化・地理・歴史・食べ物などに精通。企業の社員インタビューや事例紹介、採用コンテンツも。

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