2025年10月1日(水)から、倉敷美観地区にて「くらしきアーキツーリズム2025」が開催されています。
2022年より始まったこちらのイベントは、倉敷美観地区とその周辺にあるさまざまな建築にスポットライトを当て、地域に根差した建築の魅力を紹介してきました。
4回目となる今回は「古き良きものを伝え、新しきを取り入れる 建物再生」をテーマに、リノベーション(改修)により新たな魅力を発信している建物をピックアップ。新旧和洋の建物が絶妙に混じりあう倉敷美観地区に芽吹く、建築の新たな魅力を訪ねてみませんか。
開催期間は2025年10月1日(水)〜2026年1月31日(土)です。
記載されている内容は、2025年11月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
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目次
くらしきアーキツーリズム2025とは

倉敷美観地区周辺に点在する建築物そのものの魅力に注目して観光を楽しんでもらうことを目的に、2022年より始まった「くらしきアーキツーリズム」。
初回の2022年は郷土出身の建築家・浦辺鎮太郎の手がけた建物、2023年は3人の有名建築家による建物、2024年は名もなき建築家による建物と、毎年テーマを変えて開催してきました。
4回目の開催となる今回(2025年)は、今までの集大成として「建物再生」に注目し、倉敷美観地区周辺にて近年改修された以下の5つの建物に焦点を当てています。
- 林源十郎商店
- クラシキクラフトワークビレッジ
- クラシキ庭苑
- 倉敷民藝館
- 大原美術館 児島虎次郎記念館
たてものカードについて
くらしきアーキツーリズムの特徴のひとつである「たてものカード」。

表面に建物についての説明と写真、裏面に鳥瞰(ちょうかん)絵図が描かれた葉書サイズのカードで、各施設に2枚ずつ用意されています。
それぞれのカードの表面には、建物の外観の説明と内部の説明が写真とともに書かれています。裏面には鳥瞰図絵師 岡本直樹さんによる1963年の鳥瞰絵図と2005年の鳥瞰絵図が描かれているので、昔と近年の町並みの違いを探してみるのも興味深いです。
たてものカードは、以下の5つの対象施設で無料配布されています。
- 林源十郎商店(2階 shop 三宅商店)
- クラシキクラフトワークビレッジ(Gocha店内)
- クラシキ庭苑(中庭付近)
- 倉敷民藝館(売店)
- 大原美術館 児島虎次郎記念館(受付付近)
おもいでファイルについて
収集した「たてものカード」を整理して収納できる「おもいでファイル」。

毎回、デザインや配色を変えながらハンドメイドで作られており、手作りならではのあたたかさを感じます。添えられたかわいらしいイラストもオリジナルです。
たてものカード以外のものも収納できますので、美術館などの入場券や絵はがきを思い出として綴っておくのもおすすめです。
おもいでファイルは、以下の場所で販売しています(350部限定、500円)。
- 倉敷館 観光案内所
- 倉敷物語館
- 大原美術館ミュージアムショップ
- クラシキクラフトワークビレッジ(Gocha)
- クラシキ庭苑(kobacoffee)
- 倉敷民藝館(売店)
- 林源十郎商店(2階 shop 三宅商店)
- 倉敷アイビースクエアフロント
倉敷まちあるきマップもアップデート
倉敷美観地区周辺のまち歩きがより楽しくなるデジタルマップ、倉敷まちあるきマップにも新たなコンテンツが追加されました。

今回追加されたコンテンツは「発見ポイント」というもので、火の見やぐらや倉敷川の常夜灯など建物以外の特徴的なスポットを紹介しています。

地元のかたでも知らない情報の数々は、まち歩きをより豊かなものにしてくれるでしょう。
実際にめぐってみました
筆者もおもいでファイルを片手に、それぞれの建物をめぐってみました。
対象となっているすべての建物をめぐっても1時間はかからないので、倉敷美観地区周辺の散策コースとしてもちょうど良い感じです。
林源十郎商店

長らく空き家となっていた旧薬問屋の建物を改修し、2012年にオープンした複合施設。雑貨店や飲食店、デニムショップなどの倉敷らしさを感じることのできる複数の店舗が入居しています。

改修を手がけたのは、倉敷にて長年にわたり町家の改修に携わってきた建築家の楢村徹(ならむら とおる)さん。

こちらの建物の特徴は、表通りに面した部分を改修するだけでなく、敷地内にある数棟の建物とともに中庭と路地を整備し、表通りから敷地の奥まで回遊できるように改修されているところです。

2階には薬問屋であった頃の歴史を記録する「林源十郎商店記念室」が設けられていて、当時の営みを知れます。

3階の屋上テラスは、倉敷美観地区のまちなみを一望できる穴場スポット。2025年に公開された映画「蔵のある街」のキービジュアルはこちらから撮影されました。

クラシキ庭苑

倉敷川沿いに建つ「クラシキ庭苑」は、築約100年の町家を再生し、2014年にオープンした複合施設です。こちらも林源十郎商店同様に、楢村さんによって改修されました。

こちらの建物の特徴は、表通りから奥へと続く路地のような空間である「通り土間」です。
通り土間があることで、表通りに面している部分だけでなく、奥の部分にも複数の店舗にテナントとして入居できるようになりました。

また、中庭には休憩スペースも設けられていて、西洋建築のパティオ(中庭)のような空間になっています。良い意味で伝統的な町家のイメージを覆す、現代的な空間です。

奥には隠れ家のようなバー「Salon de Ric’s(サロン・ド・リックス)」や、こだわりの珈琲店「kobacoffee コバコーヒー」が入居していて、観光客のみならず地元のかたにも愛されています。
なお、筆者も県外のかたをこちらに案内したことがあり、雰囲気も良く、とても喜んでもらえたことを覚えています。

観光地である倉敷美観地区のなかにありながら、楢村さんは地元の人たちがきちんと商いをし、生活していける場所を意識して設計したとのことです。その工夫に注目してみてください。

クラシキクラフトワークビレッジ

本町通りにある町家を改修して2017年にオープンした「クラシキクラフトワークビレッジ」。こちらの改修も楢村さんの手によるものです。

通り土間のある建物は、前述のクラシキ庭苑と似た雰囲気を持っていますが、裏庭にある井戸を中心として建物を増築し、広場のような空間が作られているのが特徴的です。

また、町家を再生するうえでネックとなる2階の活用方法にも工夫が凝らされています。
こちらでは、1階で手ぬぐいを販売している「Gocha」が、2階を不定期にイベントスペースとして使用することで、クラフトワークビレッジの名前のとおり、窓越しにものづくりをしているようすを見られるのも特徴です。


倉敷民藝館

倉敷における古民家再生の第一号として、江戸時代の米蔵を改装して戦後まもない1948年に開館した「倉敷民藝館」。白壁に囲まれたエントランスが特徴的な、倉敷美観地区を象徴する建物の一つです。

2020年、楢村さんの手により売店コーナーがリニューアルされました。

過去にも幾度かの改修や改築が実施され、少しずついろいろな人の手が加わりながら変わってきた例として特徴的であるため、今回取り上げています。

大原美術館 児島虎次郎記念館

最後に訪れたのは、2025年4月にオープンした「大原美術館 児島虎次郎記念館」。

登録有形文化財にも指定されているこちらの建物は、大原美術館本館を設計したことで知られる建築家、薬師寺主計(やくしじ かずえ)が手がけたもので、第一合同銀行(現在の中国銀行)の倉敷支店として1922年に竣工しました。

2016年まで中国銀行 倉敷本町出張所として使用されていましたが、銀行業務終了にともない建物は大原美術館に譲渡されることに。それをきっかけに、美術館に転用することとなりました。

伝統的なデザインは残しつつ、新たな機能を追加した再生の例として紹介しています。

くらしきアーキツーリズム2025の注目点やみどころについて、企画に携わった株式会社浦辺設計 取締役執行役員の河本二郎(こうもと じろう)さんにお話を聞きました。
くらしきアーキツーリズム2025のデータ

| 名前 | くらしきアーキツーリズム2025 |
|---|---|
| 開催日 | 2025年10月1日(水) 〜 2026年01月31日(土) |
| 場所 | 倉敷美観地区周辺 |
| 参加費用(税込) | 無料(おもいでファイル500円(税込)) ※「たてものカード」は各施設で無料配布ですが、館内を見て回る際には入館料が必要な施設があります。詳しくは各施設のホームページから確認してください。 |
| ホームページ | くらしきアーキツーリズム2025 |

















































