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中華kinomi(きのみ)〜 町中華から本格的な中国料理まで!地域の人が集まりつながる店を目指す

中華kinomi(きのみ)〜 町中華から本格的な中国料理まで!地域の人が集まりつながる店を目指す

食べとこ / 2023.12.24

代表・松森 大典さんへインタビュー

kinomi:代表 松森大典さん
中華 kinomi 代表・松森 大典さん

カジュアルな雰囲気の店舗で、多彩な中国料理・大衆中華料理を提供する中華 kinomi(きのみ)。

代表の松森大典(まつもり だいすけ)さんへインタビューをしました。

調理専門学校から中国料理・大衆中華料理の世界に

人気メニューの「よだれ鶏」(写真提供:kinomi)
人気メニューの「よだれ鶏」(写真提供:kinomi)

開業以前は何をしていたか。

松森(敬称略)

もともと私は総社市の出身です。

進路を考える際に「ほかの人とは違ったことをやりたい」という気持ちがあり、たまたま周囲に料理の道に進む人がいなかったので、深く考えずに料理の世界を選びました。

そして調理専門学校へ進学したのですが、選んだ専攻は和食。

いま思えば、このときに学んだことは現在とても役立っていると感じています。

中国料理の世界に入ったのは、専門学校を卒業してからです。

中国料理に興味があったというより、違った世界ものぞいてみたかったという感じですね。

たまたま先生の知人に東京でヌーベルシノワ(斬新な創作中国料理)系の上海料理店をやっているかたがおり、紹介されてそこへ就職しました。

以降、東京や神奈川などで、複数の中国料理や大衆中華料理(町中華)店で働きました

庶民的な店から、本格的な高級店まで多岐にわたります。

1年ほど、本場・中国の広東省での修業も経験しました。

大衆中華料理店にも長くいたのですが、実は大衆中華の経験が一番いまに生かされていると感じています

帰郷からコロナ禍を経て、地元総社で開業へ

kinomi:代表 松森大典さん

開業の経緯を知りたい。

松森

地元を離れる際に、いずれは故郷・総社に戻るつもりはありました。

料理の世界に足を踏み入れたのですから、総社で飲食店をやりたいという気持ちは持っていましたね。

とはいえ年をとってからではいろいろと大変でしょうから、ひとつの目標として30代で総社で店を開くと決めました。

でも出産・育児などさまざまな状況の変化があり、なかなか総社に帰るタイミングがなかったんです。

総社を離れて20年が経過したころ、帰郷するのに良いタイミングになったので、2020年に総社へ帰郷しました。

2020年といえば新型コロナウイルス感染症が流行しはじめたころでは。

松森

そうなんです。
せっかく帰郷したのに、新型コロナウイルス感染症が流行し、開業どころではありません。

そこでコロナ禍の期間を利用して、出店の準備をしようと考えました。

総社を離れて20年経過していると、正直「浦島太郎」のような状態で、現在の総社の状況がわかりません。

出店場所はどこが良いか、物件はどんなものがあるか、どんな土地柄なのかなど、少しずつ調べていくことにしました。

総社市街地って意外と人気で、なかなか出店するのに適した物件が見当たりませんでしたね。

一時は真備町など近隣での出店も考えましたが、知人から現在の物件を紹介され、ここで出店することにしました。

もともとカフェをしていた建物なので、雰囲気も良く、キャパシティ面でもちょうど良かったんです。

こうして中華kinomiをオープンさせたのが、2022年5月2日。

結果として39歳で開業したので、ギリギリ30代での開業に滑りこめました(笑)

ちなみに出店準備中に知人の紹介で、「大国屋」という市内のシェアキッチンのような日替わりの店で料理の提供させていただきましたね。

ここでも貴重な経験をさせていただきました。

地元の鬼身山のように多くの人が集まりつながる店を目指す

人気メニュー「よっぱらいえび」(写真提供:kinomi)
人気メニュー「よっぱらいえび」(写真提供:kinomi)

開業しての手応えは。

松森

開業以降、おかげさまで非常に多くのお客様にお越しいただき、リピーターのかたも多いです。

総社市には「広珍」や「鶴八」といった昔から営業した人気の老舗町中華がありました。

しかし2010年代に入り、相次いで廃業したんです。

ですから総社市民は「町中華ロス」状態だったのではないでしょうか。

そんな状況での開業ですから、多くのかたに足を運んでいただいているのかもしれません。

総社市山田地区の鬼身山・鬼身城跡
総社市山田地区の鬼身山・鬼身城跡

店名の由来を知りたい。

松森

kinomiというのは、私の出身地である総社市山田地区のシンボルの鬼身山(きのみやま)・鬼身城(きのみじょう)跡から取りました。

地元では定番の初日の出スポットで、多くのかたが登ります。
私も帰省した際には、よく登っていました。

総社へ戻ってきて鬼身山に登り初日の出を見たとき、非常に大勢のかたが登り集まっていたんです。
地元に住んでいる人も、地元を離れて一時帰省している人も。

こんな田舎にある山なのに、すごい力だなと感じました。

開業の際、鬼身山のようにいろいろな人が集まるような店にしたいとの思いで、鬼身山の名前をいただくことにしたんです。

ロゴマークは、「きのみ」の「の」を図案化しています。

日本語の連体助詞の「の」は、単語と単語をつなぎますよね。
そのように、人と人がつながる店を目指したいと思っています。

利用客とともに成長していく店にしたい

人気メニュー「あまず酢豚」(写真提供:kinomi)
人気メニュー「あまず酢豚」(写真提供:kinomi)

kinomiの特徴は?

松森

当店は広東料理とか四川料理とか突出した専門分野を打ち出すのではなく、本格的な各種中国料理から日本の大衆中華料理まで、幅広くバラエティー豊かに提供しています。

いろいろな中国料理・大衆中華料理を、カジュアルに楽しんでもらいたいですね。

あと意識していることは、お客様とともに成長していく店にするということ。

私は総社出身といっても、料理経験は東京や神奈川でのみ。

開業して2023年11月で1年半ですから、総社にお住まいのかたの味の好みなどはまだわかりません。

なのでお客様の声を聞きながら、変化させるべきところはさせていくつもりです。

人気メニュー「くろず酢豚」(写真提供:kinomi)
人気メニュー「くろず酢豚」(写真提供:kinomi)

たとえば酢豚が人気なのは、意外でした。

開業の前に、いまはなき総社の名店・広珍でどんなメニューが好きか、周囲に問うてみたことがあります。
すると、圧倒的に酢豚という意見が多かったのです。

ですので開業時、酢豚に力を入れました。
いまも酢豚は夜の人気メニューのひとつ。

ちなみに、酢豚は甘酢味と黒酢味の2種類をご用意しています。

ユーリンチーもよく出るので、もしかしたら甘酸っぱい味わいを好む人が多いのかもしれませんね。

あと、あんかけ系の料理が人気なのも意外でした。

このようにお客様とともに、店を成長させていきたいです。

開業3年を迎えるため、残る1年半は現状の継続に集中

kinomi:代表 松森大典さん

今後の展望、やってみたいことを教えてほしい。

松森

私は店が軌道に乗るまでは、3年ほどかかると考えています。

いま(2023年11月現在)は開業から1年半で、ちょうど中間地点です。

これまではとにかく店を運営していくため、いろいろと試したり変えたりしてきました。

開業から1年以上経ち、年間の流れもわかりましたし、やっと自分の仕事のペースがつくれてきたかなと感じています。

ですから、残る1年半はこれを継続していくことに焦点を当てていくことが目標ですね。

そして3年経過したら、いろいろな挑戦や実験的なことなどをやってみたいと思っています。

まずは1年半、いまの状態を継続することに集中し、開業3年を迎えたいですね。

カジュアルな雰囲気で町中華・大衆中華から本格的な中国料理まで楽しめる「中華 kinomi」

人気メニュー「ユーリンチー」(写真提供:kinomi)
人気メニュー「ユーリンチー」(写真提供:kinomi)

幅広い中国料理・大衆中華料理の経験に裏打ちされた多彩なメニューをラインナップし、地域に根差した店を目指す中華 kinomi。

カジュアルに楽しめるランチや、幅広いメニューが楽しめるディナー、それぞれ魅力があります。

一人でも、友人や家族連れなどのグループでも気軽に楽しめるので、ぜひ一度kinomiの料理を味わってみてはいかがでしょうか。

中華 kinomiのデータ

kinomi:外観
名前中華 kinomi
住所岡山県総社市駅南二丁目9-1
電話番号0866-31-5603
駐車場あり
営業時間午前11時〜午後2時、午後5時〜午後9時
定休日火、水、不定休
Instagram掲載のカレンダー参照
支払い方法
  • 現金
  • クレジットカード
  • Suicaなど交通系ICカード・iD・QUICPay・nanaco・PayPay・d払い・au PAY
予約の可否
座席全27〜29席
・カウンター:4脚
・2人がけテーブル:4卓
・4人がテーブル(テラス):1卓
・5人がけテーブル:1卓
・6〜8人がけテーブル(半個室):1卓
タバコ
トイレ
子育て・ベビーカーの入店可能
・幼児用食器あり
バリアフリー
車椅子での入店可能(トイレは非対応)
ホームページ中華 kinomi 公式Instagram
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アサノ ・ヨウスケ

フリーランスの取材・インタビューライター、フォトライター。地域の文化・地理・歴史・食べ物などに精通。企業の社員インタビューや事例紹介、採用コンテンツも。地域情報サイトも運営。
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