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大原美術館 ~ 見どころは?モネ、エル・グレコなど有名作品だけじゃない、常に進化し続ける美術館

大原美術館 ~ 見どころは?モネ、エル・グレコなど有名作品だけじゃない、常に進化し続ける美術館

観とこ / 2023.04.03

倉敷が誇る、大原美術館。

わたしはアートが大好きで全国の美術館を訪れています。そのなかでも大原美術館は、特に好きな美術館のひとつです。

西洋美術から現代の国内外の作品まで、素晴らしい作品が展示されています

しかし、大原美術館の魅力はそれだけではありません。「美術館ってハードルが高い」と思っているかたでも、楽しめるところなんです!

モデルの いさこさんと一緒に美術館を訪れ、スタッフの岡崎さんに案内してもらいました。

大原美術館の魅力を、ぎゅっと凝縮してお伝えします。

大原美術館内は通常、撮影禁止です。今回は特別に撮影許可をいただいています。

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記載されている内容は、2023年4月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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大原美術館のデータ

大原美術館
名前大原美術館
所在地岡山県倉敷市中央1-1-15
電話番号086-422-0005
駐車場なし
開館時間【12月~2月】
午前9時〜午後3時(最終入館:午後2時30分)

【3月~11月】
午前9時〜午後5時(最終入館:午後4時30分)
休館日
祝日、振替休日と重なった場合は開館
冬期休館あり
入館料(税込)【一般】
大人:2,000円
高校・中学・小学生(18歳未満のかた):500円
支払い方法
  • 現金
  • クレジットカード
  • Suicaなど交通系ICカード・iD・QUICPay・nanaco・PayPay
予約について
個人であれば予約不要(入場整理券の予約不可)
タバコ
トイレ

子育て


授乳室は工芸館にあり
オムツ替えシートは本館2階および工芸館にあり
バリアフリー


ホームページ大原美術館公式HP

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大原美術館とは

大原美術館

大原美術館の成り立ち

大原美術館は1930年(昭和5年)に設立された、日本で最初の、西洋美術中心の私立美術館です。

当時の日本では、なかなか本物の西洋絵画を見ることができませんでした。

優れた作品を日本でも見られるようにしたい――画家・児島虎次郎(こじま とらじろう)の強い思いに、事業家である大原孫三郎(おおはら まごさぶろう)が賛同。

日本芸術界の発展のため、孫三郎の支援のもとで、虎次郎は西洋絵画を収集しました。

現在大原美術館の中核をなしているのは、このとき集められた作品です。

ふたりは深い友情で結ばれていたそう。友情と熱意からできた美術館なんです。

大原美術館の構造

大原美術館は、本館、分館工芸・東洋館にわかれています

収蔵点数は約3,000点。2023年4月現在、展示されているのはそのうちの約半分です。

ミュージアムショップもあり、お土産を買うこともできます。

本館の正面にある「有隣荘」は通常非公開で、毎年春と秋に特別公開されています。

大原美術館関連施設

大原美術館 本館の見どころ 作品

山ほどある素晴らしい作品のなかから、見どころを簡単に紹介します。

エル・グレコ「受胎告知」

大原美術館 エル・グレコ『受胎告知』

日本にあるのが奇跡といわれる作品です。

聖母マリアがキリストを身ごもったことを天使から告げられるシーンで、色使いも背景もドラマティック!

実は聖母マリアの頭上の輪っかは、後世に描き加えられたものだそうです。それも絵の歴史として、そのまま残しているそうですよ。

モネ「睡蓮」

大原美術館 モネ『睡蓮』

数多ある「睡蓮」のなかでも、モネ本人のお気に入りで、売らずに手許に残しておいた作品だそうです

大事な作品を渡してくれたのは、日本に対するリスペクトがあったと考えられます。

描かれているのは池と睡蓮ですが、水面に空や雲が映っているのがわかるでしょうか。

ぜひ、少し離れて観てみてください。

ゴーギャン「かぐわしき大地」

大原美術館 ゴーギャン『かぐわしき大地』

原始的な生活を求めたゴーギャンが、南太平洋に浮かぶタヒチに渡って描いた作品です。

神秘的な雰囲気を感じました。

ピカソ・藤田嗣治・マティス・モディリアーニなど、有名作家の作品

大原美術館 マティス・モディリアーニ

大原美術館には、作家の「傑作のひとつ」といわれるような作品が多数展示されています。

たとえば写真右のマティスの作品は、モデルであるマティスの娘さん本人が「やっぱり手放すんじゃなかったわ」と後悔したくらいの名作なんですよ。

現代美術もいろいろ

大原美術館に展示されているのは、中世の西洋絵画だけではありません!

たとえば、真っ赤に塗ったキャンバスを切り裂いた作品なども。

わたしは高校生の時にこの作品を見て、すごく衝撃を受けました。「アートはこうでなきゃいけない」なんてないんだなあと思ったのを、鮮明に覚えています。

美術界に激震を走らせたアーティストであるデュシャンの作品や、「水玉の女王」と呼ばれる草間彌生(くさま やよい)さんの作品など、幅広いジャンルの作品があるんですよ。

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大原美術館 本館の見どころ 建物

ローマ神殿のような外観

大原美術館 本館

大原美術館本館は、ローマ神殿風の建築です。

大きな柱から威厳を感じます。

建築様式の異なる内観

大原美術館 内観

増築された本館アトリウムは、開放感のある吹き抜け。

壁や天井がモダンでおしゃれです。

写真右のほうにある鉄骨の柱は、増築工事をしたときに発見されたのだそう。美術館の歴史を感じられるものとして、残してあります。

白壁&珍しい赤壁の工芸・東洋館

大原美術館 東洋・工芸館

工芸・東洋館は、和の建築です。

白壁だけでなく赤い壁の蔵もあって、目を引きます。

写真左奥に見える倉敷国際ホテルの壁の一部にも、同じなまこ壁風のデザインを使用しているそうです。大原美術館から見たときになじむように設計されているんですね。

美術館ってハードルが高い? 難しい?

大原美術館

アートを楽しむには知識や教養が必須だと思っていませんか?

そんなことはありません!

スタッフの岡崎さんに、アートの楽しみ方の例を教えてもらいました。

  • 気になるものは、なんで気になるのかを考えてみる
  • どういうふうに描かれているの?とじっくり観察してみる
  • なんでこの色なんだろう?など、不思議がってみる
  • 作品を見たときの自分の感情に着目してみる
  • タイトルや作家名を隠して、純粋に見てみる

上記はあくまで例なので、楽しみ方は自分なりでOK。

「観察の目が変わると、毎日が変わります。面白いものとの出会いを楽しんでください」と話してくれました。

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大原美術館をもっと楽しむ、ちょっとしたスポットとワザ

丸窓から見る景色

大原美術館

本館2階のギャラリーの丸窓は、窓も景色も美しいので、お見逃しなく

美観地区は高い建物がほとんどないので、美観地区を間近で見渡せる場所は貴重です。(※大原家の旧別邸「有隣荘」からは見晴らしが良いですが、通常非公開)

入口にそびえ立っていた柱の上部の装飾も、間近に見えます。

ある場所から庭を広く見渡せる

大原美術館 庭園

本館内のある場所から、新渓園」の日本庭園を広く眺めることができます

気づきにくい場所にあるので探してみてくださいね。

別館(分館/工芸・東洋館)は後日見ることもできて、期限ナシ

大原美術館には3つの館(本館/分館/工芸・東洋館)があり、各館に入る時にそれぞれの入口でチケットに押印されます。

チケットにスタンプが押されていない館(入館していない館)は、チケットを持っていれば別の日でも利用できます。特に期限もありません!

もしあまり時間がなくても、「今回は本館だけ見て、また倉敷に来たときに分館と工芸・東洋館を見よう」といったことができます。

分館は新型コロナウイルス感染症拡大対策のために休館中です

大原美術館の活動

大原美術館の活動

大原美術館は、作品を飾っているだけではありません。

地域のため、アート界のため、いろいろなかたに大原美術館を知ってもらうために、さまざまな活動をしています。

  • 学芸員が、美術館の歴史や作品について解説する「ギャラリーツアー」
  • 作品の前で感想などを話し合う「フレンドリートーク
  • 美術館の中でのコンサート
  • 大原美術館内や旧別邸「有隣荘」で行うヨガ
  • 館長による美術教室
  • 参加型体験プログラム「チルドレンズ・アート・ミュージアム
  • 地元小・中学生向けの学習支援
  • 未就学児童を対象とした体験プログラム
  • 若手作家を倉敷に招いて滞在制作を支援し、展覧会を実施する「ARKO」
  • ナゾ解きゲーム 大原美術館に眠る『ヒミツの絵画』を探せ

特にこども向けの支援活動の多さは、全国指折り

「歴史があり世界的にも評価の高い美術館なので、”お高くとまって”いてもおかしくない」と個人的には思うのです。

それでも広く柔軟な活動をして、「みんなが楽しめる美術館」であること、こどもが気軽に本物と対面できる機会を作っていること、今を生きるアーティストを応援していること――わたしが大原美術館を大好きなところです。

後半の記事では、大原美術館のスタッフ岡崎翔太さんにインタビューし、大原美術館の思いやアートの面白さについて教えてもらいました。

インタビューを読む

取材協力

大原美術館のデータ

大原美術館
名前大原美術館
所在地岡山県倉敷市中央1-1-15
電話番号086-422-0005
駐車場なし
開館時間【12月~2月】
午前9時〜午後3時(最終入館:午後2時30分)

【3月~11月】
午前9時〜午後5時(最終入館:午後4時30分)
休館日
祝日、振替休日と重なった場合は開館
冬期休館あり
入館料(税込)【一般】
大人:2,000円
高校・中学・小学生(18歳未満のかた):500円
支払い方法
  • 現金
  • クレジットカード
  • Suicaなど交通系ICカード・iD・QUICPay・nanaco・PayPay
予約について
個人であれば予約不要(入場整理券の予約不可)
タバコ
トイレ

子育て


授乳室は工芸館にあり
オムツ替えシートは本館2階および工芸館にあり
バリアフリー


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吉野なこ

吉野なこ

写真と旅を愛する、倉敷そだちのデザイナー。
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大原美術館

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